あなたと私の縫い目、ほつれた
なんか 傷ついてる
でも どこが痛いのかわからない
膝がチクっとした 撫でてみるとすべすべしてる
どこにも 怪我はない でも血は流れていた
左の目から ドクドクと
私は『熊注意』の黄色いマグカップを手に持って
透明の液体を飲む
あなたの小指を舐める時の味がした
あなたはいない
私のすぐそばで ただの抜け殻になっている
どこからどこまでがあたし
手首のファスナーを外してみた
死んだ大きな蜘蛛みたいに ゴロンと向こう側に転がった
私はこっち側にあった
どこからどこまでが あなた
繋いでいた手を離してみた
マジックテープが剥がれるようにそれは剥がれ
思った通り あなたはやっぱり こっち側にあった