とんだ悪魔
「話って?」
甘いミルクティーを一口飲んで、彼女に尋ねた。
あえて、暖かいのを選んだのは
きっと、自分でも感じてない小さな緊張をほぐすため。
「・・・なるちゃんとどういう関係?」
「・・・は?」
「だから、どういう関係なのよ。」
さっきまでの、しおらしい姿はどこへ・・・
「生徒と先生だけど。」
「そんなわけないじゃない。」
「・・・あのねぇ、そんなわけないって決めつけないでくれる?
本当にそうなんだから。」
違ったら、どんなにいいか。
「じゃあ、どうしてなるちゃんと手をつないでたのよ。」
「え?」
「手、つないでたじゃない。
屋上に・・・行ったじゃないっ」
あぁ、あの時・・・
ってことは、ずっとついてきてたわけ?
「私は、手なんてつないでもらったことなんてなかった。
他の女生徒が屋上についてこようとするといっつもやんわり断ってたのに・・・
どうして、どうしてアンタはいいのよっ」
「あの・・・話がみえない・・・」
「なるちゃんと付き合ってるの?」
「はい?」
「別れてよ!」
なんなのよ、この子・・・
勝手に妄想ふくらませて・・・
私と先生が付き合ってるわけないじゃん。
手なんか、他の人もつないでもらってるよ
屋上はきっと、先生の気まぐれ。
「私、先生と付き合ってない。」
「嘘っ!」
「だから、決めつけないでって言ったでしょ?
勝手に妄想しないでよ。
何を勘違いしてるか知らないけど、私と先生は
ただの教師と生徒なの。」
あー・・・
自分で言って、傷ついてるよ私・・・
ばっかみたい。
「ほんと?」
「嘘言ったってしょうがないでしょ。」
「そっ・・・」
安心したのか、
彼女は、周りの空気を少しだけ和らげた。
「じゃあ、あなたはなるちゃんのこと、好きじゃないのね?」
「・・・」
「なに、だまりこんでんの?」
「・・・別に。」
「まさか、好きなの?」
「・・・さあ?」
「さあって・・・馬鹿にしてるでしょ、私のこと。」
「してないけど。」
「してる!好きなの?好きじゃないの?」
「・・・仮に好きだったとして、どうして貴方にそんなこと言わなきゃならないの?
そういうのは、先生に言うものであって、
貴方に言うべき言葉じゃないと私は思うんだけど。」
私が少しだけ、キツく睨むと
彼女はグッと唇を噛み締めた。




