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エンモメ  作者: きさんた
4/5

日曜日は休日です

久しぶりになってしまいました…

「今日は何曜日ですか?」

と、答えの分かっている質問を会長にする。



「日曜日だよ」

と、笑顔で返された。



そう、今日は日曜日。


部活をやっていない私は、普段は家で安らぎを得ているはずの日だ。


生徒会の仕事だって、文化祭が近いからといっても、休み返上でやるほど残っている訳でもない。

全ては、私が平日に頑張っているお陰!偉いぞ、私!!

誰も褒めてくれないので自分で褒めるしかない。




つまり、何が言いたいかというと、何故私は休みの日に、生徒会の仕事でもないのに会長に会わないといけないのか、ということである。




私達がいるのは、学校の近くにある大型ショッピングセンター内にある映画館である。



昨日の夜、会長から『明日は約束通り映画見に行こう。10時に○○映画館前ねー。来ないと、瑞希の秘密皆にばらすぞー』

と意味不明なメールが届いたのである。


約束をした覚えは無いし、私に大した秘密なんて無い!と思ったのだけど、あの会長なら訳の分からん私の秘密とやらを捏造しそうだ…と一晩悩んだあげく、結局やって来たのである。



しかし、この男、居るだけで目立つ。

隣に居る私へも視線が注がれるので、注目され慣れていない私は、早くも疲れてしまった。

というか女の人からの視線が痛い。すみませんね、隣にいるのが私でと捻くれそうだ。


この人は、何時もこんなに注目されて疲れないのだろうか…イケメンも大変なんですね。と、前を歩く会長の背中を見ながら思った。


「何してるの?置いてくよー」

と言う会長の声に我にかえり、まぁせっかくだから映画を楽しもうと考え、会長の元へ早足で向かった。





最近話題になっている、感動ものの映画を見終わると、ちょうどお昼だし、ということで会長と食事をする事になり、スパゲッティ屋さんにやって来た。


もちろん、会長に奢らせるつもりですよ。

映画も奢って貰いましたとも!私の休日を奪ったんだから当然だ。安いくらいだよ!



しかし、この会長、やっぱり女慣れしている。

私は残念ながら今まで彼氏がいたことが無いので、もちろんこんなデートの様な状況になったことは無い。(これはけしてデートではないが!)

そんな私でも、このお店に入るまで会長が色々と気配りをしてくれているのが分かる。

つまり女の子の扱い方が上手い。

この人がモテる理由も分からんくは無くは無いような…




「瑞希、なにぼーっとしてんの?また変な顔になってるよ」


自分の世界に入り、会長についての分析?を行ってた私に向かって、

目の前で優雅にナポリタンを食べている会長が暴言を吐いてきた。

会長なんかナポリタンで口元真っ赤になってしまえ!とくだらない呪いをかけた。効かなかったが…


「ブサイクなのは元からです!!」


仮にも女の子に向かって、なんてことを言うのだ!と憤慨しながら、会長を睨んだ。


「ブサイクとは言ってないよ、変な顔って言っただけ。そういえば初めて会った時も、面白い顔してたなー。ヤバいもの見ちゃった!!どうしよう!助けて!って顔してた」


あんなに顔真っ青になった人初めて見たよ、と笑顔で言う。


あの、保健室でのことを言っているのだろう。


私もあんな腹黒そうな笑顔初めて見ましたよと思ったけど言わない。恐くて言えない。


そして正直、驚いた。

あの日以来、その時の話をしたことは今までなかったのだ。

なんと言葉を返せばいいのか分からない。笑って話を流せばいいのだろうか?



会長はあの時、別に彼女なんかじゃないと笑って言っていたけど、

私は勝手に、会長は先生のことを本気で好きなんじゃないかと思っていたのだ。

先生との禁断の恋。その辛さを紛らわすために私を振りまわしてるのでは、なんて考えていた。


これは会長に聞くチャンスか?聞いてもいいのだろうか?





「会長はなっちゃんの事が好きなんですよね?」


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