表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
末路  作者: 緑茶
裏切りの復讐
2/15

Ep1:2

※注意:この小説はノリと現実逃避とその他もろもろ作者の負の感情で成り立っています!そのため、その場の気分次第で文字数が増減します!更新ペースもまちまちです!

 翌日。

 ニュースでとある自宅(といってもあの女の自宅だが)にて火災が発生したとのこと。

 原因はガスコンロで、ガス管が経年劣化し、そこからガスが漏れ出てたというもの。

 完全にあの女とその家族の不注意のためである。

 各家庭では、ガス管のチェックが行われているだろう。



 当然復讐は果たしたが、もうこの手は使えない。

 ニュースで警察の捜査が入るといったが、大した操作は入らないだろう。

 不審人物の目撃情報も何も周辺の民家には誰もいない。

 空き地で遊んでいた子供を調べようにもどうせ、小学生だ。

 中には適当に答えるやつもいるだろう。

 そんなやつを警察がまともに相手するとは思えない。

 わたしに行き着くことはない。

 仮に行き着いたとしてもしばらく時間がかかるだろう。

 指紋などよくあるパターンのやつは使えない。

 私が入った経路にも被害は出ていたようで、窓ガラスに細工をした意味も特になかった。

 そんな中、私につながる指紋や毛髪などを見つけるのは不可能に近い。



 「てめえのせいだろ!?」



 しかし、やはりこいつらはそんなことでは納得しなかった。

 あれではやはりタイミングが良すぎたか。



 「・・・」



 「何も言わねえってことはそうなんだな!?てめえ、よくも私らの・・・!!」



 そういって殴られる。



 「この野郎!ふざけやがって!!なんで!私らがお前に何をしたんだよ!!」



 は?

 悪いけど、それは知的発言でしかない。



 「・・・・・・」



 「おい、やりすぎだぞ」



 近くにいたクラスメイトがさすがに止めに来る。

 いくらなんでもここまでぼこぼこに、しかもあからさまに殴ってしまっては止めに来るだろう。

 ・・・これもささやかな復讐だ。



 「・・・チッ」



 ばつが悪くなったのか、あいつらは教室を出ていく。

 それと同時にチャイムが鳴る。



 「あー・・・その・・・大丈夫だったか?」



 「・・・はい。ありがとうございました」



 私は淡泊に頭を下げて礼を言う。

 助けに来てくれたのは素直にうれしい。

 しかし、そいつの目に映っていたのは『困ってる人を助けた』という優越感。

 一種の偽善である。



 ・・・所詮そんなものか。



 まあ、そんなものだろう。

 今日はあの女たちが教室に帰ってくることはなかった。


























 次はリーダー格以外の女、ぶっちゃけ呼び名に困るあいつだ。



 「・・・ま、夜道に紛れて襲えばいっか」



 幸い、ここ最近首のない動物の死体があったりと物騒だったりする。

 例の放火もどき事件(私が爆破工作したやつ)もそいつのせいにされかけている。

 もうそいつに便乗してしまおうというのが今回の作戦だ。



 人の倫理観や道徳観というのは強い感情の前にはろうそくの火以下でしかない。

 つまり、ついカッとなって人を刺してしまうのと同じようなものだ。

 今の私がそれだ。

 私の燃え滾るような復讐心は長年言われ続けてきた『人殺しはダメ!』といったものをたやすく凌駕していた。

 あの微妙に呼び名に困る女(これからは取り巻き女と呼ぶことした)はバスケをしているらしい。

 だから運動が微妙にできない私を見下しているんだとか。

 なら、ただ見下すだけにしてほしいものだ。



 と、いうわけで取り巻き女は帰りが遅い。

 そして、そのあと部活メンバーと遊びに出かけたりしているらしい。

 まことに不誠実であるが、それが今回は幸いしている。

 それに帰り道で明らかに『襲いますよ』って感じの場所がある。

 そこで襲ってやろうではないか。

 凶器はもちろん鋸。

 これに至っては定番である。



 およそ一人暮らしの女子高生が持つような代物ではないが、何か本能のような使命のようなものに突き動かされて五本ぐらい買ってしまった。

 今までは人生一の無駄使いだと思っていたが、まさかこの時のための伏線だったとは。


























 「つーかれったぞー!つっかれったぞー!!」



 と、謎な歌を歌いながら歩いてくる取り巻き女。

 いかにもゲーセンで遊んでました感が満載である。



 「あん?あんた誰よ」



 ここで私登場。

 当然まだ凶器は出していない。

 ここは小柄の男性をイメージした感じで決めてきた。

 当初は殺す予定だったが、ここは犯人様に協力するためもとい操作を混乱させるためにあえて逃がすことにした。

 慌てたこいつはまさか私だとは思うまい。

 思ったらこいつは私にビビっていたことになる。

 それはそれで面白いのだが。



 「ヒッ・・・な・・・なによあんた!?」



 ちょっと赤いペンキとかを使っていい感じに細工してきた鋸を取り出す。

 そして、そのまま駆け寄る。



 「ちょ・・・いやあああああああ!!こっちこないでえええええ!!!・・・あっ」



 恐怖のためか取り巻き女は足がもつれその場に転んでしまう。

 私はその期を見逃さなかった。

 一気に近寄り、首筋に鋸の歯をあてる。



 「あ・・・あああああああ・・・」



 そこで、女の携帯が鳴る。

 まるで活路を見出したかのように携帯に出る女。

 いや、のんきだなお前。



 「助けて!いま変な男に殺されかけ・・・」



 そこで私が携帯を弾き飛ばす。

 そして、弾き飛ばした携帯を踏み潰す。



 「ちょっと!?あんたどういヴヴヴヴヴヴ・・・」



 ちなみに履いてきた靴は男性用の少し・・・というか、27とかなり大きめのサイズの靴だ。

 私の足のサイズが24.5なので歩きにくいことこの上ない。



 「いやああああああああ!!だれかああああああ!!」



 そこで女は逃げ出す。

 まあ、追う必要はないか。



 そこで私は隠れるようにして逃げ出した。

 鋸に関してはその辺の川底に沈めてきた。

 ・・・2500円が。



























 さすがにニュースで不審者のことは言ってなかった。

 しかし、ホームルームでは触れていたらしい。

 例の取り巻き女はいなかった。

 このころになると私も少し変わり始めていたのかもしれない。



 「・・・これ、あんたのせいでしょ?」



 「・・・」



 しかし、やはり無視することには変わりない。

 好きなだけ言えばいい。

 その分だけ私の復讐は激しさを増す。

 しかし、その分の復讐はお前だけには向かない。

 あの取り巻き女へもそれは向く。



 だって、あの取り巻き女への私の復讐はまだ終わりではないのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ