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楽園戦争1 血戦の刻

 決戦の日。俺達はいつもどおり朝を迎えていた。


 


作戦は昼に決行されるため、それまで怪しまれることなく過ごさねばならない。




 窓から差し込む光がどこか不気味な感じがしながらも、俺達を応援してくれているような気がした。




 作戦をおさらいすると、昼過ぎにカフェテリアから地下へと侵入。




 それから地下1階、2階を突破し、地下3階から地上へと一気に脱出する。




 それと、脱出時は2グループに別れて行動する。




 これは万が一の裏切りをケアするためだ。


 


 そしてやってきた昼過ぎ、俺達は昼食を軽く食べて準備を済ませ、カフェテリアで扉が開くのを待っていた。




 まだ予定時間ではないので来るわけもないが、ソワソワする。




「天霧」




 健崎が俺の名前を呼ぶ。




「な、なんだよ?」




 俺はその時自分が思っているよりも緊張している事に気がついた。




「大丈夫だ。必ず成功する。いや、させてみせる」




 健崎、良いことを言ってくれる。




「私だっているんだから!」




 恋羽も俺を励ましてくれる。




 出会って2週間とは思えないほど俺達の仲は深まっていた。




 外に出た後でも一緒にいたいくらいだ。




 そんなことを言っていると透もやってきた。




「皆さん気合入ってますね!」




 彼もウズウズしているに違いない。




「今丁度誰もいませんし、ここで一回景気づけに」




 俺達は円陣を組んで健崎のコールで




「成功させるぞ!」




「「「「おー!」」」」




 この時、これから命の危険にさらされるというのに全員の目は輝いていた。




 しばらく待っていると時間が来た。




 ガチャガチャッ




 扉が内側から開けられようとする音が聞こえる。




「来た!」




 俺達はすぐに扉に駆け寄り、扉を奥へと押し込み、中に入る。




「さぁ!行くで!」




「いっくよー!」




 中に入ると、2人が迎えてくれた。




 俺達は早速地下一階のフロアへと足を踏み入れる。




 そこは宇宙船の中の廊下のような通路だった。




 事前情報通り、地下一階は円形の通路になっていて、十字のように通路が伸びてい


るのだが、地下二階へと通じる階段があるのは真反対だ、俺達は地下一階は迅速に突


破すると決めているので、6人で走り抜けた。




 事前情報通り、警備は特になかった。地下二階へと通じる階段のあるところの扉をそそくさと締め、地下二階へと進む。




 地下二階の扉を開けると多くのロボットが稼働していた。




「やべっ!」




 開けてすぐに扉を閉じる。多分バレてはいないだろう。




 地下二階に降りると急に大きなフロアだった。




 地下一階とは比べ物にならないくらいだ。




 事前情報によるとフロアは中央に円形で通路にむき出しの修理所があり、その周り


が通路となっている。




 今回も十字に通路が伸びているが、階段はやっぱり反対側だ。エレベーターはある


ようだが、使うことはリスクが大きすぎる。




 思っていた以上に修理ロボが多い。




「どうする!?一気に突破するか?」




 健崎はヒソヒソ声で問いかける。


「見つかるのは見つかるんじゃないか?やっぱり走り抜けるか?」




「そうしかないんですかね……」




 透もそう思うようだ。




 俺も見つかるのは仕方がないと思う。




 地上への階段が1フロア下にすぐにあるのであれば、見つかってもさほど支障はなさそうだが……




「ここでもたついてるほうがよっぽど危険や!さっさと行くで」




「だ、大丈夫なの!?」




「そうだよ!二手に分かれてもどっちか捕まっちゃうかもよ!」




 恋羽と遥は不安を漏らす。




「しゃーないやろ!今更作戦変更なんてしたほうが失敗するわ!2手に分かれて行くで!」




 その一声で渋々行くことになった。




 扉を開けるとすぐに左右に分かれる。




 右手に雫、恋羽、桐谷


 左手に健崎、透、遥




 数十メートル走ると、案の定すぐにロボットに見つかってしまった。


 すぐにアラームが鳴り響く。


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 左手側




「やばい!見つかりました!」




 透は叫ぶように言う。




「口じゃなく、足を動かせ!」




 俺はそう言う。




「あのロボット!銃構えてない!?」




 遥のその一言で一気に不安がよぎる。




「事前情報と違うぞ!」




 全く。やっぱり桐谷。あいつは信用ならない。




「ほんとに構えてます!やだー!」




「いいから走れ!」




 必死に走っていると突然電気が落ちた。




 右手のあいつらがなにかしたのか……?




 すると突然、ズドン!と大きな銃声がした。




「きゃあー!」




 遥の叫ぶ声が聞こえた。透も大慌ててで手を離しそうになる。




 その時、ドアが見えた。おそらく距離的に階段へ通ずる階段ではなさそうだ。




「手を離すな!一旦隠れるぞ!」




「は、はい!」




 俺達はなんとか混乱しながらもドアの奥へ逃げ込み、鍵をかけた。




 周りを見るに、ロボット修理のパーツの倉庫だろう。




「そうだ!遥はどうした!?何があった!?」




 暗闇から血の匂いがする。やられたか……!?




「健崎さん!遥さんが肩を撃たれてしまったみたいです!早く手当をしないと!」




「わかってる!俺が手当するからお前はライトで照らしておいてくれ!」




「はい!」




「うぅ……痛い……」




 ライトに照らしてみてみると、肩を撃たれて入るものの弾がかすっただけのようで


手を施しやすかった。




「よし。これで応急処置は完了だ」




「あ、ありがとう」




「健崎さんが良かったです!」




 二人はもう目をうるわせていた。




 俺はこの時、とんでもない不安に襲われていた。




 これからどうすれば良い……?




 地下二階でこの警備。地下三階なんて警備が厳しいに決まっている。




 それに、不可解なところがある。




 あんな真っ暗な所で射撃して当てられるロボットには赤外線センサーでもついているのだろう。




 ならなぜ「肩をかすめるだけで済んだ」のかだ。




 普通殺す気で狙うなら首や頭を狙うはずだ。それに外すなんてほとんどありえない。




 ラッキーだったと思いたいが……果たして……




「しばらくはここにいたほうが良いですか?」




「ああ、けが人が出ている以上はそうするしかない。しかも停電中でも警備がしっかりしていることがわかっただろう」




「ご、ごめんね……私のせいで……」




 遥はそう謝るが、今回は誰が撃たれても仕方のないところだった。




「でも手当は完璧です!さすがお医者さんですね!」




 透はそう言う。




 何度同じような言葉をかけられたのだろう。




 悪気はないようだが、その言葉が大嫌いなのだ。




 ああ……いつまで過去に惑わされるんだ……俺は……

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