雪山の中にて
いやいやいや!? どーすんじゃよこれ!!?
城どころか食う物も座る場所も無いではないかぁぁぁッ!!
ストーリー始まって見せ場なし!
いきなりのスタート✕展開じゃ入着すらできないじゃろがい!!
「あー、もしもし? 魔王様?
いくらウ⚫娘が流行ってるからと言ってそんな無理して競馬用語使わなくても…」
わ、わかってるし! うろたえるんじゃあない!
魔王は狼狽えないッ!
「ハハハ…。ま、いつも通りの魔王様で却って安心しますよ」
魔王であるワシに馴れ馴れしい態度を取る、目の前の2人について説明せねばならないだろう。
では、まずひとりめな。
「え、自己紹介しろって?
毎度ながら訳わかんないことさせるよねー魔王様ってばぁ」
いいからはよ始めろ、読者様が困るじゃろ。
「はいはーい。あたしの名前はリリス、サキュバスのリリスでーす。
好きなものは夢喰らいと生気、嫌いなものは魅力抵抗と当たり前なことでーす♪」
好き嫌いのアピールは要るのかねぇ?
まあ上出来じゃろ、うむ。では次よろしくな。
「畏まりました、魔王様。
わたくしは魔王様の忠実な下僕であり、宰相を務めさせて戴いております、グレーターデーモン族のサイモンと申します。僭越ながらも魔王様の補佐を務めるのがわたくしの生き甲斐であり、勇者達の侵攻から魔王様を連れ出しこの絶壁魔境の雪山に退避する秘策を以て魔王様の生存第一の目的を果たす事を最優先に」
あーあー長い、長いよキミ。
まあ無事脱出出来た事は褒めてやりたいけど、ここからどうしたら良いのよ、ワシらって。
「ふむ、そうですね…生き残りも我々3人だけですから…」
え、マジで?
描写されないからわかんないけど、本気でワシとおヌシら2人しかいない?
「魔王様の目ってば節穴なんだから〜。この洞穴の中、ネズミの1匹すら見当たらないよ?」
Oh...絶体絶命都市。いや山の中じゃけど。
冗談はさておき、まじめに生存術から考えないといけないのぅ。
これまで魔王城の中で培ってきた知識とかマジックアイテムとか駆使すれば何とかなるなる。
ワシ魔王様だもん。
とはいえワシも知らぬ奥地で生態も地形もわからん、文字通り命からがら逃げ回って辿り着いたのがここなのじゃよな…。アイテムも全部城に置いてきちゃったし。
「魔王様。ここは魔王城より遥か南西にある、ストノヴォ山脈のほぼ中央におります。」
ほーん。そんな名前なのねこの周辺。
で、肝心の食糧に見当はつくのかね、サイモン君?
「魔王様」
うん、なんだね。
「わたくしにも…分からない事くらい…あるんです…」
はい知ってた!!
キバ⚫シとか海の⚫ハクって肝心な時に役に立たないからねッ!
いや、申し訳なさそうにされても仕方なかろ。
とにかく、全滅する前に周辺の探索をしないとな?
「まおーさま、まおーさま」
気安さがランクアップしてないかリリス?
いやダウンしてるのか?
で、何か用なのかね。
「洞穴の奥、行ってみません?
何となく生命力を感じるんですよー」
まあ当てもなく崖を移動するのも何じゃしな。
行きやすい近場から調べるのは基本よね。いいよ。
「わーい^^」
「わたくしも異存は御座いません。リリスに付いて行こうかと思いますが、魔王様は如何なされますか」
いやあの、ワシだけこんな雪山の穴の口元に居たくないんじゃけど。寒いし風邪引いちゃう。ぴえん。
なのでワシも行くうううッ!!
さてさて、何か食えるものがあれば良いが…。




