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大迷宮のあとしまつ ~ ダンジョンの掃除屋おじさん、うっかり有名配信者の配信に映り強すぎてバズってしまう~  作者: 仁香荷カニ


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第11話 一緒にどうですか?

「あ、ああ~ネゴみんさんでしたか。サングラスにマスクをされてて、一瞬誰かと」

「すみません、変装用なんですこれ」


 そう言ってネゴみんさんはいそいそとサングラスとマスクを仕舞う。


 変装用って、まるで有名人みたいじゃないか。……いや、舞華ちゃんが知ってたんだし、有名な人なのかもな。


「あの後は無事に帰れたんですね」

「はい、おかげさまで……昨日は助けていただいて本当にありがとうございました」


 見かけたからお礼を言いに来たのか。なんて出来た子なんだろう。


「力になれてよかったです。では自分はこれで」

「あ、あの!」


 要件が終わり去ろうとする俺を、ネゴみんさんが呼び止める。


「なんでしょうか?」

「その……よろしければ、ダンジョン一緒に回りませんか?」


 彼女の唐突な申し出に俺は少し驚いてしまう。


 俺が、ダンジョン探索?


「それは……ありがたい申し出ですが、自分は仕事がありまして」

「そ、その仕事に興味があって!」


 仕事に興味? 取材したいってこと? ネゴみんさんって記者とかアナウンサーとか、そういう方なのかな。昨日も映像取ってたらしいし。


「あの、もしかして取材ってやつですか?」

「え、あー……はいまあそんな感じです。私、配信業やってまして……。それで、よければ私の配信に出てほしいんです!」


 はいしん……舞華ちゃんが言ってたやつか。といっても、未だにどういったものなのかよくわかってないんだよな。

 うーんどうしよう、なんて答えようか……。


 と考えていると、耳に着けていたインカムにピロンと通信が入った音がする。


『芝崎さん絶対出て!!!』

「うわぁっ!」

「きゃあ!」


 舞華ちゃんの開口一番の大声は俺の脳を激しく揺さぶる。急に来たからびっくりして声出しちゃったし、それでネゴみんさんを驚かせてしまった。

 恥ずかしいし耳が痛い……。


「こ、鼓膜が……どうしたの舞華ちゃん」

「えっと、舞華ちゃん?」

「ああごめんなさい、うちのオペレーター見習いからその、通信が来まして。ほら」


 俺は耳に着けているインカムを分かるようにネゴみんさんに見せる。


「ああ、なるほどオペレーターの方……」

「……それでどうしたの舞華ちゃん。今別の人と話してたんだけど」

『聞いてた! その人と一緒に仕事に行って!』

「いやぁ、そうは言うけど……」

『お願い芝崎さん! ネゴみんの配信に出て! そしたら清掃業者ももっと知名度が上がって最終的に芝崎さんの仕事も減ると思うから!』

「……そうなの?」

『そう! これはマジなやつ!』


 ロジックは分からないが仕事が減るかもしれないとなれば話は別だ。正直信じがたいが、舞華ちゃんの言った通り新宿ダンジョンにはたくさんの人が来てたし、人違いだったが何人かに話しかけられたのも事実だ。


 俺にはわからないが何か根拠があるのだろう。それに、最近は仕事が忙しくてあまり構ってあげられてなかったからな。たまには言うことを聞いてあげないと。


「といってもはいしんて何なのかおじさんよくわからないし、何をすればいいか……」

『自分の事をおじさんって言わない! なんというかほぼ取材みたいなものだから、深く考えずに芝崎さんが好きなあの……なんとかの流儀? 的な感じでいい感じに清掃の仕事を紹介すればいいから!』

「あ、そうなんだ」

『そう! そうすれば全国ネットで芝崎さんのこともダンジョン清掃のことも知名度爆上げってこと! ダンジョン清掃に興味を持ってくれる人が激増して人手不足も解消!』


 舞華ちゃんが言うほどとんとん拍子に事が進むとは思えないけど、これはありがたい機会かもしれない。


 ダンジョン清掃の仕事は重要度の割に、一般人どころか探索者の間でもあまり知られていない。ネゴみんさんに力を貸してもらってダンジョン清掃のことをみんなに広く知ってもらえれば、それでもう万々歳だ。別にこの仕事に秘匿すべきことも特にないしね


 それに、ネゴみんさんに話しかけられてちょっと舞い上がっている自分がいる。誰かに必要とされているというのは、やはり嬉しいものだ。


「あの、もしダメだったら全然……」

「よし、わかりました。ネゴみんさん」


 俺は少しだけ不安そうな顔をするネゴみんさんに、努めて明るく声をかける。


「じゃあ一緒に行きますか! ダンジョンへ!」




――――――――――――



ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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