第6話 覇という名の国! (2)
(本文)
「は〜い、姉さま……貴方達も下がって宜しいですよ……」
「はい、奥様……」
「あは……みな、ごめんね……」
「いえいえ、王様……下がりますね……」
筆頭奥様に、怒られた僕と貂嬋……
思わず苦笑いをしてしまったよ。僕は……
僕の為に舞ってくれていた貂嬋の方はと言うと、少しふて腐れているのが解るよ。
だってさぁ、拗ねた口調でさぁ、周り楽器を弾いてくれている人達に、下がるように告げていたんだよ……
じ、実はね、僕がね。無理を言って貂嬋に「今から踊ってよ?」と、お願いして頼んだの……
するとさぁ、貂嬋……僕の奥様の一人なんだけど、快く引き受けてくれて━━楽器を演奏してくれる人達……
まあ、貂嬋の家臣の人達なんだけど、集めてくれたんだよ。
だから僕、本当にごめんねと、思いながら謝罪したんだよ……
「貂嬋もごめんね……」
「ん……別に構わないですよ……気にしないでください。御方さま……」
━━ふて腐れた顔から笑顔に代わる、貂嬋の表情を見てほっとしたよ。僕はね……
で、その後は、僕をお迎え来てくれた、張の表情を見てみたんだ……?
するとね、今度は張が拗ねているよ……
ん……これは、これは、困ったな……
そう思うとさぁ、僕……
「張も貂嬋もこちらにおいで……」
優しく声を掛けたの二人の奥様にね……
するとさぁ、二人の奥様達……僕の側に寄ってきたよ━━
だからね、僕。二人を同時にね……ギュッと、ハグしたんだよ……奥様達をね……
するとね、奥様達大変に嬉しそう……だから何とか機嫌を治してくれたかな?二人とも……?
そう思う僕だよ……
◇◇◇◇◇
「ふぁ……眠たいなぁ……」
そんな事を考えながら、定評に参加している僕……
はぁ……と、思わず溜め息まで、でそうだね……
家の筆頭奥様、先程みたいに僕のお迎えにきて、あんなにも怒るけどさぁ……
実は僕が定評に出席してもさぁ、何もする事ないしね。ただただ座ってね、いつもあくびをしてるだけなんだよ。