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P61 クルト君が戻っていってしまったところから

クルト君が戻って行ってから すぐ雨が降ってきた 今度はそう強くはない

...いかんなぁ 子供に無用な心配をかけてしまった 発言に注意しなくては


「...ふぅ ダメだなぁ」


「ツムギ殿!」


っわっっ バラ垣の背面から声がかかって 海老反りみたいに 体がビクッとなる

振り向いたら バルディン様が顔を覗かせた


「...びっくりしました」

気配は出してから来てください


バルディン様は屋根のある東屋に入ってきて

「馬場にリッツが居たので ツムギ殿が来てるのかと ああそれよりなぜ髪を全て切られたのです!!」


言われるとは思ったけど

「えーと 切りたかったからとしか言いようがないですね

大丈夫ですよ 本当に自主的にそうしただけですから」

明るく笑って答える


バルディン様 凄まじく困惑した顔

「貴女は本当にそれで良かったのですか?」


もちろんだとも

「ええ!すっきりして気分がいいです

だから間違っても誰かのせいじゃありませんから


あ もしよかったら瘴特団の皆さんにもそう伝えておいてください

私はそういう文化で育ったからって」


バルディン様は

「そうですか…承知しました」

そこで苦しい顔されてもな うん 気にすんな


そしてバルディン様は何故か私の横に座ってため息を吐きながら

「先程 クルト殿下とお話されてましたね 何がダメなんです?」


おい 聞いてたのか

私は顔をむーとしながら

「...どこから聞いてらっしゃったのですか?」


「...東領地の話くらいからでしょうか」


結構長くデバガメしてますね


「まあ いい大人が 子供に心配をかけさせたてしまったなぁと 反省してました」


「殿下は貴女を好いておられるから 特にですね」


好かれるのは嬉しい

「ふふ いずれうちの弟みたいに反抗期が来て そのうちいい女の子ができたら ババア呼ばわりになりますよ きっと」

ババアは嫌だけど しょうがない


バルディン様は

「...あれは 案外 真剣だと思いますよ」


またまた~ と薄ら笑いしちゃう


「可笑しくは無いと思いますよ

今 殿下が9歳 ツムギ殿は19歳


10年で殿下が19歳で成人したら

貴女は29歳 そのくらいの差でしたら

射程圏内です


現皇后陛下は陛下より 6歳上ですしね」


へえ この国も姉さん女房ありなのね


バルディン様はちょっと怖い顔になって 私の正面に顔を寄せた

おい ちょい近くないか?


「...私は今 29歳で ツムギ殿は19歳

10歳の差でも もちろん射程圏内ですよ」


え?ええと?

今なんかさらっと すごい事言った?

バルディン様 29歳なんだ ってそういう事じゃなくて


……ああそうだ

魅了の術がかかってるのかもしれないな 全くほんとに申し訳ない

そんな気持ちが顔に出ちゃったと思う


バルディン様は怪訝な顔をして

「ツムギ殿?」


「…射程範囲広いですね そうだ リッツを馬房に戻さなくちゃいけないです では」


ステンレスボトルを取り

バルディン様の反対側からベンチを出る


雨はそんなに強くない

まだ遊びたがるリッツを引っ張って 体を拭いてやった


「アンタは魔法と関係ないよねー?」とリッツに聞くと愛馬は

『グケケッ』と嬉しそうに返してくれた




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