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冷蔵庫ネバネバ殺人事件

作者: 氷雪 緋

どーもです。ついさっき起こった出来事を、ノンフィクションでお届けします。

私は今、無性にゼリーが食べたかった。まるごとぶどうの入ったやつ。

我が家の冷蔵庫を開けゼリーを手に取ると、ベタベタとした感触が襲ってきた。

手を離すと、指とゼリーのパッケージの間に銀色の線がひく。

ぶどうのゼリーが……………


殺されかけている…

「ええええぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?!?」


けしてウケ狙いではない。現状をそのままお送りしているのだ。

私のぶどうゼリーをネバネバにするなんて、いい度胸だ……犯人出てこい!!!!!!!!

と言っても犯人は冷蔵庫に在るものだ。喋らない。

こうなったら私が犯人を探すしかない。ぶどうゼリー、待ってろよ!



      *   *   *

まず、ぶどうゼリーが置かれていた所を確認しよう。

ぶどうゼリーは、冷蔵室の上から二段目の杏仁豆腐のパッケージの上にいた。

隣には納豆がいる。


次に、犯行時刻を考える。

ぶどうゼリーを冷蔵庫に入れたのは、昨日の夕方5時頃。

で、お母さんが買ってきた納豆を三段位積み重ねて隣に入れた。

そのあとお父さんが買ってきた杏仁豆腐を、入れるスペースが無かったからゼリーの下に入れ、その上にぶどうゼリーを置いた。

その時はネバネバが無かった、ということは犯行時刻は昨夜10時~今日午後3時だと考えられる。


最後に、このネバネバの正体を暴こうと思う。

ネバネバの強さは、かなり強い。のばしてものばしても切れない。しつこい。

水に濡らしてみる。と、ネバネバがヌメヌメに変わった。ますます気持ち悪い…


まぁここまで聞くと、犯人は納豆に聞こえるでしょう…

私もそう思った。だから冷蔵室の納豆を調べた。

……………納豆に異常はありませんでした。


もうひとつ重要な手がかりがあった。匂いだ。

匂いを嗅ぐと、バニラのような甘い匂いがする。

思い出した、砂糖はベタベタするんだ……

舐めてみると、やはり砂糖水(シロップ)だった。


これで正体はわかっただろう。

犯人は杏仁だ!!!!!!

2つ列なる杏仁豆腐を真ん中で切った時、何らかの理由でパッケージに穴が開いた。

その上にぶどうゼリーが置かれてしまったため、圧力でシロップが噴射。

杏仁豆腐を切ったのは、10時頃。それから冷蔵庫に入れたため、犯行時刻は昨夜10時。

そして17時間が経過してしまい、シロップは乾いてくる。

水が蒸発すれば、シロップの質量パーセント濃度は濃くなり、ネバネバが増す。

そういう事だったのか……


杏仁豆腐は殺人容疑(だれかのミス)逮捕(たべら)れ、ぶどうゼリーは応急処置(ティッシュでふい)て美味しく食べられました。


まぁそういう訳で、冷蔵庫ネバネバ殺人事件は幕を下ろした。

チャンチャン♪

犯行は杏仁豆腐でした、はい。

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