23/31
#22 有終の美
ドアを開く時のきしんだ音が聞こえる。
「……今日も何もない夜だった。平凡でつまらないな」
僕は布を引いた。
「な、何だ……?」
画家の断末魔はそれだけだった。叫ぶことのなく、ただ今の状況を理解しようとしていた。マシロも同じだったのだろう。
ただ、画家は可愛そうなことに、状況を理解するのと同時に、僕たちが裏切ったということを悟り、僕を睨んでいた。自分勝手なことをしてきたばかりの人生だったから、悔いが残ることが死ぬ瞬間の裏切りだったのだろう。残念だったな。
「ほ、本当に良かったんでしょうか」
「もう手遅れ。それに、こうなっても仕方のないことをしてきた」
僕は何も言わずルーンを連れて部屋から出た。
「ほら、さっさと出て、遠くへ逃げよう。ルーンも見つかるよ」
最後まで読んでくださりありがとうございます。




