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二十五話

縁庵への帰り道、どうしても気になってきた大志はコンに尋ねた。


「あの、コン様。確か、コン様ってオーナーと一緒にこっちに来たんですよね?」

「それは知っておるのだな。左様じゃが?」

「オーナーって、なにか修行してたんですか? ほら、陰陽師とか、神職的な」

「ふむ。まああっちの連中とは異なるが、同じような者じゃな」


そのような知識と経験を持って、織部は霊的なものと戦える力を手にしたのだろう。

隣にはコンもいた。共に戦うこともあっただろう。

なるほど、と大志は納得した。

縁庵に着くと店番をしていた織部に愛助の話をした。

織部は二つ返事でOKを出した。


「ほ、本当に大丈夫なのか? オーナー」

「大丈夫だって。俺、強いから」


またしても、謎の自信をもって彼は言う。

それでも大志は嫌悪することなく、受け入れた。


「……俺も、当日いくよ。愛助さんに啖呵切っちまったし、オーナーたちのこと、心配だし」


その言葉に、コンは織部の隣に近づき身を寄せた。


「聞いたかみどり? 頼もしい事じゃのう」

「そうだな。ありがとう」

「……ちょっと馬鹿にしてる?」


ニヤニヤと笑う彼らに、大志は眉を顰めた。





その日の夜。

織部は大志の部屋を訪ねてきた。


「ちょっとさ、言いたいことがあってさ」


そう言って織部は大志の前に座って、彼と目を合わす。

いつもより優しく穏やかな目をしていた。


「ありがとうな」

「……えっと、なにが?」


突然言われても、大志は戸惑うばかりだ。

そんな彼に織部は改まって頭を下げる。


「初めてなんだ」

「え?」

「……俺が戦っている時に、ついていくって言われたの」


織部の言葉に驚きながらも大志は答えた。


「それって、オーナーが強いからじゃねえの? だから任せてたんじゃないの?」

「そうかも知れない。でもさ」


そういうと織部は顔をあげる。

今にも泣きそうな顔をしていた。

意外だった。

あれほど人と繋がりたがり、親切を施す彼が、人に寄り添うと言われただけでこんな顔をするなんて。


「側にいるって言ってくれて、ありがとう」


そうして再び、織部は頭を下げた。


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