とびきりの待雪草を君に。
「またスキー行けるといいね。」
「そうだね。」
私とハルは幼馴染で親友だ。
高校まで同じ学校で誰から見ても「親友」だった。
「え、なにこれ」
体育の終わり、一緒に教室に戻るとハルの机の上に花が置いてあった。
「誰かが置いたんじゃない?」
私はハルの顔を見るとさっきまでとは違い、彼女は具合が悪そうだった。
「またか…」
ハルの口からボソッと出た言葉が妙に引っかかった。
話を聞くとどうやら最近ことある事にするにこの花が置いてあるらしい。
「なにか意味があるのかもよ。花言葉とか」
もしかしたらと思いスマホで調べる。
「へえ…これはスノードロップっていう花なんだって」
「ふーん。なんか可愛い名前だね。で、その花言葉ってなんなの?」
ハルは不安そうに聞いてきた。
「希望、慰め、切ない愛…だって。」
「え…なんか気持ち悪い。」
「私今日用事があるから帰るね」
「うん。バイバイ」
私は帰って自室のプランターに水をあげて枕に顔を伏せた。
そう。きっと気持ち悪いのだ。この感情も。
私とハルは誰から見ても「親友」だろう。
しかし、私だけはきっと別の関係を求めていた。今以上の関係を。
自分で俯瞰しても気持ち悪い。
この感情に名前はないと思う。愛情とは決して言えない歪だ。
ただハルを独占したい欲望が日に日に強くなっていた。それだけだ。
「ハルが死ねばひとつになれるかな…ずっと私だけのものに。」
スノードロップ、待雪草。さっきはあえて言わなかった花言葉。
今はまだ私の感情は伝わらない。
だけど、いつか伝わればいい。
雪が解けてだんだん暖かくなってきた頃、ようやくハルは死んだ。
毎日小説2日目。文章にすると難しい。