影の民②
少女は、宣言した通り影の民を自領の民とする事で我々の居場所を作った
更に、侵略国であった鳴国や氷国より強く影響力もある蓮国が影の民のシュレイアへの移民を認め支援したことで、逃げる途中バラバラになった者達と合流出来た
「なんとお礼を申し上げてよいやら・・・」
「私の自己満足だもの、気にしないでくださいな
そうそう、改めて、私はエーティスは最東端、シュレイアの領主セルゲイの次女、レインと申します。」
礼をする少女を漸く落ち着いて見る事が出来た
我等とは顔付きが異なる為に幾つか具体的な年齢は分からないが、貴族ならばまだまだ親が庇護しそれに甘んじる年齢だと思う
だというのに、瞳の輝きや流暢な口調は大人のソレ
不思議な少女だ
「私は彰夏と申します。影の民の長が弑され代行として私が皆を率いて此処まで連れて参りました」
少女に続くように私も頭を深く下げる
彼女がした礼とは種類が違うが、文化の違いと理解してくれたら良いのだが
「彰夏殿、貴方方の集落を決めるまでの間、一先ずはこの双頭の狼の集落で過ごしていただけますか?
怪我人も複数いらっしゃいますし、まだ氷国、鳴国の追手の心配もなくなったわけではありません。この場所ならば他より安全ですわ」
「そう、なのですか?勿論我等に否やはありません」
「双頭の狼の一族の長を含め、彼等は強い。
そうよね?銀、金」
[ご安心をお嬢]
[強くなければこの険峰連なる北の国境の山で一族を率いておりませぬ]
我等を少女の元まで連れてきた銀の狼と、対な金の毛の狼がニヤリと笑いながら言う
「出来るだけ速やかに、集落になる土地を確保いたしましょう。それまで暫し、お待ちくださいな」
我等に丁寧に礼をする少女
我等もまた、深く腰を折った