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掌編集  作者: (=`ω´=)


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53/69

現代社会における召喚魔法の実際。

 寒波とやらやって来るそうなので、ホームセンターから金盥を購入してきてその中にサラマンダーを召喚してみた。

 無事に召喚に成功したサラマンダーはパチパチと勢いよく燃続ける体躯を持ち、手をかざしてみると非常に暖かい。

 勢いよく燃え続けるのはいいのだが、その度に身体中からもうもうと黒い煙を吐き続け、ついには火災報知器が反応することになった。

 あわてて報知器のスイッチを切り、窓を開けて換気扇を回す。

 ミゾレはすでに止んでいたが、外気の気温は思いのほか冷たく、ボロアパート内の空気が入れかわるのと同時に、室温ががくんと一気に低下し、わたしは大きなくしゃみをした。


「どうしたもんかな」

 今のわたしでは、喚び出したサラマンダーを元いた場所に戻せるところまで魔力を回復するためには、たっぷり数日は必要となる。

 その間、盛大に煙を吐きつつ燃え盛るこの物騒なトカゲを、どこかに置いて置かねばならない。

 アプリで不特定多数の知人たちに相談をしてみると、某飲食店勤務の先輩から預かってもいいという返信があった。

「定期的に召喚してもらって、食材として卸してくれるのが一番手っ取り早いんだが」

 とも、提案をされた。

「美味いんですか? サラマンダーって?」

「試してみなければわからん。

 前に試してみたウーパールーパーはなかなかいけたが」

 ちなみに、そのウーパールーパーも一部の文化圏においてはサラマンダーと呼ばれているらしい。

 ただ、その先輩が提示してきた卸値が予想外に低額であったため、その申し出については丁重にお断りしておいた。

 数日分の魔力と引き換えにして千円以下では、いくらなんでも割りが合わなすぎる。


 ということで、件のサラマンダーは、その先輩が勤務する炉端焼きの店の囲炉裏の中に匿われている。



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