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#10 旅立ちと餞
そして、マシロだけが帰ってきた。
画家さんは食事をしたあと、散歩をするために別れたらしい。
「なあなあ、ルラ! 聞いてくれよ!」
「うわっ! うん。聞く、聞くよ。聞くから、もうちょっと離れて」
「あ、ごめんごめん。ちょっとここから帰ってくるまで、ずっと興奮しっぱなしでさ。えっと、とにかく! 感情が抑えられないんだ!」
子供みたいにはしゃいでいるマシロは初めて見た。
「で、聞かせたいことって?」
「オレ、ここから出られるようになったんだ! 画家様に認められたんだよ!」
「え、それ本当⁉」
「ああ、ほんと! さっき言われたんだ」
「おめでとう、マシロ」
心からそう思った。でも、同時に少し悲しくも思った。
仲良くなった人が、すぐにいなくなるなんて。
「ああ、これから何しよう! 明日の夜、オレの絵を描いてくださるんだ。オレ、描いてる姿見るの初めてだ」
最後まで読んでくださりありがとうございます。




