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百花の散るころに  作者: cisya
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夜桜


「・・・春だ」




ひらりと舞い降りてきた花びらを手に包むと、なにか暖かくなった気がした。




不思議な感じがして、私はその花びらをみつめる。



__なんだかなあ。




夜凜(より)さん!なにやってるんですかあ、置いていきますよ」



聞きなれた声が耳に入り、我に返る。




「ごめーん、百合子!いまいく!」



私は花びらを握りしめながら桜並木をかけ、百合子のもとへむかう。




「もうっ。私ずっと話していたのに返事がないから振り返ったら50mあとくらいでぼーーっとしているんですもん。何かにあてられちゃったのかと思いましたよ」




百合子はぷうっと頬をふくらませた。



「ごめんごめん、いやあ、ちょうど花びらが落ちてきたもんだから、春だな~とか思っちゃって」




「夜凜さん・・・あなた今何月だとおもっているんですか。5月ですよ、しかも今日は24日。春なんかとっくに過ぎましたし、今年は異常気象で桜が狂い咲いているんですよ」




百合子が苦笑いしながら言った。



「__そうだよねえ。もちろん知ってた。けどなんだか今日に限って・・・変な気分になっちゃって。まあ、気にしないで!」



なにせ、自分でもよくわかってないのだから。




そして、桜だが・・・そう。今年は西暦3000年と節目の年なのだが、全国の桜が狂い咲いているのであ


る。異常気象、と連日テレビが騒いでいるが、特に暑すぎたり、雨が降りすぎたり、はたまたずっと温暖な


日々が続いているのか・・・と言ったらそうでもない。ふつう、なのだ。だが知識のない私たちの情報源と


いったらメディアしかないので、あらゆる情報をかきあつめてみるのだが、どこも口をそろえて”異常気


象”ときたもんだ。



だから前に、お父さんが気象予報士であり博識な百合子に聞いたこともあるのだが、百合子は




「異常気象なんじゃないですか?テレビもそういってるし・・・」



とだけ。いつもならどんなニュースでも自分の意見を熱心にのべる百合子にしてはおかしいと思ったのだが・・・まあ本当にわからないのだろう

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