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第一話


「おまえら!授業中はちゃんと起きてないとだめだぞ!」

先生の声が教室に響く




(はぁ今日も同じこと言われてるよ)

俺はそんなことを思いつつ日々の授業をやり過ごす



「それでよぉ、魔王を倒す勇者が颯爽と、、、」

「それでそれで!」

「必殺マジカルビーム!!!」

「はっはっはっ!」

「みたいなこと起きないかなぁ!」



クラスメイトは授業中は寝てる人が多いが休み時間は実に賑やかだ

ある意味正直な奴らが多い、そんなクラスだ


「夏飛くん、次の授業は移動教室だからいつまでも寝てちゃダメだよ」


「あ、あぁ、ありがとう」


今話しかけてきたのはこのクラスの委員長

一応幼馴染なんだけど、小さい時はもっと元気いっぱい!みたいな感じだったのにいつのまにかあんなお淑やかになっちゃたんだろうか、

うん、時の流れだね


「かえで〜早くいこ!」

委員長を呼ぶ彼女は広瀬なつき

委員長の親友だ


「あっ!ちょっと!なつき!待って今行くから!」

「へへぇ!早くしないとおいてくよ、、、えっ?!ちょっと!かえで床が光って!」

「うそ?!ほんとだどういうことかしら、、、」


クラスメイトがざわざわし始めた


当然俺も少し動揺している




顔には出さないけどね


「おぉーー!!!これが俗にいう異世界召喚ってやつかぁーー!!!」

「てっちゃんなんかそれっぽいけど、もしそうならやばくない?、、、」



「何言ってんだよ!異世界召喚は男のロマンだろうが!」

「で、でも、もし帰ってこれないとしたら?」


「決まってんだろ!向こうで帰る方法を探すんだ!」

「そんなむちゃなぁ、、、、、、、」



なるほど異世界召喚か、そんなアニメや漫画みたいなことが起こるとは考えにくいけど、学校の床が光るなんてもっと考えにくいよな



「かえで早くここから出よう!」

「うん、そうし、、、!」



教室の中は光に包まれた






「やった!やったぞ!!召喚は成功だ!」


「「「おおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!」」」

「しかもこんなにも多くの人間を!」


「ベルク王!今回の召喚は成功ですな!!」


「うむ、そのようじゃな、、皆のもの!静まれい!」


騒がしかった空間はベルク王と呼ばれる男の一声で静まり返った


(な、なんだ、ここは?どう考えても学校の教室では無さそうだけど、宮殿?か、ここは?)


「ごほん!、そなたたちを突然このような場所に呼び出して誠に申し訳なく思う、我の名はハイルデン・ベルク、この国の王じゃ、何を言っているかわからぬかも知れぬが暫し話を聞いてくれ」


「ちょっと待ってくれ!」


そう声を上げたのは、クラスのお調子者、菴田哲郎


「これは、その、あれか?異世界召喚って、やつなのか?!」

哲郎が非常に輝いた目で王に尋ねる


「うむ、そなたの言う通り、これはこちらの世界の民以外の者を召喚する、そちらの世界では異世界召喚というのか、じゃがこちらのせいでは勇者召喚といって、、」


王が話し合える前に


「ひゃぁほぉーーーう!!!異世界召喚きたーー!!」

哲郎が喜びの声を上げる


しかし全員がそう言うわけではないようだ


「ちょっ!ちょっと!これって元の世界に帰れるんですよね?!ちょっと男子うるさいわよ!!」


そう質問した彼女はクラスカースト上位の三鷹葵

誰にでも優しいが何故か俺にだけ優しくないような気がするんだよね

なんで?


「うぅ、すまぬ、今の時点ではそなたら全員を返すことはできぬ、」


「そっ、そんなぁ、、、、」


「そんな気を落とすなよ三鷹!召喚だけできて帰還の魔法がねぇわけねぇだろ!」


「そなたの言うように帰還の魔法も存在する、しかし今の我々にはそれができないのじゃ」


「はぁー!どうしてできないんだ?」


クラスメイト全員が息を呑む

楽しそうだった男たちも静かになった




「この世界には魔王と呼ばれる存在がいてじゃな、その魔王がこちらから異世界に人々を逃すことができないように結界魔法を時空間に張ったのじゃ、そして魔王はこの世界を支配しようと動き出した、それももう一年前の話じゃ、まだこのことを知らない民もおる、公になれば大混乱は免れん、そう思い我らは異世界から勇者を召喚しようと考えたのじゃ」



王の説明が終わった



「なんで異世界召喚はできるんだよ!」


哲郎が至極真っ当な質問をする


「魔王はこの世界で最も恐ろしい存在じゃ、強さもそれに見合ったものになっておる、そんな奴が異世界からの脅威を恐れると思うかの、むしろ強いやつとは戦い、完膚なきまでに叩きのめす、そう考えるのが魔王じゃ、じゃからこちらの世界からの召喚はできるのじゃ」


「なるほどな、、、、魔王を倒せば結界はなくなり元の世界に帰れるってわけか」

「てっちゃん!まさか魔王を倒そうだなんて思ってないよね?!」

「はぁ?何言ってんだよ!魔王を倒さないと俺らは帰ることができないんだぞ!それに、、、魔王のせいでこの世界の人間が不幸になるのを俺は見過ごせない、、、、、」


哲郎がカッコいい一言を放つ


「てっちゃん、、、、わかったよ!ぼくも協力するよ!」

「おれも、手伝うぜ!」

「しょうがないわね、私も手伝うわよ」


クラス全員がまとまり始める


「か、かえで、私たちも協力しよっか?」

「そうね、結局私たちがどうにかしないといけないんだもんね」



クラスメイトが団結して魔王を倒す

ここに落ち着いた



「おぉ、そなたたち誠に感謝する、我らにできることはなんでもしようぞ!」


「それでは皆さまこちらの水晶に手をかざしてくださいませ、申し遅れました私、元王宮魔術師、今は魔法教諭をしておりますダルグ・ベルジャミンと申します」


ベルジャミンさんの言う通りに水晶に手をかざし始める一同


「そちらの水晶の光り方によって自分の得意な属性魔法がわかります、赤なら炎、青なら水、緑なら風、茶色なら土、黄色なら雷の基本五属性魔法、ごく稀に白色に光ることがありますがそれは光属性、黒に染まれば闇属性、そういうわけで属性によって使える魔法が異なります、自分の魔法にあった戦い方ををおすすめします」


ベルジャミンさんの丁寧な説明を聞き自分の水晶に目を向ける


(えっと、まったく光ってないんですけど)

俺の水晶が光らない


「うっし!俺は炎魔法だな!新平!お前はどうだった?!」

「僕は水魔法かな!」

「おっ!いいじゃねぇか!三鷹はどうだった?」

「私は光魔法みたいね、まぁまぁじゃない」

「おおっ!すげぇな!いいじゃねぇか!みんな決まったみたいだな!」


(みんな決まったみたいだな!じゃねーよ!すみませーん!まだ決まってない人がいまーす!)


「あの、ベルジャミンさんこれは、、?」


俺の質問にベルジャミンさんは


「あ、あぁこれは魔法適正なしですかね、この世界でも魔法を使えない人はいるのですよ、安心してください、魔法を使えない人でも料理店を経営する人や武器や防具を造る人そのほかにも色々選択肢はございます」


こう答えた


(マジですか、そうなっちゃいます?)


「安心しろ夏飛!魔王は俺たちがなんとかする!王様!夏飛が困らないようにしてやってくれ!」


哲郎が俺のことを心配して王様に俺のことを頼んでくれているようだ


「もちろんじゃ、そもそもこちらが一方的にしたこと手を施すのは当たり前じゃ」


「へっ!ありがとよ!」


(なんか楽し気に話してらっしゃいますけど)

「あの、すみません、この世界って冒険者みたいなのってありますか?」

と、ベルジャミンさんに尋ねる


「えぇ、もちろんありますが」


どうやらこの世界にも冒険者はあるようだ


「それって魔法が使えないとなれないとかありますか?」

「いえ、冒険者は誰でもなれますよ、しかし魔法が使えると使えないとでは多少以上の有利不利がありますが、、、」


(そうか、なら決めた)

「王様、俺のことはいいですよ、この世界を冒険者になって好き勝手に見てまわります、あ、でも、少しだけこの世界のお金、生活費を貰えますか?」


「あ、あぁ、もちろん構わんのじゃが、本当にいいのか、ここにいれば困ることはないのじゃぞ?」


「心配いりません、俺は俺のみたい景色を見てきます」

「そ、そうか、ならいいのじゃ」


「この者が困らないだけの金を持たせてやるのじゃ!」

ベルク王が執事と思われる人に指示を出す


「へっ!かっけぇな!夏飛もう行くのか?」


「う〜ん、まぁ行動を起こすなら早い方がいいと思うからもう行こうかな」


「夏飛くん大丈夫なの?私も一緒に行こうか?」

「委員長、大丈夫ですよ、みんなと魔王討伐頑張ってください」


委員長が心配そうだけど魔王討伐の方が大切だからな


「かえで〜大丈夫〜?」

「な〜つ〜き〜?どういう意味かな〜?」

女性陣が何やら騒がしい



暫くして

「夏飛様、こちらがこの世界の通貨となります、一年は生活に困らないと思います」

「ありがとうございます」

俺は執事さんに感謝の言葉を伝える



「それじゃ俺は失礼します、みんな魔王討伐頑張って、またどこかで会えるといいな」

「元気でな!」

「冒険者、がんばってね!」

「っっっっ、またね夏飛くん」

「もーかえでったら、またね夏飛君」


みんなが声をかけてくれる


俺は別れを告げ城を出る

またどこかで会えるだろう

だって世界は思っている以上に広くて、思っている以上に狭いのだから

そんなわけで俺の冒険者ライフがスタートする
















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