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暗殺が得意な佐藤くん  作者: 砂糖
4/7

もう1つの日常

4話目です。

今回は短いです。

 「ただいまー」

 家の中に女性の声が響く。

 どうやら彼女が帰ってきたようだ。

 「おかえり。今回は早かったな」

 いつも通りに出迎える。 

 彼女は東雲(しののめ)美沙(みさ)

 俺の保護者にして恩人である。

 容姿は凛とした美形の顔で長い黒髪が目立つ。

 モデルのような体型で実際にスカウトもされたようだ。

 彼女と住んでいるが、大体は出払っており月に5日程しか家に居ない。

 主な理由は俺のフロント役として動いてもらっているからである。

 なので暗殺に関する依頼は彼女を通して受ける事になる。

 後は俺の主な顧客である各国の首脳陣との面談だ。

 俺の代理として俺の意見や要望を伝えてもらっている。

 俺が直接行っても良いのだが、彼女曰く「学生は勉強しなさい」だそうだ。

 彼女の年齢は現在21歳で十分彼女も学生になれる身分なのだが、既に海外の大学を飛び級で卒業しているみたいだ。



 「今回のターゲットは2人ね。3日後に日本に来るらしいからその日の夜に仕留めてちょうだい。報酬は既に払って貰ってるわ」

 美沙は数枚の通帳を渡してくる。

 中身を確認すると合計で1500万円が振り込まれていた。

 「よし。わかった」

 彼女が好きなコーヒーを淹れる為にキッチンへ向かう。

 「悠希、詳細な情報が入ったUSBここに置いとくね」

 「ありがとう。助かるよ」

 側から見れば異常な会話だろう。

 しかし、これが俺たちの日常だ。

 俺は美沙と居る時だけは安心できる。

 彼女が居たから今の俺が居る。

 この生活を脅かす者が現れたのなら俺は文字通り跡形も無くそいつを始末するだろう。



 「何見てるの?」

 美沙は着替えて来たらしく、先程とは打って変わってラフな服装に身を包んでいる。

 俺はソファに座り、ノートパソコンを開いている。

 「さっき貰ったUSBを見てるんだ」

 「そっか」

 すぐにリビングは無言の空気に包まれる。

 だが気まずくは無い。

 俺はノートパソコンを弄って、美沙は俺が淹れたコーヒーを飲みながら雑誌を読んでいる。

 こんな何でもない平和な日常を俺は守りたい。

 別に美沙とは恋人という関係では無い。

 美沙はどう思っているのか分からないが、勝手に俺は既にそんなものを超えた関係だと思っている。

 彼女さえ居れば俺はそれで良い。

 彼女こそが俺の生きた証であり、俺にとってこれからの希望なのだから。

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