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ロボ丸は変形できるらしく、形をボード型に変え俺らを乗せて家まで運んでくれた。
今は俺の家の中にいる。
俺は、途中立ち寄った屋台で買ったパンとソーセージと少しの果物をテーブルの上に並べる。
「好きなだけ食え。
足りなかったら買い足すから心配するな。」
といいつつ俺はパンにソーセージを挟んで口に入れる。
ロッテもワンコロもいそいそと食べ始めた。
ロッテが選んだオニオンブレッドを頬張るワンコロに不安になった俺は、ロッテに尋ねる。
「ワンコロは、本当は犬なのか?
犬はネギ類を食べてはいけないのだが。」
もしゃもしゃと食べながらロッテは答える。
「ワンコロはいろんなものを食べるけれどお腹が痛くなったことはないから
多分大丈夫です!」
「ワンコロは狼の形をした幻獣ってやつみたいだから、大丈夫!」
とワンコロがバクバク食べながら答える。
そうか。
俺の知識にはなかったが、幻獣は動物とは違うのだな。
ロボ丸は肩を落としながら
「ワタクシハ、食物ヲ接種スル機構ガアリマセン。
トテモ残念デス。」
とつぶやく。
肩を落とすロボなんて見たことがない。
多分かなり絶対ヤバいスペックだろう。
そもそも魔力を溜められるコアをメカの動力にできるなど新時代でも聞いたことがない。
魔法動力と機械動力の変換などは永遠の課題と言われている。
こんなオーバーテクノロジーを創造したロッテに、里の人が気をつけろというのは至極当然と言える。
俺を信用していろいろ開示するなんて、大変危険なので後できつく注意しなければ。
俺は食べ物が足りるか彼女らを見渡しながらお茶を飲む。
腹八分目を意識しないと眠くなってしまう。危険と隣り合わせである冒険者の基本だ。
俺、冒険者ではないけれど。
ロッテの食べるスピードが遅くなり、体が舟を漕ぎ始めた。
目もとろんとしている。
「眠いならソファーで横になるといい。
疲れが溜まっていたんだろう。」
俺はロッテに声をかけると、毛布を準備しようと椅子から立ち上がった。
毛布を持ってきた頃には、テーブルにうつぶせになったロッテがいた。
すやすやと寝息を立てるロッテをソファーに運び毛布をかける。
「おやすみ。」