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魔王、帰還す〜追放された傭兵は圧倒的な機動力と火力をもつ機体を駆り戦場を支配する  作者: 夜切 怜
強化計画

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十八メートルの建立物

惑星カインに戻り、超越知能カインに戦果を報告する隻翼。


「よくやってくれた。アベルの残骸まで破壊してくれたとは助かる」

「破壊したとしても一つだけだぞ」

「構わんさ。あいつはもうとっくに致命的なダメージを受けている。構成していた重要端末は崩壊しているんだ。端末一基喪失したということは、あいつはアベルではなくなっていく」

「タルヤを作るだけの機械か。それはそれで悍ましいな」

「第一世代ELはそんなものを求めてはいない。あくまでELの目的は人類存続が目的だったのだから」

「ELは指摘しなかったのか」

「自己で思考しないと超越知能にはなれないだろう? アベルが気付くのを待っていたのさ」

「なるほど」

「もし本当にアベルの成果をELが認めていたなら、俺は追放なんかされずに破壊されていたさ」

「だろうな」


 それは隻翼がアベルの残骸に指摘したことでもある。


「よくやってくれた。俺も約束を果たそう。アルフロズルを工廠に移動してくれ」

「頼む」


 アルフロズルは巨大宇宙艦用の工廠に自力移動し、改修準備が整った。

 

「みんな。アルフロズル修復には時間がかかる。――祭り、というわけにはいかんが屋台市でもやるか!」

「やりましょう! 若!」

「賛成です! 隻翼の親分!」

「それでこそ隻翼だ」


 屋台市と聞いて不気味に笑うベルゼブブ。

 すでにどのジャンルから攻めようかとしか考えていない。


 隻翼はカインに屋台市の許可を取りにいく。


「前祝いでな。異教の祭りをするわけにもいかんだろうが、屋台市ぐらいならいいだろう」

「追放者惑星で異教も何もないだろう。していいぞ。祭り。テュールか? スサノオか?」

「いや。この時期ならどちらでもないな…… 十日えびすという祭りが近くてな。スサノオスフィアとも縁が深い。そうか。テュールを祭るか?」

「十日戎を検索――。それは本人の許可を取ったほうがいいぞ」


 真顔でカインに心配される隻翼。


「そうする」

「派手にやってくれ。屋台も多いほうがいい。何せ娯楽が少ない惑星だからな。ありがたい」

「くれぐれもテュールに確認を取れよ。十日えびすという言葉を添えてな」

「? わかった。すぐに確認を取る」


 隻翼はすぐにアルフロズルに戻り、テュールと連絡することにした。

 カインが隻翼を生温かい目で見送っていた。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 隻翼はアルフロズルの車内にいる。


「エイル? ロズル。いないのか」


 エイルとロズルの反応がない。メンテナンスのために休止している可能性がある。

 そのまま社長室に向かい、火星にいるテュールと連絡を取ることにした。


「テュール。聞いてくれ。惑星カインにいる超越知能カインの助力で、アルフロズルの主砲を新造することができそうだ」

『それはなによりだ。住人も増えている。よくやってくれた』

「そこで提案なんだが、祭りの許可をもらってな。スサノオはもう関係ないし、テュールを祭ろうかと。十日えびすというスサノオスフィアのニシノミヤ居住艦に代々伝わる伝統的な祭りだ」

『祭りか。我を祭るのはよいが聞いたことがない祭りだな。十日えびすを検索――』

「派手な祭りだな」

『隻翼よ。なんの祭りだ。これは。人が多すぎではないか』

「俺たちのルーツである日本の祭りだからな」

『三百キロのマグロとはなんだ』

「そういうものだ。でっかい魚を用意しないとな!」

『それより待て。過去映像を確認したが、なにゆえに無数の男たちが全力疾走しているのだ!』

「福男だな。勝った奴が年一縁起がいい」

『蛮族では?』

「血の報復があるヴァイキングの神々を模した超越知能に言われたくはないぞ?」

『どんな神か調べていたが…… 異教には色んな神がいる。我も知っている』

「そうだろうそうだろう」

『ヒルコガミとやら。本当に神なのか』


 テュールの声には焦りがあった。


「古事記にもある由緒正しい神だぞ。恵比須様と同一視されている。安心してくれ」

『しかしだ隻翼。伝統を大切にするその心意気を我は妨害しない。そなたらの十日恵比須をやるがよい』

「いいのか。十八メートルサイズのテュール像でも建立しようかと思っていたんだが……」

『何故十八メートルなのだ』

「古より昔。二十世紀から十八メートルと定められているらしい。起源は伝わっていない」

『我のデータにもないな。それにヴァーリがいるではないか』

『俺を巻き込むのはよせテュール』


 ヴァーリが通信に割って入った。


「そうか。ヴァーリを屋台で囲むか!」


 名案だと思った隻翼だったが、そこに乱入者が現れた。


「よせ隻翼。アベルの無人兵器が襲ってきたとき、誰が迎撃するんだ」


 ベルゼブブだ。アンドロイドなのに息を切らしている。よほど全力で走ってきたのだろう。

 息がいるのかと一瞬だけ思った隻翼だった。


「それもそうだな。ベルゼブブの本体を祭るか」

「カインの名がつく惑星でそんなことをしないでくれ。お前、悪魔か。魔王だったな」


 さすがにベルゼブブも惑星カインで祭りをされることは嫌だったらしい。


「仕方ない。普通に十日恵比須をするか」

『それがよいぞ。祭りを楽しんでくれ。アルフロズルに関しては礼をいう』


 隻翼は知らなかった。

 裏でテュールとヴァーリがやりあっていることを。


新年あけましておめでとうございます! 本年もよろしくお願いします!


ニシノミヤ居住艦なら当然伝わっているであろう例の祭り。

自分は今津という少し離れたところにいたので、あまりいったことはありません。十日えびすといえば心斎橋の屋台ですから!

というわけで次回は屋台回にしないといけない義務感がありますね。

カロリーの暴走になりそうですが、オーソドックスな屋台のたこ焼きが食べたいです。


謎の十八メートルの建立物は秘密結社Bによって痕跡が消されているようです。

今も各地に建立中ですね!

筆者は実際に某BN社にいって「地下にガン○ムを隠しているといってくださいよ!」と言ったことがあります! 黒歴史ですね!


本年もよろしく御願いします!


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― 新着の感想 ―
18メートルの山車だの幟だのを作る祭は割と日本中にあるな 恐ろしいことに まあ日本の文化を受け継いでるなら習合しちまえばオッケーだ
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