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魔王、帰還す〜追放された傭兵は圧倒的な機動力と火力をもつ機体を駆り戦場を支配する  作者: 夜切 怜
強化計画

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魔改造の果て

ユノが搭乗しているフラメンシュヴェルは、高火力機体だ。

 そのホークを近接用にシフトさせ、調整している。

 仮想敵はネフィリムである。惑星カインにもアベルにも大量にいる巨大無人ロボットであり、ホークとも一部互換性はある。


「どんな様子だ」


 ガレージテストを管理しているカインのもとに隻翼がやってきた。


「順調だ。調整を繰り返している」


 フラメンシュヴェルは瞬く間に三機のネリフィムを撃破した。

 一機目の背後に回りこむと背中からプラズマブレードを突き刺し処理した。二機目は距離をあけてビームライフル。二機目は正面からのプラズマブレードの袈裟切りだ。


「なんだあのふざけた性能は」

「ヴァーリには及ばんぞ。ユノと調整結果だな」

「どんな調整をしたら相手の背面を取れるほどの機体になるんだ」

「運動性に全振り、軽量化。あとから機動性もついてくる。もともと火力に優れた機体だ。狙撃機に近接能力全振りしたようなカスタマイズだな」

「相反するコンセプトをいれていいのか」

「これでも最古の超越知能だからな。それぐらいやりようはある。装甲は捨てたが、NM装甲である程度担保している。ワンショットライターではないから安心しろ」

「そうか」

「もう一機も面白いぞ」


 モニタに映ったホークは隻翼が愛用していたスパタだ。

 右腕の装甲にオーガードライバーを装備。盾も持っている。

 両肩にはロータリーレールガンとミサイルランチャーだ。


 スパタは一機のネフィリムと対峙している。

 牽制しながら距離を取り、手堅く戦っている。


「良い調整だ。チヒロだな」

「支援の重要性を問うてみた。アルフロズルに搭載されているホークは高性能だからな」

「別に他の機体でもいいと思うんだが」

「生き別れの妹だったんだろう? 泣かせるじゃないか。連絡一つ寄越さない兄が乗っていたホークに搭乗したい一心であの腕前になった」

「それをいわれると辛いが」

「戦力にはなる。何より――」


 カインがふっと笑みをこぼす。


「中身はほぼ別物だ。リアクターも交換しておいた、レプリカA級となる。名付けるならスーパースパタといったところか。中・遠距離支援用と盾装備だ。接近戦はオーガードライバーと小型のプラズマブレード」

「スーパースパタか。諸元を見せろ」

「ほらよ」


 並んでいる数字は、隻翼の知っているものとは別物になっている。


「魔改造にもほどがある。修理できるのか」

「安心しろ。ドゥリンとドヴァリンには設計図を投げておいた」

「この二機は順調だな」

「二機?」


 ふと思い立ち、隻翼は確認する。


「ところでビッグヴァルチャーは」

「あれか。すまん。やりすぎた」

「なにを? グラディウス・ビッグヴァルチャーだ。スーパーグラディウスにはなるまい」

「そうだな」

「カイン?」


 目を逸らしたカインがなにかしらのやらかしをしたと察した隻翼。


「ガレージテストの結果を見せろ」

「再生しよう」


 新たな外装に変わったビッグヴァルチャーが、両手に二刀のプラズマブレードを構えて縦横無尽に戦っている。

 もともと凄腕のナミであったが、変形機構をもつビッグヴァルチャーには不可能な動きに見えた。


「変形機構を廃したか」

「あるぞ」


 離れた一団には、すかさず可変して戦闘機状態で接近。

 すかさずホーク形態に戻り、ネフィリムを破壊している。


「何をした?」

「少し興が乗った。凄腕のホーカーツバキの名は伊達ではなかったな」

「もうグラディウスを名乗っていいレベルではないぞ」

「ほぼ新設計だ。運動性や近接能力はフラメンシュヴェルに迫る。装甲はスーパースパタ並みだ」

「性能盛りすぎだろ」

「それでもヴァーリ一機には遠く及ばん。テュールスフィアめ。技術の粋をこらしすぎだ」

「ヴァーリ基準はやめたほうがいいぞ」

「装姿戦闘機の参考にさせてもらった。グラディウスは改良の余地がある」

「装姿戦闘機のほうが変形する分改良の余地は少ないはずだ」

「そうでもない。内部兵装格納機能を排除、変形機構の補助にすればこの結果だ。リアクター、新変形機構、新装甲。ヴァーリを参考にナミの許可を得て、すべて反映させた」

「何がお前をそこまでさせたんだ」

「ヒロシマのお好み焼きと鉄板焼きが私をそこまでさせたのだ!」

「そうか。――そうか…… ならば仕方ないな」

「お前達がミッション成功の暁にはもう一度焼いて貰う約束も取り付けた」

「報酬と対価が釣り合ってないぞ」

「人体が機械化した人々、機械惑星。料理というスキルがどれほど希有なものか、お前は把握しておらん」


 カインの目が笑っていなかった。


「正当な対価はすでに受け取った。もう一度受け取れるならそれ相応のものはだす。設計図もアルフロズルに転送していた」

「あれもレプリカAクラスということか。俺としては助かるが……」

「俺も助かるな」


 ベルゼブブがぬっと会話に入ってきた。いつの間にかいたらしい。


「隻翼のいうことも一理あるな。あれはもうグラディウスと呼んでいいレベルではない。一種の化け物だ」

「積載性能はさらに落ちているが、そこは仕方あるまい」

「なんと名付ける?」

「アグラェクウィフ・ビッグバルチャー、だな」

「アグラェクウィフ? どういう意味だ」


 隻翼には聞き覚えがない名だ。刀剣ではないだろう。


「叙事詩ベオウルフにでてくる、グレンデルの母という怪物の名だ。グレンデルもその母もカインの子孫。俺が製造する機体にこれ以上の名はないだろう?」


 そういってカインは不敵に笑った。


いつもお読みいただきありがとうございます! 誤字報告助かります!


ユノは戦艦なみの主砲に的の背後に回れるだけの操縦技術と運動性を手に入れました。

卓越した運動性能は機動性を補っています。スラスター性能は低燃費型。


スーパースパタはレプリカAクラス、原型状態にまで戻されたのでかなり強くなっています。

特性は重装甲よりの中量サイズ。扱いやすい特性は変わらず。兵装で補います。



アグラェクウィフ・ビッグヴァルチャーは武器縛り命名から外れた装姿戦闘機。

ホークではないので命名はOK! IntelやスマホのSOCはもう少しわかりやすくしていただきたい!


応援よろしく御願いします!


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― 新着の感想 ―
武器縛りは何れ完成形に近い物に収束しちゃうしねぇ 日本において刀剣はほぼ打刀に収束したように
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