表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
長編版:撫でられるのが仕事です。~裏切られ死んだ俺、猫に回帰して仲間を最強にプロデュースする~  作者: 堀籠遼ノ助(ほりこめりょうのすけ)
第三章 再会シタ災厄ト炸裂スル鉄拳

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/16

『鍵と暗号と、地下室への道にゃ』

 俺は鍵束を口に咥え、光の速度で廊下を駆け抜けた。


『くらうす! かぎ! もった! ちか……いく!!』


 裏口で待機していた少年クラウスは、俺からの断片的な指令を理解したようだ。物陰から飛び出し、俺を抱き上げる。


「ノワール! よくやった! 地下室はどこだ!」


 俺は鍵束をクラウスの手に落とし、【思考誘導 Lv.4】でナビゲートする。「下へ」「左へ」「もっと陰湿な方へ」――イメージを連続送信!


 同時に【危機察知 Lv.2】を全開にする。遠くから聞こえる微かな音と振動……間違いない、最悪の危険源(地下室)はそこだ!


(くそっ、急げ!!)


「今助けるぞ!」


 クラウスの手が震える。鍵穴に鍵をねじ込み、乱暴に回すと、カチャリと解錠の音が響いた。


「うおおおぉぉぉッ!」


 クラウスは渾身の力を込め、扉の蝶番ごと吹き飛ばす勢いで飛び蹴りを叩き込んだ。


 バァァン!!


 轟音と共に鉄扉が内側へ弾け飛び、俺たちは勇ましく現場へ踏み込んだ。


「覚悟しろ悪党ぉぉ……ッ!?」


 クラウスが部屋の中を見て、息を呑んだ。

 俺もまた、着地の体勢のまま周囲を見渡す。

 そこは、地獄だった。


 部屋の隅には、怯える数人の子供たちが固まって座らされている。

 その周囲を、武装した4人の私兵が囲んでいた。

 そして部屋の中央。


 豚貴族バロン・ボルクが、豪華な椅子に座り、ニヤニヤと笑っている。


 その目の前に、リンゴ売りの少女ミアが立たされていた。彼女の手には、家畜用の鞭が握らされ、全身が小刻みに震えている。


(……一目瞭然だ。最悪の状況だ!)


 会話を聞く必要すらない。子供たちを人質に取り、彼女に何かを強制していたのは明白だ。


「ああん? 何だ貴様らは!」


 ボルクが俺たちに気づき、叫んだ。

 私兵たちが即座に反応し、剣と槍を構える。


「侵入者だ! 殺せ!」


「やれ!」


 4人の大男が一斉に殺気を放つ。

 真正面からやり合えば、クラウスといえど無傷では済まない。子供たちに被害が及ぶ可能性もある。


(ここは、俺の出番だ!)


 俺はクラウスの肩から飛び降り、兵士たちの前にスタッと着地した。

 そして、首をかしげ、クリクリの瞳で彼らを見上げ、最大級の可愛さを込めて鳴いた。


「……みゃ~ん♪」


 瞬間、【魅了 Lv.2】が発動する。

 兵士たちの動きがピタリと止まった。

 殺伐とした空気が、強制的にピンク色のオーラに塗り替えられる。


「……えっ、かわいっ」

「ねこ……?」

「うわ、めっちゃ見てる……」


 彼らの戦意が、一瞬だけ上書きされ、空白が生まれた。

 その隙を、クラウスは見逃さない。


「どけぇぇぇッ!!」


 クラウスは兵士たちの間を疾風のごとくすり抜け、一直線に玉座の豚へ肉薄した。


「ひぃっ!?」

「この外道がぁぁあああ!!!!!!」


 ドゴォッ!!


 拳がめり込む鈍い音と共に、地下室に響き渡ったのは「ひぎぃぃっ!?」という情けない悲鳴だった。

 豚貴族は椅子ごとひっくり返り、無様に床を転がる。

 クラウスは即座に近くの兵士から剣を奪い取り、切っ先をひっくり返ったボルクの喉元に突きつけた。


「武器を捨てろ!! さもなくば、こいつの首が飛ぶぞ!」


 兵士たちは我に返ったが、主人が人質に取られては動けない。


「こ、降参だ……」

「猫ちゃん……じゃなくて、降参します……」


 カラン、カラン。

 武器が床に落ちる音が響いた。

 俺は即座に少女の顔に飛びつき、その視界を塞いだ。


 これ以上、大人の汚い部分を見せてはいけない。


《対象[ミア・アイゼン]からの【被・魅了(好意)】を検知しました》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ