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先生 攻略法  作者: 桜桃
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大好きな人

三橋さん視点です

私は三橋美樹。


この春、やっと高校生になれた。


私は、小さい頃から近所のお兄ちゃん、

なるちゃんが大好きで・・・


なるちゃんが勤めている

この高校に、死に物狂いで勉強して入学した。


きっと、なるちゃんは私を見てくれる。

大人になった私を見てくれたら

きっと、きっと・・・

私を好きになってくれる。


ずっとそう思ってた。

信じてた。


なのに、やっとの思いでなるちゃんを見つけたときには


知らない女の子が隣にいた。



なるちゃんの噂は先輩からも聞いてたし

きっとその子も同じだろうって思ってた。


だけど、全然ちがくて


なるちゃんの目が、他の女の子とは違って


まるで、恋をしているかのような

その子を見る目がとても愛しそうで


私に向けられてるわけじゃないってわかってるのに


ときめかずにはいられなかった。



それが、余計に悔しくて悔しくて



意地悪してやろうと思ったけど


返り討ちになっちゃって・・・



何度なるちゃんに思いを伝えても


この間、ばっさりと切り捨てられた。



あんな なるちゃんを私は見たことがなかった。





「美樹ちゃん。」


「柚先輩・・・」



柚先輩は生徒会の議長をしている。

吹奏楽の先輩でもあって、

私はすごく尊敬していた。



「私、好きな人がいるんです。」


「うん。」


「成瀬先生です。」


「・・・そっか。」


「反対、しないんですか?」


「うん?心配しなくても、後で反対しとくよ」



笑いながら、私に言う。


私の切り詰めた糸を、次第にほぐしてくれた。




「小さい頃、近所のお兄ちゃんだった

 なるちゃんを、私はすごく好きだった。

 だから、この高校に入学して・・・

 高校生になって、きれいになった私を見てくれたら・・・・

 振り向いてくれるんじゃないか、って思ってたのに・・・

 ふっ・・・・馬鹿みたい。

 なるちゃんには、ほかに好きな人がいた・・・なんて・・・」


「・・・・」


「なるちゃんに、バッサリ言われちゃいました。

 遊びなら付き合ってやれるけど、本気なら無理だって。」


「・・・そう。」


「先輩ッ・・・」


「美樹ちゃん。

 宣言どおり言うよ。

 蒼くんはやめといたほうがいい。

 美樹ちゃんには、受け止めることなんてできないから。」


「蒼、くん?」


「私と先生は、色々あったの。

 だから、わかる・・・

 蒼くんの痛み、思い、悲しみ・・・

 美樹ちゃんには受け止められないよ。」


「私、には?」


「そう。

 蒼くんは、苦しんでる。その苦しみを取ってあげるのは

 美樹ちゃんの役じゃない。

 厳しい言い方かもしれないけど・・・私はそう思う。

 大丈夫、美樹ちゃんにはもっと素敵な人が現れるよ?」




私の知らない、時間。


空白の、時間。


その間に、私はなるちゃんに何があったのか知らない。




「蒼くんに好きな人か・・・

 誰かわからないけど・・・

 その人が苦しみから解放してくれたらいいんだけど、ね・・・・」


「それは、悔しいので嫌です。」


「クスッ 

 だけど、早く蒼くんを開放してあげたい・・・。」




柚先輩は、とても切なげに言った






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