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エンモメ  作者: きさんた
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カムバック!平和な日常!

間違った。


私は、大きな間違いをおかしてしまった。何を間違ったのか…



それは判断だ。判断を間違えてしまったのだ。


朝起きてちょっと風邪っぽいなと感じた時点で学校を休むべきだったし、学校に着いて本格的にしんどくなったらすぐ早退するべきだった。


しかし、秘かに皆勤賞を狙っていた私は、真面目に学校に来て授業を受けていた。

3限目が終わる頃には友達から心配されるような顔色になっていたらしく、授業が終わってすぐ大人しく保健室に行くことにした。


次の4限目の地理は、イケメン先生の授業だったのにもったいない。

ああ、せっかく無理して学校に来たのに。

…なんてことを考えながら重い足取りで保健室に向かった。まぁ、保健室にも私の大好きな美形の先生いるのでいいか、とも思いながら。


保健室の先生、通称なっちゃんは生徒に大人気の先生だ。

今年度から我が校に赴任してきた美女で、若くて綺麗な保健室の先生だなんてなんて理想的!と始業式に思った記憶が懐かしい。

なっちゃんは、美人だがとても気さくな先生で着々とファンを増やしつつある。私も先日体育の授業中に突き指をしてしまい、なっちゃんのお世話になってその天使の微笑にやられてしまった一人だ。


そんな、なっちゃんを筆頭にこの学校の関係者は、美形が多かったりする。

先生でいうと、なっちゃんの他には今私のクラスメイトが授業を受けている地理の福井先生が人気だ。かくいう私も福井先生のファンである。なので地理の成績だけは良かったりする。


また生徒にも美形が多い。入試の時、顔で選んでるんじゃないのか?と疑いたくなる程だ。まぁ、私が合格しているのでそれはないだろう。




保健室に行くと、なっちゃんが不在だった為、勝手にベットを借りることにした。

余程しんどかったのだろう、そこからの記憶はない。



ああ、放課後までぐっすり眠ってしまうなんて!なんという過ち!

昨日までの平和な日常カムバックッ!!



風邪を引かなければ!保健室に行かなければ!放課後まで寝てなければ!!



なっちゃんと我が校が誇る生徒会長様の逢い引き現場など見なくてすんだのに!


学校で何やってんだよ!と怒鳴りたくなったが、そんなことは怖くて出来ず(見たのがバレたら絶対面倒なことになる!)2人から見えないであろうベッドの上で見つからないよう震えていた可哀想な私。



早く2人ともどっか行ってくれ!なんでなっちゃん、私が居ること忘れてるんだ!ああ、そういえば勝手に寝てたから私の存在知らないのか!と混乱する私。

とりあえずその行為をやめてくれ!!という私の心の叫びが届いたのか、校内放送で呼ばれたなっちゃんが離れがたそうに保健室を出ていき、私は一瞬ホッとしてしまったのだ。



まだ1人残って居たのに。


その一瞬の油断によって、私の身体は悲鳴を上げた。



ぐぅ〜



だって、お昼ご飯を食べずにずっと保健室で寝ていたのだ!

お腹の虫が悲鳴を上げるのを誰が止められただろう…


とても情けないその悲鳴はバッチリ相手に聞こえてしまったらしい。





今、私の前には怖いぐらいの笑顔を浮かべた生徒会長がいるのだから。



なんて情けない見つかり方なのだ、と悲しくなりながら目の前の難題と向き合わなくてはと熱でボーッとする頭で考えた。



ああ、今日は厄日に違いない。この判断は間違いないだろう。



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