第4話 プロローグ (4)
(本文)
「そろそろ貴方行きましょか?」
僕に馬を寄せて耳元で囁くの彼女……
僕その声を聞き我に返ったの。
後は……
後ろを振り返り━━僕の後に続く者達に下知を飛ばした━━
「さあ、行くよー! 進めー!」
僕の掛け声と共に鳴り響くよ━━巨大で圧倒な人馬の足踏みがね……
その後は行軍の足音だよ……
それが地鳴りのように、静な平原を━━圧倒的な勢いで覆い隠して行くね……
さあ皆帰ろう……我が城、我が街に……
◇◇◇◇◇
「ふぅ……そろそろかな……?」
馬の手綱を引き寄せて、立ち止まる私……
皆、後続の者まで、私に釣られように、人馬の行軍も止まってしまったようだ……
その後は人馬の行軍も、足音、蹄の音一斉に止み。辺りは静かになって行く……
それから空を眺め始める私……沈黙まで始めると……
後ろの方から、ざわめき聞こえるね……何事なのだろうかと?
私の部下達が、困惑を始めているみたいだね……
でも私は……相変わらず空を眺めているよ……
だって夕暮れの茜色の空が、私達を照らしてくれる。その光景が大変に綺麗で良い……その上皆の影の長さに何故か?
感心して見とれてしまった私だ……この景色や花など見て、美しい、綺麗だなどと、思う感覚は、今までの私には無い感覚だよ。
特に今までの私は、殺伐とした世界に生きて、殺伐した性格に育った女ではあるが。女の性格ではない男のような私だ!
でも今見ている、茜色の空……段々と日が傾いて来たのか?
一つ程明るい星見えてきたの……
あれはね、あの人の星なの……だからその星見てると、心安らぐの……
それにあの人の事を考えると、男勝りの私でも女になれる……
そろそろ、約束な日だから待ち遠しの……
私は彼……彼は私……
あの人は私の半身であり、一心同体なの……
それに私の伴侶であり、生涯あの人に尽くすと誓った私なの……
だから毎日が待ち遠し……
今日こそは……今日こそはと……
毎日に胸を踊らせて待っていたわ。愛する殿を……
今の私は普通に恋する少女だが。本当はこうではないのだぞ。
私は覇を唱える王である!
だから気高く、傲慢で。人の話しなど聞かない事が多いい。
その上、戦場に出ると一騎当千、男達にも負ける気もしないし。大陸一の武力だと自負している所もある。
でもな、そんな私でも、唯一逆らえない殿がいるの……
今日城に戻れば、あの人がいると思うの……約束の日だから……
だからこんな武辺者の私でも、乙女になり先程から、やたらとメルヘンチックに成っているの。
毎日通って、通い妻になったのあの人の……婿に来て貰いたから……
凄く尽くしたわ、生娘だったの私……
最初は顔から火が出るくらい、恥ずかしかったの……
でも頑張って尽くしたの……するとね殿……
私を気に入って、こちらの世界に着ても良いと言ってくれたの……
まあ、少しばかりは、脅してやったけど。婿にこないなら、他の男と結婚するからと、言ってやった!
すると慌てて、こちらに着ても良いと言ってくれた。私を他の男には、やりたくないみたいなの。だから嬉しくて、惚れ直したの……
私は昔から無愛想だから、俗に言う魅力度低いの、でもね殿は違うし、見てても可愛いの。如何にも王子さまって感じ大変に良いの。
それに私の事も誉めてくれるし。綺麗で可愛いいとね……
その後は大変に愛して、可愛いがってもくれるの。
だから、あの人との夫婦の営みの事を思い出すと。主人がいつこちらに来てくれるのか?と、大変に待ち遠しの……
たからそろそろ、一人更けるのを止めて、そろそろ帰ろうか……?
だってあの人、今日からこちらの世界に来てくれるの。だからもう現実世界で随時会えるの。私……
まあ、そんな訳だから、そろそろ帰ろうか、自分自身……!?
すると、後方から声がする。それも私を呼ぶ声だ?