最初のダンジョン
「仕方ない、とりあえず説明書通り2つのダンジョンに向ってみますか」
説明書の地図を見比べ、より近い『ステータス』のダンジョンに向かうことにした進。
説明書を携え、部屋を後にした。外に出た進は驚愕した。先程窓越しで見たとはいえ、外で見る景色は一段と迫力がある。
また犬や猫のような顔を持ち、面影もあるのだが、体格や二足歩行している点を見るとまるで人間⋯⋯そう、獣人と呼ばれる亜人が街の通りを行き交っている。よく見てみると普通の人間や小人もいる。この街は色々な人種が一緒に暮らしているようだ。
「本当に異世界に来たんだな⋯⋯」
ファンタジー世界に来たことを実感する。しかし今はこちらが現実であり、早急に衣食住を確保する必要がある。
「まあ、住はさっきの部屋を使えばいいな。衣はとりあえず今着てる部屋着を⋯⋯まあ、なるべく早く買いたいところだな。問題は食か⋯⋯ゲームと違って、モンスター倒してお金が手に入る訳でもないしな。ギルドとかあるのか?」
1人でブツブツと呟く主人公の姿は、周りから見ると実に不気味である。
歩いて5分もしない内に目的地に到着した。目の前には立方体の建物があり、簡素な扉と『ステータス』と書かれたプレートが備え付けられているだけだった。
「本当にここなのか?」
疑問に思いつつも扉を開き、中へ進んでみる。室内は空洞になっており、中央に地下へと続く階段があるだけのとてもシンプルな部屋だ。
「想像していたダンジョンと全然違うな⋯⋯」
期待外れ感が否めない進だが、引き返しても仕方ないと自分を言い聞かせ階段を下る。
あっという間に下り終え、平坦な道へ出るも直ぐに、次の部屋に着いてしまった。その部屋には石で出来た台座があるだけの、これまたシンプルな造りになっていた。
「もう目的地ですか⁉︎5分もかからないダンジョンってどうなの⁉︎⋯⋯文句をダンジョンに言っても仕方ないか。とりあえず魔導書ってやつを回収するか。」
案の定、台座の上にある一冊の薄い本を開き読み始める。
『ステータス』の魔導書
・消費MP0
・自身の身体能力及び精神能力を確認出来る
・詠唱法 1節呪文 「ステータス・オープン」
・頭の中で念じれば、確認画面は消える
「もはや予想通りですよ⋯⋯どれ、試しに『ステータス・オープン』」
目の前に、RPGでよく見かけるステータス・ウィンドウが出現する。そこには⋯⋯
NAME:進 渡来 Lv.1
Job:冒険者
MP:100 STR:10 INT:10
AGL:10 MND:10 LUK:1
・マジック
ステータス
・スキル
なし
・???????
???
?????
「まんま初期ステータスだな⋯⋯ん?無駄に「?」が並んでるけど、何だこれは?」
しばらく考え込んでいたが、分かりそうもないので、次の『マップ』のダンジョンに向かうことにし、この場を立ち去った。
ストックない内に投稿してしまいました
<(゜ロ゜;)>ノォオオオオオ!!
次回投稿は3日〜1週間を目処に書き上げたいです
(まだ仕事の予定が分からないので次回投稿未定です)