第二十九話「狂気の世界」
目を覚ました僕、山田太郎は見知らぬ土地にいた。辺りを見渡すと、空は紫に染まり、地面はゆがんだ鏡のように歪んでいた。木々は逆さまに生え、川の水は空に向かって流れている。まるで狂気の絵画の中に迷い込んだようだ。
僕はそっと歩き始めた。足元には、時計の針が逆回りをしているような感覚があった。そして、その奇妙な世界で、一人の少女に出会った。彼女は僕に向かって微笑みながら、「星野ミカ」と名乗った。ミカ…?僕の知るミカと同じ名前、同じ顔をしている。でも、彼女は僕のことを全く知らないようだった。
「ここはどこなんだ?」僕は尋ねた。
「これは狂気の世界よ。ここでは時間も空間も、常識も非常識も、全てが混ざり合っているの」とミカは答えた。
「どうしてここにいるんだ?」僕はさらに問いかけた。
「私はこの世界を旅しているの。でも、あなたは違うわね。あなたはここに属していない」と彼女は言った。
僕は混乱しながらも、この狂気の世界で何か手がかりを見つけられるかもしれないと思い、ミカと共に歩き始めた。彼女は僕の知るミカではないかもしれないが、この世界での唯一の知り合いだ。僕たちはこの狂った世界を一緒に旅することになるのだろうか…。




