異霊狩り。
風を読み気配を探る
いつだってアイツらは風上にいる
臭い漂わす存在感
悪魔に魂売ったヤツらが五万
日常の扉開けてやって来る
未来都市
私らは聖騎士とか?
そう呼ばれて久しい装備品
組み立てて纏う甲冑の中の衣装
殲滅は終末戦争
奪い合いの果てのカラクリ
失った右腕は機械仕掛けの義手
義眼に表示される数値と座標
硝煙と血の臭い嗅ぎ分け踏み入る夜の廃墟
何処にいるのかさえ分からない
反応示す赤外線
不成仏悪魔が徘徊する
成れの果ての同胞たち
何故に呼び覚まされるのか
分からないままに対峙する
あの世とこの世が入り混じる混沌
世界崩壊
風にのる血の臭い
照準定める右腕の精神解放銃
高まる戦慄が充填
何処か生き甲斐とか興奮求めてる心の裏側に
回避
反応を振り切る最高潮
数秒後の衝撃音と爆炎
つながらない音声
「死にたくないよ……」
かつての仲間の声が途絶える
目の前の標的はここいらの中ボス級
バグった公安制御装置が複数の死体と融合
何度も見て来た展開
巨大な肉塊が瀕死の百足のようにウネる
コンクリートのビルさえ食い破る破壊
「取り逃がすな!!」
司令部からの伝令
耳元に聴こえる
「ウッセぇな……」
口もと噤む心の中の集中
悪魔の脳幹に精神狙撃
(……私の右腕──精神破壊銃解放……)
みつめた視線の先
青い制服の袖口から顔出す銃口を絶賛バグり中の悪魔に向ける
丈の短い赤いスカートの下で私の太ももの白い素肌が
暗闇に輝く流線型の流れ星のように
荒ぶりウネる極大閃光に反射する瞬時に
揺れる私の二つの胸が
二つに分かれて後悔する
仲間救えなかった自分に
こんな終末世紀にトキメク自分に
私は殲滅遂行者なんだって……