表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

第9話 覇という名の国 ! (5)

(本文)


「……何れぐらいの兵を持ちたいのですか、殿?」


「……わ、解らない……多ければ、多い程いいと思うし……」


 張に自分の兵を持ちたいと、言って頼んだ僕だけど。またまた筆頭奥様というか、この国の丞相の質問攻めに合いそうでドキドキしているよ……


 だから何て答えようかと悩む僕だよ……


「兵を持ちたいと、言うのは良いでしょ、別に構いません。でも、その兵を養うお金はどうするのですか、殿?これ以上余計な兵を養うほどの、お金もありませんよ……それこそ、そんな事をすれば、今殿が言った子供の為に学校を作るとい行事に、それこそお金が回せなくなりますから。」


「え……? 考えてくれるの張? 学校の事を……?」


「はい、考えますよ。今の今は無理ですが、子供達を国で管理できますし、それに保護すれば、人口も増えるでしょ、そうすれば兵にも困りませんから。それに子供達を教育して育てれば、中には良い官僚、良い将も育っでしょ、そうなれば国にはプラスになりますから、ゆくゆくは、考えたいと思いますよ。」


「……そ、そうなんだ、ありがとう張……」


「いえいえ、別にお礼言われ筋合いは御座いませんよ……それに、まあ、そう言う訳で御座いますから、兵は無理です、我慢してください……」


 ……う~ん、やはり駄目のようだね……筆頭奥さま許してくれないよ……


 ……で、でもね僕も諦めないよ。もうゴロゴロとした生活嫌なんて嫌だ。奥さま達に保護されて、ぬうぬうと暮らすの嫌なんだよ……


 僕は男だしこの国の王なんだ──!

 だからお飾りはもう嫌だよ……


 僕も項羽……嫌……


 奥さま達の覇業の手伝いをするんだ……


 だから丞相閣下の許可貰えるまでは、引かないよ。今回は──


「……ん、僕が自分自身で稼いで、兵に給金を出すじゃ、ダメかな?」


「……ん、まあ、自分自身で給金を用意出来るなら、良いですかね……?まあ、その辺りは殿の御自由にどうぞ、それに殿のお小遣いの中から給金だしても良いですよ。その辺りはお任せします……」


「……え、あ、ありがとう、早速何か考えてみるよ。張……本当にありがとうね……」


 や、やったよ……筆頭奥さま、ではなくて……


 丞相閣下から許可おりたよ──だから僕頑張るね……


「……だ、ダメです殿!殿は兵など持たなくて宜しいですよ!この城に居ればいいです。敵は皆私が駆除しますから……」


 ……え?またまた僕に、反対意見でたよ……今度は韓信だね……


 ……ん、僕をね、甘々してくれるのは良いけれどさぁ、奥さま達。本当にまるまる肥えてしまうよ。僕は……


 だからいつも、甘々さしてくれる信には悪いけれど反発するね。僕……反抗期だよ……


「……い、いや……このまま、ゴロゴロとした生活はもう嫌だよ、信……本当にブクブク太ってコロコロになっちゃうよ。僕……それにさぁ、自分の兵を集めるといっても、直ぐの直ぐには無理だと思うし。あくまでも、皆の補助で無理はしないし、勝手な事などしないよ。それにさぁ、本当に僕が前線に出るときには、信か羽に付き添って貰うから、大丈夫だよ……だ、だから良いでしょ……?」


「……え、でも……持てば出たくなりませんか戦に、殿……?」


「い、いや……だ、大丈夫たよ……」


「まあ、良いではないか、信よ?殿も色々と学びたいのであろう、社会を……? そうですよね、殿?」


 いきなり高年層の男性の声だよ。僕に優しく問い掛けてくれた……この世界の、僕の義理の父である韓遂さんだよ。とても温和な男性だけどね戦上手なんだよ……


 そんな彼が僕をかばってくれたんだ。それで娘である信を説得し、始めてくれたよ……


 だから何とかなるような気もする、僕だよ……⁉


「……そ、そうですよね……オヤジ殿の言う通りですよ……だから、皆良いでしょ? 色々と考えてみるからさぁ、自分で……商いもしてみるよ。色々と……だからお願い許して皆……社会勉強だと思って見逃してよ……」


 ──俺皆に嘆願したんだ!

 一応臣下と言ってもね、周りにいる重臣達はほとんど、身内というか、親族だからね……


 だから王だと言っても自分自身で勝手に決めれないし、独裁も出来ないのよ……


 だから張も僕には厳しく当たるしね、定評の時は……でもね普通に生活は皆優しいよ奥さま達。それにさぁ、良く尽くしてくれるよ。

 だからね、信も心配なのだとは思うよ。僕を戦に行かせたくないとは、前々から言っていたからね。

 だけどね、僕もこの世界に来て月日が経ったよ。だからそろそろ、立ちたい!

 この国の置かれている立場も余り良くはないとは、解ってきたからね!


 ……確かにこの周りでは群を抜いて大きな国みたいだけど、周りの小さな国々同盟して対処しているから、中々覇業が思うよう行かないみたいなんだよね……


 だからそろそろ、僕も立つよ──


 そして奥さま達を助けたい、僕なんだよ……


「……まあ、良いではないですか、信。許可を出しましょう……このままゴロゴロと舞いを見て遊ぶ生活よりは、良いとは思いますから……それにこの調子だと家臣達にも示しも付きませんからね……」


 今度は張が説得してくれたよ!

 だから何とか収まりそうだよ。話も終わりそうだ……


「……はぁ、まあ、姉さまが言うのなら、仕方がありませんね。解りました、暖かい目でみまょう、でも殿……絶対に無理はダメですからね……」


「……うん、大丈夫だよ。何かあれば、相談するからね。だから心配しないでね、信。僕頑張ってみるよ……」


「は〜い、解りました、殿。頑張ってくださいね~」


「うん、頑張るから……」


 ふぅ……何とか納得してくれた……奥さま達……


 だから後は何をして、儲けるかを考えないといけないね……?


 よ~し!何の商いをするかな……?


 思わずワクワクしてきた僕だよ……



 ◇◇◇◇◇





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ