P59 早朝のボビト族に再会するところから
初めてお読みになる方へ
この投稿は分岐したもう一つの作品です。
申し訳ないのですが今までの内容を把握するには以下のページで1-57話までお読みになってください。
https://ncode.syosetu.com/n0067gx/
召喚聖女はたくましい ~聖女なんてごめんです~ ナナコロビヤオキ作(作者本人)
結局 飲み時間が長くて 寝れなかった
でもボビトが迎えに来る前に準備ができていて すぐに出かける事ができた
『チュムギー』
『チュムギ おはようー』
『お供え物持ってきてるよー 早く行こう』
「おはよう ボビト達 私もお菓子を持ってきてるの コーディア様は人間の食べ物は食べるかしら?」
『うん チュムギの作ったのは食べるよ!』
『行こう』
『行こー』
昨日早めに撃沈したバルディン様と私の2人で森に入る
今日 同伴できる人は 1人だけとのこと しょうがない
「バルディン様 体調は大丈夫ですか?
無理だったら 誰かと交代します?」
バルディン様は苦い薬でも飲んだような顔つきで
「いえ 大丈夫です 一応先程 走って酒は抜いてきました
ただ ムギ殿に酒で負けるとは思わなかったので」
私は元気らんらんです
コーディア様の祭壇場所には
既にコーディア様が寝そべっていた
思わず駆け寄って
「だ 大丈夫ですか コーディア様?」
『チュムギか うむ 神力を使ったせいか立ち上がる力がまだたまらなくてな だがそろそろ大丈夫だろう』
「そのままで結構ですよ」
コーディア様は寝ていた頭を上げて
『うむ チュムギよ そして人間よ 今回のことは大儀であった まずは礼を言う』
バルディン様が恭しく返礼をとる
『お主らが来たおかげで 結界が張れてるうちに浄化できた いつまで持つか分からず 気を揉んでおった』
あ やっぱり 腕輪で怒ってたんだ
『瘴気は急に現れる だが 我にはどうもアレは自然の亀裂ではなく思う』
「...と言いますと?」
『あれは...人間の作った物ではないか?』
確かに...空間魔法士なら可能だ
『我らからの願いだ アレが人によってのものであれば お主らはじめ 人が対処して欲しい』
バルディン様は
「我々にできる事ならば 精一杯させていただきます なのでこの先もムギ殿に 聖女が助けを必要とした際 ご助力をお願い致します」
コーディア様は
『良い 力になろう』
「ありがとうございます」
『もうひとつ 頼み事だ』
私はなんとなく分かるがします
「なんでしょう?」
『我の毛繕いをしてから帰るがよい』
やっぱりネー
「ふふ そう思って 持ってきてますよ 大きいブラシ」
リッツのブラッシングで技術向上してます お任せあれ
「バルディン様 もう少しお待ちくださいませね」
という事でしばらく わしわしと毛を鋤いて綺麗にしていく
コーディア様は気持ちいいのか目を細めてる 喉がコロコロなっていた 猫か
大量の抜け毛が取れた後
「魔力と神力では違うかもしれませんが
少しでも力になれれば良いので 私の魔力を流しますね?」
ヒールなどは疲労には効果が少ない
なので魔法ではなく魔力を流して元気になってもらいたい
大きな身体に抱きつくよう自身の体を寄せて魔力を流す まるでモフってるみたいだけど
コーディア様は
『クハハ 興味深い魔力だの
…さっきから気になったが お主はまだ魔力の出力調整ができてないようだな
意識せずともあたりに漏れておったぞ?』
げげ!血の気が若干引く
コーディア様だけに聞こえるように問いかけた
「あの…頑張ってはいるのですが どうにもならない時もあって
コーディア様 何か良い方法ありませんでしょうか?」
『我の毛でできた腕輪があるだろう?それを右手なりと 魔力の出そうな所につけるが良い』
「なるほど!ありがとうございます そうさせてもらいます」
ああよかった アクセサリーが増えるくらいなんて事ない
『…言っておくが お主が今まで無意識に使用していたのは 時戻しの術だ』
そうですね その上言葉にうなずく
バルディン様 聞こえてないよね よしよし
『今 お主は時戻し以外に 魅了の術を使っとるぞ 我とその民には効かぬがな』
ビキッ!!!
身体が硬直した
まじか そんな術 知らんがな
『我の腕輪をしておけば良いが お主の魔力が増えてるからな 完全遮断ではないかもしれん』
これは…腕輪の予備をたくさん作らねば
コーディア様は立ち上がって
『もう十分だ いつかお主が困ったら 腕輪に問いかけるがいい
今度は我が出向こう ありがとう』
お供えのカップケーキ置いて
そして祭壇場所からボビト村へ戻る
ボビト達がねだるので 歌を歌いながら
ハイホーハイホー
らんらーららんらんらー
ららんらら ららんら ハイホー
ハイホーハイホー
まるでボビト達のための歌だと思う
歌詞わかんないから 途中から誤魔化してるけど まあ ご愛嬌
村に着いてカップケーキを渡した
ボビト達に腕輪の材料の草を分けてもらった 帰ってからすぐ作らなきゃな
そしてまた会う約束をした
バルディン様は絶妙なタイミングで
「そろそろ 戻りましょうか」と声をかける
あ あまり遊んでたら 迷惑だよね
「すみません はい 行きましょう」
『チュムギバイバイ』
『まったねー』
森の入口への戻り道の途中
バルディン様が
「ボビト族は初めて見たのですが あんなに人に懐くとは思いませんでした」
「そうですか 基本人嫌いみたいなので私はありがたかったです」
「ツ ムギ殿が特別だからですよ」
あ いま 名前
「ふふっ 大分練習されたんですか?」
バルディン様はちょっと眉毛の寄せて
「まだ 噛むかもしれませんが
ちゃんと 言えたかな」
「はい 完璧です 嬉しいです」
「そう言ってもらえると冥利に尽きます」
名前を呼んでもらえて嬉しい
だが 私にはコーディア様の言葉が重くのしかかる
…魅了の術
王都への帰路で私はある事を決めた
実験的な試みですが この先本編があまりにも甘すぎるため 甘さ半分以下で作りたくなりました。
少し本編と同じ会話などが出てくることもありますが枝分けれするように違う話になっていくかと思います。
話の終わりもどうするかは未定ですが よろしくお付き合いください!
こちらは不定期更新になります
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