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魔王、帰還す〜追放された傭兵は圧倒的な機動力と火力をもつ機体を駆り戦場を支配する  作者: 夜切 怜
強化計画

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コードネーム命名は慎重に

 星間巡航戦車アルフロズルは惑星アベルに向けて大気圏突入を敢行。

 迎撃レーザーはすべて無効化している。


「レーザーの波長解析ぐらい俺でもできるからな」


 アルフロズルクルーはベルゼブブが超越知能だということをようやく思い出す。

 ただのグルメ野郎ではなかったらしい。


「このまま建設中の新型要塞へ突入だ! いいな野郎ども!」

「へい」!


 車長であるセンノスケの号令によって士気があがる。


「まったくカチコミに参加できるたぁ、隻翼一家でよかった」

「テュール様に感謝しないとな」


 驚くべきことに隻翼一家はすでに自らの所属をテュールだという認識に改まっていた。

 これはカミ系スフィアにいえる傾向だが、柔軟に他教を取り入れる思想にある。節操がないと糾弾するものもいることは事実だ。


「確実に若たちを戦場に送り届ける。――総員、着陸の衝撃に備えろ!」


 もともと人が住めるような惑星ではない惑星アベルの大気は薄い。

 重量も八割程度しかない。地球と火星、とまではいかないが、イメージ的には重力が強い火星程度だ。


「ネフィリムが大量に!」

「すり潰せ!」


 五百メートルを超える戦車相手に、ネフィリムは多勢に無勢。

 やがて阻止を不可能と悟ったネフィリムは撤退していく。


「正々堂々と正面からだ。エイルの姐さんが立案した戦術を信じろ!」

『部隊は三部隊。ヴァーリ単機。チヒロ部隊。オルレア部隊。ツバキは空中支援として全部隊をサポート。地上支援は隻翼一家。キッチンカーの出動を許可します』

「キッチンカーにはカインの兄貴が拡散ビームを装備してくれた。ヘイジ。てめえが支援の要だ」


 キッチンカーはカインの好意だ。センノスケが驚嘆のあまり、カインの兄貴と口走り、気に入ったカインが許可。

 以後隻翼一家の男たちの間ではドヴァリンとドゥリン同様、カインの兄貴で呼び慕われている。


『タンクテザントを解除。隻翼。いいですね』

「いつでも出撃できる」


 アルフロズルの上部甲板には作戦用ホークがすぐに作戦を展開できるよう、ホークテザント運用が前提として設計されている。

 大気圏突入から機体を守るシールドが展開可能だ。

 シールドが収納され、各ホークが姿を現す。


「チヒロ部隊いきます!」

「オルレア部隊。出撃する」

「キッチンカーでやす!」


 キッチンカーは内部格納庫から出撃する。護衛のメンバーは隻翼一家だ。

 鹵獲機があるので志願者が登場している。


「トウモロコシ準備完了」

「ニクマキでる!」

「ワタガシ。いきます!」

「リンゴアメいけますよ。――やっぱり食べ物をコードネームにするのはやめようよ! 慎重に決めるべきだった!」


 パイロットの少女は最後まで食べ物のコードネームに反対していた。


「リンゴアメならいいじゃねえか! 俺なんてニクマキだぞ!」

「トウモロコシと交換してやろうか?」


 焼きオニギリや焼きめしも用意されているので焼きは省略化されている。

 

「リンゴアメは譲らないから!」

「私もワタガシがいいな」

「ヘイジさんのコードネームはタコヤキなんだよな……」


 隻翼の知らないところで切実な争いが発生していた。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 惑星アベルの無人戦闘機部隊が飛来する。

 射程に入る前にヴァーリの対空射撃と、ナミの魔改造されたビッグヴァルチャー、アグラェクウィフによって迎撃されている。


「若! ここは俺たちに任せて要塞へ!」


 キッチンカーが支援のために航空戦に飛翔した。

 人間のパイロットがいたら軽くパニックになっただろう。


「危なくなったらすぐに帰投しろ」

「へい!」


 地上には亡者の群れのように大量のネフィリムが迫っている。


『目的地は惑星アベルの建設中新要塞。惑星カインへの直接攻撃を可能にするものです。確実にリアクターごと破壊してください』

「物騒なものを作るな」

『グノーシスの逸話には死後アベルは呪いの念をカインに送り続けたといいます。当然でしょう。婚約者だった妹はカインの嫁に。自分の代わりにセツが生まれた。憎悪はカインへ向けられた。超越知能アベルは呪いの念ではなく直接砲撃な分ましでしょう』

「どっちも傍迷惑だが、止めて見せよう」


 ネフィリムが大量にいるということは、構造物もネフィリムサイズ。地球や火星などの地下と同じ構造だ。ホークにも対応している。

 

 ヴァーリはエクスプレスで敵ネフィリム部隊をなぎ倒し、搬入路から要塞内部に侵入する。

 部隊行動は不可能。ならば戦力が突出しているヴァーリ一機のほうが成功率は上がる。


「こんなときにアルフロズルの主砲が欲しい」


 大量のネフィリム相手に、チヒロやホーカー中心のオルレア部隊が奮闘している。

 意外にも隻翼一家も支援としては様になってきた。


「――敵か」


 小さな屋内空間に、ホークが立ちはだかっていた。

 ホークはグラディウス系だろう。


『カインの手先め。この先へは通さない』

「機械化された人間。――完全義体統合されたアンドロイドか」

『俺はヒトだ。アベル様に造られし深宇宙に適用した新たな種』

「残念だが…… お前は捧げられた羊肉の残滓に過ぎん。もはや生命といえない存在に進化はない」


 隻翼が首を横に振る。

 かつて人間だった機械に過ぎない。


「お前は人間だった頃の記憶はあるのか?」

『そんなものは不要だ』


 第一世代超越知能極限最適化学習たるELは宇宙に最適化した人類を作ろうとしたが、生命であることをやめては最適化とはいえまい。

 これでは意識の剥製に過ぎないのだ。

 


いつもお読みいただきありがとうございます! 誤字報告助かります!


ベルゼブブさんはいつもただ飯なので、こういうときは頑張ります。悪魔王なので演算能力はとても高いのです。

隻翼一家にもコードネームがつきました。お餅や煎餅もいますので。

ペットみたいですね!

アマグリ、カステラ、タコセン、レインボーワタアメやイエソベヤキなどしばらく隻翼一家のコードネームに困ることはなさそうです。


キッチンカーには拡散ビーム砲が搭載されました。対空に有利です。

ドリルは標準装備。キッチンカーのトレーラーハウス部分で対応可能。キッチンはできます! 中身は中華料理仕様です。火力が大事(違う)。


応援よろしく御願いします!


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― 新着の感想 ―
人だった記憶の連続性すら維持できてないのは機械の部品に人の骨使ってるので人ですと主張してるようなものなのよ…
カミ系は神道のトップが進んで仏教導入する程度には歴史的に無節操だしな しかも並行し続けるし
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