2/4
すぐそこに
『うわぁぁ‼』
春はベッドから大きな音を立てて転げ落ちた。
『いててて…』
季節は、まだ肌寒い4月の始め。
それなのに額や背中から汗が流れ落ちていた。
春は腕で汗を拭いながら窓を開けた。
『うわぁー。寒いな。』
一気に身体の熱を奪っていく冷気に絶えられなくなって急いで、窓を閉めた。
『それにしても、あの夢なんだったんだろ。それにあの子…』
ベッドに戻り天上を眺めながら、見た夢を思い返す。
時計に目を移すと針は4時を指そうとしていた。
『カチッ…カチッ…』
針の音が部屋に響き渡る。
時がゆっくり流れ静寂が身体を包む。
『気持ちいいな』
微笑みながら春は言った。
瞼が段々と重くなっていく。
気付いたら朝になっていた。
汗は渇いて嫌な臭いだけが残っていた。