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暗澹の国のアリシア  作者: Luna(ルナ)
2章  行く先々で
16/21

16話  つまらない

今回の滞在期間は2週間らしい。

なんでもお得意様がたくさんいるからその分儲かるだとか、商人組合の本拠地がある国で、そろそろ顔を出さないといけないだとか、要するに色々と用事があるから長引くということだ。



今回の国はあまり楽しくなさそうだな、とアリシアは思った。

なにせ、自然の国のような豊かな緑は見られないからだ。

規則正しくきっちりとした感じで、家々は等間隔に並べられ、色も統一されている。



(ガチャガチャしてるよりはマシだけど……寂しい感じがするな。)



個人的に来ることはなかなかなさそうだが、ここでも何か新しい体験が得れたらいいかと思い直すことにした。



ーーー



ホテルに着いた。

従業員全員が黒と白で統一された服を着ていて、機械的な返事ばかりをする。カウンターには分厚い本が置かれていて、『接待マニュアル』と書かれている。



部屋に入ると、これまた一定の規則性がありそうな家具たちが並べられていた。

のほほんとした雰囲気の自然の国の宿とは別系統で、なんだか落ち着けなかった。




ーーー



「私はこれから商人組合に行ってくるよ。3日後に帰ってくるからそれまでは自由にしていて構わないよ。」

「図書館はあるの?もしくは博物館とか……。」

「あー……あるにはあるけど、蔵書数が少ないんだ。博物館も同じ、展示品があまりなくてね。」

「それでも構わない。ありがとう。」



アリシアはお礼を言って、商人を見送った。

その後、アリシアはカウンターにいる従業員に博物館の場所を聞いて出かけた。



ーーー



商人の言った通り、博物館の展示品は少なかった。

すぐに見終わってしまったため、近くにあった美術館にも行ってきた。

美術館も展示されている絵は少なかったが、何百万、何千万とする芸術作品を見ることができたので、さほど気にならなかった。



ーーー



帰りに図書館により、数冊本を借りていった。

宿の自分の部屋に戻り、この国について調べてみた。



『法律の国とは、法律がとても多い国で国民全員が法律の通りに動いている国。家具の色や、接待についてなども細かく法律で定められているらしく、それを守らなければ即刑務所行き。』



なんとも変な国、というか怖い国だと思いながら、とてもつまらない国にも見えた。

最低限の法律はいると思うが、細かい動作なども制限されてしまうと嫌になってしまいそうだ。



(うーん……もっと楽しそうな国に行きたいな……。)



国について1日目だが、もうすでにうんざりしてきたアリシア。14日間もいたら退屈で死んでしまいそうだと、大げさなことを思い始めたのだった。

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