表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女は邪神の力を借りたい  作者: 藤咲晃
1/7

01.生贄に捧げられる聖女

こん作品は短編にするには長すぎ、長編にするには短い。

なので2万文字未満で完結する作品となってますが、それでも宜しければお読み頂ければ幸いです。

 恐ろしげな邪気が立ち込める祠の最下層。

 中は暗く燭台の儚い燈がわずかに周囲を照らすのみ。

 そんな闇の中でうごめく複数の人影。


「聖女アイリス様……よろしいですね」


 純白のドレスを身に付け、長い銀髪を伸ばした少女は聖女と呼ばれ儚い笑みを浮かべた。

 まだあどけない印象が残る顔立ちの聖女に、護衛の任を任された神官達が涙ぐむ。


「ああ、アイリス様。貴女様を邪神の贄に献げる日が来ようとは」


 悔いるように涙声を鳴らす神官の一人に、アイリスは両手を握り締める。


「悲しむ必要はありません。私は人々の光の象徴ですから……邪神の怒りを私一人の身で鎮められるなら安いものでしょう」


 闇の中、凛とした姿勢を崩さないアイリスの姿に神官達は感嘆の声を漏らす。

 同時に何故彼女が犠牲にならなければならないのか。

 そんな怒りが沸々と湧き上がる。

 ただ彼らが知らない事情が確かに存在する。

 神官の様子にアイリスは顔を伏せ、最奥に歩み出す。


「見送りは此処まで結構です。貴方達は道中の怪物に気を付けながら聖都にお帰りなさい」


「しかし、我々には貴女様を最後まで御守りする役目が」


「これ以上踏み込めば、かつて世界の半分を滅ぼした邪神の怒りを買うでしょう」


 アイリスの警告に神官は足をすくませ、渋々と出口に歩き出す。

 そんな彼らを見送り、アイリスは燭台で照らしながら最奥にゆっくりと歩む。

 これから生贄にされるとは思えない笑みを浮かべて。

完結まで毎日更新していきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ