実は
相沢先生視点です
なんとなく、廊下をブラブラしてた
保健室に行こうかなーって
考えながら。
でも、その前になるちゃんに会おうかな、最近会ってないな
なんて考えながら、美術準備室に向かってたら
準備室の扉が半開きになってる
そっと中を覗いたら、三橋となるちゃんだった。
抱き合ってる・・・
というか、抱きついてる三橋の手を解こうとしてるなるちゃん。
そんな光景だった。
「やだっなんでよっ」
「なんでって・・・」
「なんで?私の気持ちは重たいの?」
うっわあ、修羅場~
そう思った。
なるちゃんが女生徒に手を出すのは、初めてじゃない。
これまで、何度も・・・あった
その中には、本気になっちゃう子だって・・・もちろん。
やめろよ、って俺らが言えばいいんだろうけど・・・
言えなかった。
言えない理由が、あるから。
なるちゃんは、誰にも本気にならない
あの日から、絶対に
だから、本気になっちゃう子に対しては
ビックリするくらい、冷たいこともあった
三橋の好きな人って、なるちゃんだったんだ。
ってことは、恋敵が大宮ちゃん?
「なるちゃん!私、大人になったでしょっ?」
「まだ、高校生でしょ。」
「もう高校生だもん!
私、どれだけの年月なるちゃんを好きだったと思うの?
あの子になんか負けない!」
「あの子って、大宮のことか?」
「そうだよ!」
「あのなあ、大宮はただの・・・」
「違う・・・
私にはわかるもん。あの子は、違うもん。」
三橋の声が、少しだけ強くなる。
聞いちゃいけないはずだけど・・・
もし、違う先生が通ったら困るから・・・そんな理由をつけて息を潜めた
「好きだよ、大好きなの!
お願い・・・私だけを見てよ、なるちゃん・・・」
「ごめん。」
たった一言だったけど、すごく重たかった
第三者である俺でさえも、心にずっしりとくる一言
当の本人には、どれほど重たい言葉なんだろう
「やだっ嫌だ!」
「やだって言われても、俺はもう誰も好きにならない。」
「やだやだ!」
「俺はもう、恋はしないって決めたんだ。」
「いや・・・だ・・・」
「いいか?
遊びならいくらでも俺は付き合ってやれる。
だけど、それ以上は望むな。」
冷たくて、重たい声
なるちゃんはまだ、恋をしないって決めてるんだね
そろそろ、解放されてもいいんだよ?
自分を、縛り付けないで・・・
涙が一粒、頬を濡らす
それに気がついたあと、三橋が出ていくのがわかった。
多分、俺には気づいてない。
三橋と入れ替えに、幸ちゃんが目をまん丸にさせてこっちにきた
「え?相沢くん?」
「幸ちゃん・・・なるちゃん、頼む・・・」
涙をぬぐって、保健室へと向かった
相沢先生が、保健室に来る前のことです!




