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エンモメ  作者: きさんた
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生徒会の皆さん(面倒な方)のご紹介です

「会長!仕事して下さい!!」


私は、今日も授業が終わると直ぐに生徒会室に向かった。

保健室で初めて会長と話してから、2ヶ月が経とうとしている。



あの事件の後、風邪から復活した私は、あの事は自分の胸に秘め会長には絶対に近づかないようにしようと決意し、3日ぶりの学校生活を楽しんでいた。


しかし、その日のうちに生徒会室に呼び出され、何故か会長によって生徒会書記という名の雑用係に任命されてしまった。

あの時の会長の顔!あれはいじめっ子の顔だった!!ひぃー!


そんな訳で、今では私も不本意ながら生徒会の一員である。


この学校の生徒会は会長を選挙で選ぶ。

ちなみに、現会長は満場一致で決まった。あの時、イケメン会長だー!と喜んでた自分を消し去りたい…

そして、その会長が生徒会役員立候補者の中から役員を選ぶというシステムだ。

ちょうど書記をしてた人が転校してしまったらしく…そこに私が現れたらしい。

なんとも私はタイミングが悪かったのだ。



まぁ、キッカケは何にせよ、やるからにはちゃんとしたい!とやる気をだしてる私に対して、今目の前で優雅にお茶を飲んでる会長からはやる気が感じられない…


やり始めたら、仕事は早いしリーダーシップもあって、さすが皆が認める会長だと思えるのだが、如何せんやり始めるのが遅い!!


これが、この2ヶ月生徒会にいて判明した事だった。




ほぼ毎日言ってるんじゃないかという台詞を今日も繰り返す私をちらっと見た会長は

「これ飲んだらやるよー。それより、今週の日曜日一緒に映画行こうか?」と微笑む。


「行きませんよ!もうすぐ文化祭ですよ!各クラスの店だしの確認でそれどころじゃないでしょう!?」


「じゃあ、日曜日も一緒に此処で仕事しようか。二人っきりで。」


「…」


この会長の最大の欠点はこのタラシっぷりだろう。

私は言葉を返すのさえ面倒になり、自分の仕事に戻る事にした。

もうすぐ文化祭なので、片付けなきゃいけない仕事は沢山あるのだ。

会長の相手なんてしている暇はない。



会長となっちゃんの密会を見た私は、会長の弱みを握っているはずなのに、何故か立場的に下になっている。

そりゃ学年は下だが、普通弱みを握った方が優位に立てるはずじゃないのか!


なのに、この会長は別に言いたきゃ言えばーというスタンスを崩さない。

というかあの話題はあれ以降していないが。

私は皆に言うつもりもないが、なんだか納得いかない。

それに私が言ったところで、会長の言うように誰も信じてくれなさそうで悔しい。


まぁ、私もあの事は忘れて、今まで通り過ごしたい。

あれから何度かなっちゃんと廊下ですれ違ったが、なちゃんは何も気づいてなさそうだった。

相変わらず、素敵な笑顔で挨拶をしてくれた。

こんな素敵な先生が、会長の毒牙にかかっているのかと思うとちょっと悲しい…


会長は三年、私は二年生で今まで繋がりなんか無かったから、こんな奴だったとは知らなかった。

…いや、生徒会以外のところでは爽やかな振りをしてるみたいなので、例え会長と同じクラスの人でも知らないんじゃ―――と、今さら会長の猫かぶり疑惑について考えながら、生徒会の報告書をまとめようとイスに座ったところで、向かいに座っていた副会長の服部馨先輩が声をかけてきた。


「あーあ、篠原に無視されて達也落ち込んじゃったよ?」


さっきまでの私達のやり取りを見ていた先輩は、完全に面白がっている。

集中力が切れてしまったのか、資料をめくる手を止めて完全に休憩モードだ。


「馨先輩が慰めてあげればいいじゃないですか。」

ちょっと睨みながら言うと、降参というふうに両手を上げて笑う。


「おー、恐い。恐い。達也、全然脈なしだなぁー」

と言いながら席を立ち、会長と雑談を始めてしまった。



馨先輩も仕事して!と思ったが、会長と馨先輩の二人を同時に相手する労力を考えて諦めた。




「はぁ〜」


なんでこんなんで今までこの生徒会はやって来れたんだ…っと思わず溜め息を出してしまった所で、生徒会室の扉が開き、新たな人物が入ってきた。



「こんにちはー。瑞希ちゃん、またお疲れ顔だねぇ」


この学校のマドンナと言われている、沖野さんだ。

彼女もこの生徒会の一員なのだが、週に一回現れたらいい方だ。

恋多き彼女は放課後はデートなどで忙しいらしい。(彼女の年子の姉と私は友達で、その子からの情報だ。)

そんな彼女が何故生徒会に入ったのかは不明だ。

会長、副会長も不明だが…。



「確実に最近疲れてるよ…あそこの人達のせいで。」

と苦笑いで返事をすると、「えー、それって俺たちの事?」と分かり切った事を言う会長。



こんな感じで、濃いメンバーの中でなんとか毎日頑張っている。


ちなみに、生徒会にはあと二年生が一人、一年生が三人いる。

この子達は皆真面目でいい子だ。残念ながら今日は四人とも用事でいないが…



明日は皆がきてくれる事を祈りながら、また会長の言葉を無視し、報告書に取り掛かった―――


やっと会長の名前が出ました!


主人公のフルネームもやっと…篠原瑞希ちゃんです。



お気に入り登録して下さった方ありがとうございます!

もっと読みやすく、楽しい話になるよう頑張りますので宜しくお願いします。

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