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6 疲れたら、甘いものを

勇太ゆうた、ウチらもう終わりにしよう……」

 デート中、喫茶店で唐突にあおいが言った。

「え? 終わりにって……別れようっていうのか?」

「ええ、そうよ」

 彼女はそう言って、口をつぐんだ。付き合って三か月が経っていた。

それからしばらくして、彼女は再び口を開いた。

「私だって、本当は別れたくないのよ……。でも……」

「でも?」

「お父様に言われたわ。――あの男とは別れろって」

 あの男とは自分のことだろうと勇太は思った。

「そんな……」

 彼女の父親は、あの有名な自動車会社〈片桐かたぎりモーター〉の社長である。その社長がどうしてそう言うのか、勇太は分かっていた。

 勇太の父・荻野正彦おぎのまさひこは、〈オギノ自動車工業〉の社長であった。勇太と葵の父親は二人ともそれぞれの自動車会社の社長であり、ライバルだった。勇太や葵はそんな二人の子どもであり、ライバル同士の子どもたちが結婚なんて無茶な話であることから、彼女の父親は反対しているのだった。もちろん、勇太の父親も同様に考えているようだ。

 勇太は葵のことが好きだった。そして、葵も勇太のことが好きらしい。

だから、二人はこそこそと会うなどして、何度もデートを楽しんでいた。

「でも、葵のお父さんがそう言っているからって、それは別にキャンケイないじゃないか!」

「関係あるわ!」

「ハイ、カット!!」

 監督の声で、そのドラマのシーンが一度中断される。

「キャンケイないって、なんやねん!」

 監督の岩尾竜平いわおりゅうへいが言った。彼は黒髪の長髪で眼鏡を掛け、ハンチングを被っている。ぽっちゃりした体型である。

監督がそう言うと、共演者やスタッフたちがくすくすと笑う。

「すみません」と、竹野耀太たけのようたは笑いながら謝った。


「一旦休憩しようや」

 岩尾監督がそう言って、皆が休憩することになった。

「耀太くん、大丈夫?」

 それからすぐに、耀太のマネージャーの原田はらださんが耀太の肩を叩いて言った。

「ああ、お疲れ様です。なんか今日、緊張しているみたいで……」

 耀太がそう答えると、「緊張? 珍しいね」と、原田さんは不思議な顔をした。

それから、「もしかして、比留間ひるまさんが相手だからかな?」と、マネージャーがにやりと笑って言った。

それから、耀太は一度、彼女の方を見た。このドラマのヒロインである片桐葵かたぎりあおいを演じているのは、女優の比留間歩美ひるまあゆみさんである。彼女は黒髪のロングヘアで大きな目をしていて、鼻が小さく美人で可愛らしい人だった。彼女は耀太の二つ下で二十四歳らしい。

そんな彼女を前にして芝居をすると、確かに少しは緊張する。たとえ俳優として多くの女性たちを前にしていたとしても、女性慣れしているとはいえ、緊張はする。それもあるかもしれないなと耀太は思った。

しかし、それとは別に問題もあった。セリフを覚えているはずだったが、ど忘れすることもあった。自分でも変だと耀太は思っていた。

「竹野くん、お疲れ。今日は緊張しいね」

 そう言ったのは、片桐モーターの社長で、葵の父親役の諸星瑛太郎もろほしえいたろうさんだった。黒髪短髪に白髪交じりの髪型で鼻が高く、サングラスを掛けている。サングラスを外した顔は整っている。背が高く、その見た目はいわゆる「イケおじ」である。

彼は今年で四十八歳らしい。学園ドラマや医療ドラマなど数々のドラマに出演しているベテラン俳優である。

「諸星さん、お疲れ様です。はい、今日はやけに緊張していまして……。申し訳ないです」

「そうかい。いやいや、別に君が謝る必要はないよ。相手が比留間さんだからかい?」

 彼はそう言って、笑った。

「ええ、それもあります」

 耀太はそう答えて笑う。

「そっか。まあ、リラックスしてればいいから」

「はい」

「そうそう。これ、よかったら食べてよ。僕からの差し入れ」

 彼はそう言って、小さな茶色の何かを耀太に渡した。それは、どら焼きだった。

「どら焼きですか!」

「そう。浅草にあるお店のなんだけどね。これがうまいんだよ!」

「へえ」

 耀太は感心した後、「あ、ありがとうございます」と、彼にお礼を言った。

 その後、彼は自分のマネージャーに言ってもう一つのどら焼きを貰い、それをその場で食べた。

「うん、うまい」

 彼は嬉しそうにそのどら焼きを頬張った。

 それを見た耀太はおいしそうだなと思い、「いただきます」と言ってどら焼きを一口食べた。

「おいしい!」

 食べると、どら焼きのふわっとした生地と中のあんこの甘さがちょうどよかった。

「でしょ? 僕、これ大好きでさ。これを食べると、なんか元気が出てくるんだよ。それで、この後の仕事も頑張れるんだ」と、諸星さんは言った。

 確かに、と耀太は思った。このどら焼きを食べると、どこか元気が出てきたような感じがした。

「だから、僕はよくこのどら焼きをいつも皆に差し入れしているんだ」

 彼はそう言って、にこりと笑った。

「諸星さん、ありがとうございます。おいしかったです。なんか本当に元気が出ました」

 耀太がそう言うと、「それは良かった」と、彼は言った。

「さあ、この後も撮影頑張ろう」

「はい」

「あ、比留間さん!」

 その時、ちょうどこちらへやって来た彼女に、諸星さんが声を掛けた。

「はい?」

「これ、僕からの差し入れです。よかったら召し上がってください」

「わあ、美味しそうなどら焼き! ありがとうございます」

「どういたしまして」

「竹野さん、お疲れ様です」

 それから、彼女が耀太に声を掛けた。

「お疲れ様」

耀太がそう言うと、「今日、どうかされたんですか?」と、彼女が訊いた。「よく噛んでるみたいですけど?」

「ちょっと緊張気味で……」

 耀太はそう言って、アハハと笑う。

「そうでしたか。リラックスして頑張ってくださいね」

「はい」

 それから、三人で少し話した後、彼女は自分のマネージャーの所へ行った。

「あ、あの……」

 少しして耀太が口を開くと、「ん? どうかしたかい?」と、諸星さんが訊いた。

「僕、自分のセリフをよく間違えることがあって、中々セリフが覚えられないというか……」

「ほう」

「諸星さんはすごいなあって思うんですけど、どうやってセリフを覚えたりしてますか? なんか特別なことでもしてるんですか?」

 耀太がそう訊くと、うーんと諸星さんは唸った後、口を開いた。

「特別なことは別に何もしていないよ。ただ声に出して台本を読んだり、何度も練習をして覚えたりしているだけさ」

「……そうですか」

「そう。僕もね、時々、間違えることだってあるよ。ど忘れすることだって。この業界の人は皆、そうじゃないかな」

 諸星さんはそう言って、にやりと笑った。

「そろそろ、再開するで!」

 それから少しして、岩尾監督が言った。

 耀太は一度、首を回し、深呼吸をした。

もう一度先ほどのシーンを撮り直す。


「お父様に言われたわ。――あの男とは別れろって」

「そんな……。でも、葵のお父さんがそう言っているからって、それは別に関係ないじゃないか!」

 今度は言えた。

「関係あるわ!」

「どう関係してるって?」

「あなたのお父さんだって、私たちが付き合うこと反対しているでしょ?」

「ああ……そうだけど……」

「ね、私たちはこれ以上関係を続けられないわ。だからもう今日でおしまい。さようなら……」

 彼女はそう言うと、椅子から立ち上がり、その喫茶店を出て行った。

「…………」

 勇太は目の前のコーヒーカップをじっと見つめた。

「ハイカット!」

その後の撮影を耀太はなんとか頑張って乗り切った。

 撮影中、何回かセリフをど忘れしたり、噛んだりして何度も撮り直しをしては監督に怒られた。だが、休憩前よりはリラックスして臨むことが出来ているなと耀太は思った。諸星さんと話をしてリラックスできたのかなとも思ったが、彼がくれたどら焼きのおかげかもしれないとも考えた。


「よーい、スタート!」

 それから一週間後のこと。勇太たち〈オギノ自動車工業〉の社員は、社長である荻野正彦に会議室に呼び出された。

三日前。オギノ自動車で製造した「レグラン」という自動車が燃料漏れの恐れがある届け出たリコールで、対策修理を実施した後に燃料が漏れてしまうという問題が発生したのだ。修理作業がずさんだったのではないかとして、八千万円の罰金が科せられてしまったのだ。しかし、社長は八千万円の支払いができないことから、倒産を認めたと言う。

 早速、社長が口を開いた。

「ご存知の通り、先日の我が社の会社トラブルにより、この会社は倒産することになりました。今日をもって、うちの会社は終わりです。長い間、社員の皆様にはご支援を頂き、ありがとうございました」

 社長はそう言うと、皆を一度見回してから一礼した。顔を上げた後、社長はすぐにその部屋を出て行った。

「うそ……」

「そんな……」

 社長が出て行った後、そこに残された社員たちは口々にそう呟き、どうしていいのか分からない顔をした。

 勇太もがっかりした。まさか父親の会社が潰れるとも思っていなかったからだ。しかし、世間から見れば、この会社がしてしまったミスは悪質なものである。これ以上もうこの会社の経営を続けられないのだ。

「ハイカット!」


 帰宅して、耀太はシャワーを浴び、夕食に昨日作ったカレーを食べた。二日経ったカレーはコクや旨みが感じられて美味しかった。

 そのカレーを食べながら耀太は、その日の撮影を思い出していた。撮影はさんざんだった。セリフは噛むし、ど忘れもするしでひどかった。泣きたいくらいだった。

 俳優業を始めて五年。耀太はまだ新人の部類であった。その日のようなミスはよくあった。耀太は自分にはこの仕事は向いていないのではないかと悩むことがあった。辞めてしまおうとも思った。

 ふと、今日の撮影で諸星さんから貰ったどら焼きを耀太は思い出した。あのどら焼きはとても美味しかった。また食べたいなと耀太は思った。

 それから今度、耀太は諸星さんと話したことを思い出す。彼に悩みを打ち明けると、彼から素敵なアドヴァイスを貰ったのだ。

――特別なことは別に何もしていないよ。ただ声に出して台本を読んだり、何度も練習をして覚えたりしているだけさ。

 夕飯を食べ終わった後、耀太は仕事用のカバンから今撮影しているドラマの台本を取り出し、次の撮影シーンのページを開いた。それから、耀太は自分の役のセリフ部分を声に出して読み、その後は実際にその役になりきるつもりで一つ一つのセリフを噛みしめるように練習した。


「ほな、本番いくで!」

 翌日、監督のその大きな声で撮影が始まる。

 耀太は昨日の練習を思い出し、そのシーンの本番に臨んだ。


 勇太は無職になった。

 父親の会社からリストラされて、この先どう生きていいのか分からなかった。

 勇太は一人になりたかったので、いつもの喫茶店へ行くことにした。そこへ行き、カウンターでコーヒーを注文する。しばらくして、コーヒーが届いたので、勇太はそれを一口飲んだ。いつもブラックで飲むそのコーヒーの味が今回はとても苦く感じた。苦いので、そこへ付属のミルクとシュガーを足してみた。そして、一口啜った。それは甘かった。今はこのくらいがちょうどいいなと勇太は思った。

 その後少しして、その喫茶店の扉が開いた。そこへ二人の女性が入ってきた。

「いらっっしゃいませ」と、店主の男性が言った。

 勇太は一度、彼女たちの方を見る。そのうちの一人に勇太は見覚えがあった。

葵だった。

「あれ? 勇太?」と、彼女が彼を見るなり言った。

「葵?」

「久しぶり……元気?」

「いや、全然……」

 葵達二人もカウンターの勇太の隣に座る。葵はカフェラテを頼み、もう一人の女性はコーヒーを注文した。

「あ、そうだ……ニュース観たよ。お父さんの会社が倒産したんだってね」

「ああ……」

「勇太のお父さん、大変ね……」

「俺も、リストラされたよ」

「……そっか。それは災難だね」

「うん」

「それで落ち込んでいる訳ね……」

「…………」

 それから、二人のコーヒーとカフェラテが届く。二人はそれぞれの飲み物を一口啜る。

「勇太はさ。これからどうしたいとか何か考えてる?」

 それから、彼女がそう訊いた。

「いや、今のところ特には……」

「そう」

「…………」

「私、会社辞めようかな……」

 ふと、彼女が呟くように言った。

「え? 会社辞める? どうして?」

 勇太が慌ててそう訊くと、彼女が口を開いた。

「私だってこのままずっとお父様の会社で働く気はないわ」

 彼女がそう言った。

「……そうなんだ」

 意外だと勇太は思った。

「ねえ、勇太」

 それから、彼女が再び口を開く。「これってもしかしたらチャンスかもしれないわ!」

「チャンス?」

「そう。私たちが――やり直す――チャンスよ!」

「やり直すって、俺達の関係を?」

「うん」と、彼女が頷いた。

「私もお父様の会社を今すぐに辞めるわ。お父様は驚くかもしれないけどね。私も会社を辞めてフリーになるの。そうしたら、勇太も私も自由になるんだから、私たちもう一度、よりを戻せるわ」

「そうだけど……。でも、そんなうまくいくとは思えないけど」

ちよ。駆け落ちと思えばいいの。あのね、勇太。私ね、昔から叶えたいと思っていた夢があるのよ」

「夢?」

「そう。私ね、東京でお弁当やがやりたいの! でも多分、私ひとりじゃ無理なの。だから、私は勇太の力を借りたい。私、勇太とその夢を叶えたいの!」

 彼女の言葉に勇太は圧倒されていた。それから、勇太は彼女の夢をかなえてあげたいとも思った。

「……分かった」

 気が付くと、勇太はそう言っていた。


「ハイ! カット!! ええんちゃうかな?」

 岩尾監督のその声で、そのシーンの撮影が無事に終わる。

「竹野、今日、お前、ええ感じやな!」

 それから、岩尾監督が歯を見せて笑った。

 昨日の撮影に比べて、調子がいいなと耀太は思った。

「ありがとうございます!」

 耀太は嬉しくなり、監督にお礼を言った。

「その調子でこの後も頑張れよ!」

「はい!」


 それから一か月が経ち、そのドラマの撮影は無事に終わった。そして、いよいよそのドラマがテレビで放送された。

 耀太は自宅でそのドラマを観ていた。


「いらっしゃいませ」

 オレンジのエプロン姿の葵が笑顔で接客をする。

「唐揚げ弁当、二つ」と、男性客が言った。

「唐揚げ弁当、お二つですね。ありがとうございます。お会計、千円になります」

 彼女はテキパキと注文を受け、レジ打ちをしていた。

 勇太はちょうど厨房でたくさんの唐揚げを揚げていた。厨房は、炊き立てのご飯の匂いや揚げ物が揚がるいい匂いがしていた。

 勇太たちは、東京の上野うえので葵の夢であったお弁当屋をやっていた。

小さな弁当屋である。まだお店を始めたばかりなのだが、毎日たくさんのお客さんがやって来ていた。目まぐるしい日々だった。

ふと、勇太は以前、父親の会社で働いていたことを思い出す。その時とは全く違う忙しさを感じていた。

それでも、彼女と二人で仕事をすること、つまり、一緒に居ることに勇太は幸せを感じていた。

葵は会社を辞める時、自分の父親と喧嘩になったと言う。

「お父様を説得するのに時間が掛かったわ。最後になってこの家から出て行け! 二度と俺に顔を見せるな! って、お父様が鬼の形相で言っていたわ。そう言われて私も腹が立ってね、こんな家なんか二度と帰って来ないわって言っちゃったわ。……ふふふ、可笑しな話ね」と、彼女は言って笑った。勇太もニヤリと笑った。

「はい、唐揚げ弁当二つ」

 勇太はそう言って、出来上がった弁当を彼女に渡した。

「ありがとう」と彼女が笑顔で受け取った後それを袋に入れ、「お待たせいたしました。唐揚げ弁当お二つです」と、その男性客に手渡した。

「どうも」と、その男性がにこりと笑う。

「ありがとうございます」

 彼女はそう言って、丁寧にお辞儀をした。


相変わらず比留間さんはきれいだし、諸星さんは威厳があってカッコいいなと思った。

 その中に、自分が映るのを観て、嬉しいような恥ずかしいような感じがした。それと、耀太は自分のセリフを聞いていて、言い回しや口調からまだまだ練習が必要だなと思った。それは、今後の課題にすることにした。

因みに、勇太の父であり、社長訳の荻野正彦を演じたのは、諸星さんと同じベテラン俳優の畑中修三はたなかしゅうぞうさんである。彼も様々なドラマに出演していて、特に刑事ドラマでは引っ張りだこである。そんな彼は今年四十五歳で岩尾監督と同い年らしい。畑中さんの演技も見事なものだなと耀太は思った。

 さらに一か月後、耀太にまた新たに別のドラマ撮影のオファーが来ていた。どうやらその作品も恋愛ドラマらしい。耀太はそのドラマにも挑戦してみたかったので、マネージャーに言って引き受けることにした。

 耀太は今ではすっかり前よりも落ち着いて芝居ができるようになっていた。これも、以前のドラマで共演させていただいた諸星さんにアドヴァイスをしてもらったからだろう。


「ハイ、カット! 一度、休憩しましょうか」

 そのドラマの監督の指示で、休憩タイムに入る。

「耀太くん、お疲れ」

 撮影後すぐにマネージャーの原田さんが耀太に声を掛けた。

「原田さん、お疲れ様です。はー、疲れた」

「さっきの演技良かったよ!」

「原田さんがそう言うの珍しいですね」

「そう?」

「そうですよ。てか、さっきの演技良かったって本当ですか?」

「本当だよ! あ、皆さん、これ、竹野からです。宜しかったら、召し上がってください」

 それから原田さんはそう言って、撮影者やスタッフたちにどら焼きの差し入れを出した。そのどら焼きは、前に諸星さんが差し入れしてくれたあの「どら焼き」であった。

 耀太がそのどら焼きにすっかりハマって以来、彼はマネージャーに買ってきてほしいと言っていたのを思い出した。

「わあ、おいしそう!」

「いただきます!」

「ありがとうございます!」

 皆、口々にそう言って、そのどら焼きを貰う。

 早速、それを一口頬張ると、「おいしい」、「うまい」と皆が目を見開いたり、嬉しそうな顔をしたりしていた。

 それから、耀太もどら焼きを一つ取り、それを一口食べた。

 うまい。

 思わず耀太も笑顔になる。

 これを食べると、元気が出るし、気持ちがリセットされるような気が耀太にはした。このどら焼きのおかげで今の自分が落ち着いて芝居ができるのかもしれないなと耀太は思った。

 そして、耀太はそのどら焼きを食べ終える。この後の撮影もなんだかうまくいくような気が耀太はした。

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