25.いたずらと苦悩
うわー(#^.^#)999PV突破!ありがとうございます!
緊急投稿させていただきます⭐︎
数えきれないほどの作品がある中で、アットナインを見つけてくださり、本当に本当に嬉しいです!
右も左もわからないまま書き始めたド素人の私ですが、こうして楽しく続けられているのは、読んでくださる皆さんのおかげです!
これからも、アットナインの世界を一緒に楽しんでいってもらえたら嬉しいです!よろしくお願いします!
地下の広間に籠っていたアスクは、三日間にもわたるエンチャントに没頭し、まるで酔っぱらったかのような酩酊状態に陥っていた。彼の意識は朦朧とし、心はふわふわと浮遊しているようだった。その間にも、彼の目は無意識に周囲を観察していた。
ふと、視界の隅に棍棒が置かれているのに気づく。真新しい木製のそれは、ただの道具に見えるが、アスクの目は違った。彼は微笑みながら呟いた。「棍棒を使う人って、あの人だけだよな。」その声はほんの少し酔ったように歪んでいた。
その瞬間、アスクの中に一瞬鋭く何かが閃く。彼はこの機会を利用して、ちょっとしたいたずらを仕掛けることに決めた。彼はゆっくりと手を伸ばし、棍棒にエンチャントを施すことにした。心を落ち着かせて精神を統一する。棍棒にちょっとしたマナの意志を宿らせる。
アスクが集中していくと、空中に浮かぶ三角のアングルが、ぼんやりと光を放ち始めた。
彼は一つの角に意識を向け、それを少しずつ伸ばそうと試みる。すると、魔法の力が糸のように伸び、それに合わせて三角の形がわずかに歪んでいく。
その影響で、別の角がギシギシと音を立てながら縮んでいく。アスクは焦ることなく、そちらの角にも意識を振り分け、縮むのを食い止めるように力を加えていく。
二つの角を同時に操り、全体の均衡を保つ。三つ目の角が、まるで抵抗するかのように悲鳴を上げるのが聞こえてくる。
しかし、アスクは気にしない。彼の意識は、ただひたすらに、伸ばそうとする角と、それを維持しようとする角の二つに集中していた。
彼の額から一筋の汗が流れ落ち、魔力の流れがさらに強くなっていく。三角の輝きは次第に強くなり、周囲の空気が熱を帯びていく。
エンチャントが完了した瞬間、アスクは微笑みながらその棍棒を手に取った。彼の目は、どこか悪戯っぽく輝いている。
「よし、これを使った彼の顔が楽しみだ。」
アスクは静かに笑みを浮かべながら、魔力切れのためか、意識を失っていった。
静寂の中に、遠くからかすかな金属のきしむ音が響いた。その音に気づかぬまま、アスクは深い眠りに身を委ねていた。彼の横には、数々のエンチャントされた武器、防具、装飾品が静かに並んでいる。まるで宝物の山のようだ。
やがて、静寂を破るように、影の中からチャンドラの姿が現れた。彼は静かに、その場を見回した。エンチャントされたアイテムの列は、まるで魔法工房の宝物のようだ。彼の目は、ひとつひとつの武器を丁寧に観察していた。
その数はほぼ300本。毎日100本ものアイテムにエンチャントを施すという、その技量にはただただ驚かされるばかりだ。まるで時間の流れを超越した職人のようだ。
やがて、チャンドラの視線は最後にエンチャントされたと思しき棍棒に止まった。手に取ると、その武器を丹念に鑑定した。長い沈黙の後、彼は思わず笑みを漏らしながら、彼は独り言のように呟いた。
「ハハハ……この棍棒は随分と尖った性能だな。でも、ただの武器じゃない。完成度が高いってことだろう。うん、確かに……」
彼の目は、細かく輝きを帯びている。手に持つ棍棒の全体像と、その細部に宿る魔力の流れを感じ取りながら、次の一手を考えているようだった。
「これなら、エンチャント・中級へのランクアップも近いかもしれないな。いや、実際そうなるだろう。もっと強く、もっと使い勝手の良いものに期待できそうだな……」
彼の心は、すでに次の挑戦へと向かっていた。磨き上げられた武器と魔法の力。これらを融合させ、新たな高みへと駆け上がるための努力を惜しまない決意を固めていた。
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰苦 悩⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰
チャンドラは自分の執務室へ戻り、目を閉じて深く息を吐きながら思いにふけっていた。彼の心の中には、アスクのエンチャント能力への期待で渦巻いている。今まで、数々の冒険者にエンチャントを依頼してきた。しかし、定着率が極端に悪い。地道な強化方法しかないのだ。その壁は高い。高すぎる。
エンチャント…アイテムを強化する魔法。武器や防具をより強固に、使い手の力を引き出すための術だ。でも、そのためには、ただ魔力を注ぎ込むだけじゃ足りない。膨大な数のアイテムと、そのエンチャントのための魔力。それに、何千回も繰り返さなきゃいけない。百を超えるアイテムに魔力を振り分け、微細な調整を重ねていく。まるで、魔法の工房の中にいるみたいだ。
「…こんなこと、普通の冒険者がやるには、無理だろうな」チャンドラは小さく呟いた。コストが高い。時間も労力も膨大だ。だからこそ、このスキルを持つのは、ごく一握りの者たちだけだ。王族や一部の大貴族、そして、代々伝わる血筋の中にだけ、その名を知る者がいる。
彼は、エンチャントの奥深さに惹かれつつも、その険しさに唇を噛む。もし、これをもっと自在に操れるようになったら、世界はどう変わるだろうか。――いや、そもそも、その夢は遠すぎるのかもしれない。
ただ、今はただ、この難しいエンチャントの道を、少しずつでも進んでいくしかない。誰も見ていない静かな部屋の中で、彼は静かに決意を新たにした。
ep.23→ep.25
【ステータスウィンドウ】
アスク
LV:24(ステータスポイント残+12)
AP:0/180(次のLVまで残り540)
HP:220/255←243
MP:0/80←72
SP:50/50←45
スキル:
- 短剣・中級、
- 水魔法・中級、
- 探知・中級、
- 潜伏・初級、
- 鑑定・初級、
-アイテムボックス・初級
-エンチャント・初級
AV:筋力94+8、体力52+4、敏捷42+4、器用50、知力36+4、精神36+4




