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コントンディート
インランドタイパン
奴と出会った日、初めて感じた今までにない感覚。
心の奥深くに眠っている何かが、強く現れるようになった日。
音が聞こえる。例えるならドアをノックする音。体が疼いてくる。
そして魔人と対峙することで何かの扉が開いた。
俺は導かれるように右手を徐に上げる。
意識ははっきりしている。
「何やってるんだ?こんな時に」ペンタゴンの声が聞こえる。
だが静かにしてくれ。俺は集中しているんだ。
ペンタゴンは石をニュクスへ投擲し始めた。
当然スキルも持っていない状態なので擦り傷すら与えられない。
ニュクスはペンタゴンの攻撃で雑魚だと悟ったらしい。
ニュクスは余裕ある素振りを見せながら、ゆっくりと闇魔法を発動する。
「デスストーム」ふふふ
ニュクスがそう言い終わった瞬間、まるで闇が竜巻になったかのように回転し始め。洞窟の壁面や天井を傷付けながら此方へ向かってきた。
と同時に俺の術式も完了した。
「コントンディート」俺は静かにそう呟いた。




