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割愛
「や」
そういって伊織がいきなり背中にのし掛かってきた。
「暑いから離れろよ」
ノートパソコンの画面を覗きこみながら、おれは無愛想な声を出す。
「つまらないはんのうー」
とかいいながら、伊織はおれの背中に乗りかかって、おれの首に抱きつきながら鼻にかかった声を出した。
「もうちょっとちゃんと構ってよぉー」
「いや、本当。
暑いから離れて」
おれはげんなりとした声を出した。
うちのクーラーが故障して、今はその修理の人が来るのを待っているところなのだ。
当然、おれも伊織も汗だくであり、こうしてくっつかれると密着された部分がかなりひどいことになってしまう。
いちゃつくのも、時と場合を選んで欲しいものである。
「……本当にぃ?」
伊織は背中からおれの下半身に手を伸ばして来た。
「本当に、離れちゃっていいのかなぁ?」
伊織の細い指がおれのジッパーを降ろし(以下、「小説家になろう」の規約に抵触する記述しかないため割愛)




