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#15 称賛されるマシロ
マシロは手前の丸椅子に座ってる。その奥には画家さん。横にキャンバスもある。
「おめでとう、マシロ」
画家さんの声が聞こえる。
「ありがとうございます……!」
「でもね、まずはこれを見てほしいんだ。僕の作品だよ。素晴らしいものになったから、君にも見てほしくてね」
そう言って、画家さんは立ち上がった。
十秒くらい経ち、布がなびく音が聞こえた。
「先生、すごいです!」
マシロの感激した声が聞こえる。でも、僕は気づいた。布が水で塗れるように、マシロの脚から胴体へとじわじわと青銅のような色になって、マシロが動かなくなってしまった。それが一瞬の出来事だったので、マシロは感激したような表情のまま固まっている。
「ルーン、目を閉じるんだ。そう、そうだ。顔をあげずに。動くんじゃないよ」
誰かに命令をする声が聞こえる。でも、声色は諭すようで。この矛盾が気持ち悪い。
「素晴らしい作品だ」
気になって少しだけドアに近づいてみた。すると、さっきのマシロのようなものが大量に置かれていた。走っている瞬間。恐怖で怯えている顔。
「――ッ⁉」
じっと目を凝らすと、画家さんが描いたというあの絵画の人物、リコさんもいた。
僕は怖くなって、足音をひそめながら逃げてしまった。
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