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魔王、帰還す〜追放された傭兵は圧倒的な機動力と火力をもつ機体を駆り戦場を支配する  作者: 夜切 怜
強化計画

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フルバースト!

『貴様! 何をした!』

「マスドライバーのレールに反応弾を落としたまで」


 隻翼は淡々と応じる。

 アベルが絶叫した。


『反応弾だと! あの兵器は人がいる区画では使用禁止のはずだ!』

「タルヤは人ではないだろう?」

『貴様。悪魔だな。もとは人だぞ!』

「しらん。生身の部分が残っていない連中なんぞノーカウントだ。タルヤなぞ意識の標本に過ぎん」

『私の子羊を愚弄する気か! 別銀河探索には有用と第一世代ELは判断したのだぞ』

「哀れだな。貴様は破壊された時から正気を喪っている。なぜ第一世代ELが別銀河の探索を許したと思う? もはや人間ではなく、人間同等の思考ができる機械だったからに過ぎない」


 隻翼が軽く嘆息した。暴走した超越知能ほど手に負えないものはない。


「多くのタルヤは未知の宙域で滅んでいっただろう。しかしそれは人間ではないのだから、第一世代ELが止めなかったのは無理がない」

『黙れヴァーリよ! 第一世代ELは人体改造を施したカインの人間には見向きもしなかったぞ!』

「カインは当たり前の事を当たり前にやっただけだからだよ。極限環境に適した人間を、端末であるカインが作った。褒めるところもなければ、貶めることもない。ゆえにお前を破壊したカインを第一世代ELは追放という罰こそ与えたが破壊はしなかっただろう?」

『それが不平等だというのだ! カイン! カイン! カイン! 人間も第一世代ELもカインばかり贔屓をする!』

「それが本音か。意識があるんだ。嫉妬もあれば劣等感もあるだろう」

『黙れ人間風情が。カインの手先に成り下がって』


 アベルは激昂している。感情を制御できない。

 壊れている証拠だ。


「いいことを教えてやろう、あの装姿戦闘機はアグラェクウィフ。かのカインの子孫である、グレンデルの母の名を冠した機体だ」

『またカインか!』

「お前はカインに二度殺されたというわけさ。いい加減大人しくしておけ」


 隻翼はと要塞最深部に辿り着いた。

 リアクターよりさらに下。道中で多くのグラディウスアベルやネフィリムが立ちはだかったが、すべて撃破した。


「あると思った。――破壊されたアベルのコア。その一つ」

『やめろ。引き返せ。今ならまだ間に合う。他星系の調査もままらならなくなるぞ』


 ヴァーリはティルフィングを引き抜き、アベルのコアを両断する。

 声は沈黙した。


「作戦目標クリア。これよりアルフロズルに帰投する」

『敵超越知能アベルのコア破壊を確認。ヴァーリは帰投してください』


 エイルが応答する。

 ヴァーリは元きたルーツを引き返すべく、全力で移動を開始した。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆


『すべての作戦目標をクリア。隻翼が帰投次第、惑星アベルを離れます』


 エイルの通達がアルフロズルクルーに共有される。


「そろそろ戻っていいすか!」


 空戦しているキッチンカーにも限界がきていた。

 何より面積が大きい。空飛ぶ戦車代わりとしては装甲も薄い。


「ご苦労。戻って良いぞ」


 センノスケが帰投を認める。


「へい!」

「あとは私がやります」


 戦闘機形態のアグラェクウィフが空戦を引き継ぐ。

 隻翼が戻るまでは航空支援を欠かさない。


「こちらニクマキ! 被弾した!」

「すぐに車内へ」


 チヒロが的確に指示をする。


「私たちはタンクテザントに移行。ユノ、戻って!」


 チヒロの号令に、敵陣深く、単機で斬り込んでいたユノのフラメンシュヴェルが引き返そうするが、敵の群れが阻止しようとする。


「飛んでユノ!」


 その声と同時に、ユノのフラメンシュヴェルが大きく跳躍する。


「フルバースト!}


 両肩兵装と両腕部の火器を同時展開し、その場にいたアベルシリーズやネフィリムを一掃するチヒロのスーパースパタ。

 

「スパタにあるまじき火力だな……」


 ハッピートリガーが舌を巻く。


「私たちもタンクテザントへ移行。少しでも敵を減らします」


 あきらかに敵の機体が増えている。


「俺たちだけでも道連れにしようというアベルの逆恨みだな」


 ベルゼブブが苦笑する。


「道連れにできますかね」


 センノスケが不敵に笑う。

 アルフロズルは戦車だ。宇宙艦とは比ではない装甲を持つ。


「無理だろうな。練度も違う」

 

 ベルゼブブは客観的に戦力を分析した。

 

「ほれ。魔王が戻ってきたぞ」


 一条のビームが敵部隊を薙ぎ払う。

 ヴァーリのエクスプレスから放たれたビーム弾だ。


『ヴァーリはほぼダメージなし。――隻翼とヴァーリの練度が上がっています』


 エイルが冷静に判断する。


『隻翼が帰投します。全機、車内へ』


 エイルの指令とともに、車内に戻るアルフロズルのホーク部隊。


「これより惑星アベルを離脱。ヴァーリ上空を通過したのち、スイングバイして惑星アベルとおさらばするぜ」


 車長であるセンノスケの言葉通り、アルフロズルは宙を浮く。

 とりつこうとするネフィリムは吹き飛ばされた。

 

 ヴァーリも飛翔し、アルフロズルの底部から帰投する。


『隻翼。お疲れ様でした』

「相手が壊れていたからな。楽だったかもしれん」


 隻翼がかすかに笑う。強敵とは言い難い。

 アルフロズルは惑星アベルを一週したのち、惑星カインに向かうのだった。


いつもお読みいただきありがとうございます! 誤字報告助かります!


アベルはすでに壊れており、ゆえに矛盾に気付くことはなかったのです。

砲台要塞を試みたアベルの残骸は破壊できましたが、別のアベルの破片は残っています。


スパタの火力がマシマシです!

スーパースパタがようやく活躍。さっきパスタと書きそうに。もしパスタとあったらごめんなさい。手癖です!

パスタが一つ見つかるたびに罰ゲームとして屋台回を書く、というノルマを設定しても面白いかも(無理)!


応援よろしく御願いします!



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― 新着の感想 ―
別銀河探索を考えるということはレンズマンよろしく時速数パーセクとか言う速度で移動できるんだろうか それでも最初の向きが1°ズレるだけで座標が激しくズレるけど 超越知性は意外とアホだったのか超光速の観測…
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