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暗澹の国のアリシア  作者: Luna(ルナ)
2章  行く先々で
17/21

17話  法律と考え

特に何かハプニングが起こるようなこともなく、アリシアはこの国に来て2日目を迎えていた。

今、アリシアが読んでいるものはネットの記事だった。

内容は、法律の国の法律と、その危険性についてだった。



『法律の国の法律第132章、人々は誰彼構わず優しく、礼儀正しく振舞わなければいけない。』と書いてあるそうだ。実際読んだ人がいるらしい。

そこまではいいのだが、記事の製作者はこう言っている。



『この章についてどう思うか、現地の住民何人かに聞いてみたところ、法律だから仕方ない、従うしかな、という答えが返ってきました。これはつまり、法律じゃなかったら礼儀正しくなんかしていないと言うことなのでしょうか?そうだったとしたら、彼らは危険なのかもしれません。法律で定められてるからしないと言う人は信用できないと、私個人は思います。』



この記事については賛否両論だ。  

そんなことはないと言う人からその通りだと言う人までいる。



(私はこの考え方、ある意味的を得ていると思うんだけどな。)



例えば宗教家がいたとする。彼らは『神が人殺しは良くないと言っているのでしません。』と言っている。

彼らの神様がもし『人は殺してもいい。』と言ったら、信者たちは人を殺してしまうのではないか?

それと同じように、法律の国の人々は、もしも法律で『人をぞんざいに扱ってもいい』と書いてあれば、喜んでいい加減な扱いをするのではないか、アリシアはそう考えていた。



(んー、やっぱりいろんな国があるけど……できればもっと芸術とかが発展している国に行きたいな。)



ただ法律に従って行きているだけでは、きっとこの世界で……自分が生きてる世界で何も成し遂げられないような気がする。

偉大なことをやり遂げた人々はみな、何かに対し真剣に向き合ってきたはずだ。熱中できる何か、どんなにくだらないことだとしても真剣になれるほど自分を惹きつけるもの、それを見つけ出さなければ、自分の人生を本当に一片の悔いなく全うすることもできないとも思うのだ。



とにかくこんな国にはあまり長い時間居たくない。早く2週間経ってしまわないか。昨日と同じことを何度も思い返しては、つまらないことは多いかもしれないけどここでしか知ることのできないものがあるかもしれない、とポジティブに考えるようにした。



今日は一日中、部屋にこもり本を読みふけることにしようと決心したアリシアは、早速自然の国で買った『泡沫』を鞄から取り出し、本の世界に集中した。

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