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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
6章:新たなる出会い
49/71

49話 氷のアイドル

こんにちは!作者です!

今回はまたまた新しいキャラが登場です!サブタイトルして…もしかしてあの究極で完璧なアイドル!?



──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。

 とある日の放課後の教室。

「ライブチケット?」

帰る準備をするレビィに向けて複数枚のチケットを見せるエアル。

「うん。このライブのプロデューサーが、女王の私を招待することで話題作りをしたいんだって。」

「あはは…理由が潔い良いね…」

「で、条件として友達も呼んでいい?って訊いたら一杯チケット貰っちゃったの。」

「それで私を誘ってきたってこと?」

「そ!どうかな?因みにライブ日は明後日なんだけど。」

「う〜ん…うん、特に予定もないから良いよ。」

「やったー!ありがとうレビィ!」

エアルがギューっとレビィに抱きつく。

「それで、誰のライブなの?」

やんわりとエアルを離しながらレビィが訊く。

「えっとね、今人気急上昇中のアイドルで、名前は『ルコード・フリズ』!『ルコルコ』の愛称で呼ばれていて、氷魔法を使った演出がとても素敵みたいだよ!」

エアルがスマートフォンで検索した情報を伝える。

「へぇ〜そうなんだ。楽しみ。」

レビィがニコッと微笑む。

「よーし!この調子でシャイン達も誘ってこよ!」

エアルはレビィにチケットを渡すと、他のメンバーに配るために走り去っていった。




 時は流れ、ライブ当日。

 ライブ開催地である円形ドームの前に集まったのは、エアル、レビィ、シャイン、ソノ、ヒューズの5名であった。

「あれ?サナにスノウ、アレンはどうしたの?」

レビィがエアルに尋ねる。

「サナは興味なしの一点張りで、アレンはOGで忙しいみたい。スノウは知らない。多分寝坊だね。」

エアルが大袈裟なため息をつく。

「珍しいな、お前がこういうのに付いて来るなんて。」

シャインがヒューズに話しかける。

「予定は特になかったので、流行りものを楽しもうかと。そういうあなたも珍しいですね。」

「俺はソノの付き添いだ。」

シャインが自然に視線を動かした。ヒューズは釣られて視線を移動させると、そこにはルコルコ公式グッズであるタオルや半被、ペンライトを身に付けたソノが立っていた。

「ルコルコしか勝たん!」

ソノがふんすふんすと興奮抑えきれない顔で叫ぶ。

「成る程、分かりやすいですね。」

ヒューズは全てを察した。

「ソノ、気合入ってるね〜!」

エアルがアハハと笑う。

「はい!最近はずっとルコルコの曲しか聴いてないです!」

「頼むからイヤフォンを付けて聴いてほしいもんだ。お陰でちょっと曲を覚えちまった。」

同居人のシャインが苦情を入れていると、シャイン達目掛けて走ってくる足音が聞こえてきた。

「シャーーーーーーーーーン!!!」

シャインをあだ名で呼びながらシャインに抱きついてきたのは、水色の髪のポニーテールに銀色の瞳をもつ少女──トワイラ・ターコイズであった。

「まさかシャンに会えるなんてサイコー!!」

トワイラはシャインに抱きついたまま、ピョンピョンと跳ねて喜びを表現する。シャインは無感情でペイッと離した。

「トワイラ、何でお前がここにいるんだ?」

そして何事もなかったように尋ねた。

「何でって、そりゃルコルコのライブを観に来たんだよ。」

離されたことに少しムスッとしながら応えるトワイラ。

「トワイラさん!お久しぶりです!」

ソノがペコッと頭を下げる。

「わぁ〜!ソノちゃんおひさ〜!てかその格好、めっちゃ気合い入ってんじゃん!」

トワイラはソノの姿を見てグッと親指を立てる。

「ソノちゃんの格好を見るに、シャン達もルコルコのライブ?」

「ああ。エアルがこのライブのプロデューサーに招待されてな、俺らはついでって感じだ。」

「え〜!なにそれ〜!じゃあ絶対VIP席じゃん!いいな〜!」

トワイラが羨ましがっていると、

「おはようございます。エアル女王御一行でございますね?」

とても丁寧な口調で声をかけられた。シャイン達が同じ方向に視線を集めると、そこにはネイビーのビジネスーツを着こなし、白髪のサイドヘアに青色の瞳をもつ30代の女性が立っていた。手にはタブレットを所持している。

「はい。えっと…どちら様です?」

エアルが尋ねる。

「申し遅れました。私はルコード・フレズのマネージャー、『イアス・リオコ』と申します。」

「あ〜マネージャーさん!本日はお招きありがとうございます!」

エアルが笑顔で頭を下げる。

「とんでもございません。こちらこそ、一国の女王様が来て下さるなんて光栄です。差し支えがなければ、ライブが始まる前にうちのルコードに会って頂けますか?」

「是非是非!よろしくお願いします!」

エアルが笑顔で承諾する。

「では早速ご案内致します。()()でよろしいですか?」

6名?確かシャイン達は5人で来たはず。

「はーい!6名でーす!」

思わぬ6人目──トワイラが元気よく手を挙げる。

「お前……」

シャインが呆れた視線を送る。

「いいじゃん別に。他人ってわけじゃないし。エアルも良いよね?」

トワイラがエアルに確認をとる。

「う、うん。私は別に構わないけど……」

エアルが少し歯切れ悪い返事をする。

「じゃあ決まり!イアスさん、6名で!」

「かしこまりました。では、ご案内します。」

イアスの案内のもと、シャイン達はルコードの楽屋へと移動を始めた。

(う〜ん…私は良いんだけど、トワイラが現れてからレビィがずっと不機嫌なんだよね~…。)

移動中、エアルがチラッとレビィの様子を伺う。レビィは少しムスッと顔で、トワイラの背中を見ていた。

(………ま、いっか!なんかあったらそれはそれで面白そうだし!)

エアルはワクワクの心が勝り、今後の展開に期待するのであった。




 「『もうすぐ女王様が到着する。しっかり()()()()しなさいよ。』ね……」

イアスから送られてきたメッセージを読み上げるのは、年齢23歳、身長165cm、水色のロングヘアに白色の瞳をもち、フリフリのアイドル衣装を身に着ける女性であった。

「はぁ〜あ、プロデューサーも面倒なことしてくれたなぁ~。アイドルはステージの上だけでいいのに。」

水色髪の女性が愚痴をこぼしていると、コンコンと楽屋の扉がノックされた。

「は〜い♪どうぞ♪」

カチッと頭の中でアイドルスイッチを入れた水色髪の女性は、全力の可愛さ満点の返事をした。

扉が開き入ってきたのは、自身のマネージャーであるイアスと、エアル女王御一行であった。

「あなたのハートにラブリーアイス♪心も身体もラブリーで震わせちゃうぞ♪初めまして♪ルコルコこと、ルコード・フリズです♪よろしくお願いします♪」

水色髪の女性──ルコードが全力の自己紹介した。

「はわわわわわわわわ!!!!」

感極まり、そのまま昇天しそうな勢いのソノが高速で拍手をする。

「あはは!拍手ありがと!」

ルコードはソノの両手を握り、パチッとウインクをした。推しからのウインクがトドメの一撃となったソノはカチンと固まり、ひゅーっと後ろに倒れていく。隣にいたシャインが咄嗟に受け止めて事なきを得た。

「あはは!そこまで喜んでもらえると嬉しいな!」

ルコードはクスクスと笑ってから、視線をエアルに向ける。

「初めまして!エアル女王様!本日は私のライブにお越しいただき誠にありがとうございます!」

少し緊張気味に握手を求めるルコード。

「あはは、そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ。フランクにいきましょう。」

エアルは笑いながら握手に応える。

「ホント?良かった〜!もぉ〜イアスがすっごい脅してくるだもん。女王様の前ではしっかりしなさいよって。」

安堵するルコードが楽屋の隅で待機するイアスを睨み付けると、イアスはスッと目を逸らした。

「お友達の皆さんも来てくれてありがとう!今日はよろしくね!」

ルコードがシャイン達と1人ずつ握手をしていく。そして最後にトワイラと握手した時、トワイラは一瞬何かを感じ取った。しかしそれが何なのかまでは分からなかった。

「ではそろそろライブが始まりますので、VIP席にご案内します。」

イアスの案内のもと、VIP席に向かうべく、シャイン達は楽屋を後にした。

全員の姿が見えなくなるまで手を振り続けたルコードは、バタンと扉が閉まると同時に、アイドルモードのスイッチをオフした。

「あ〜、何でライブする前にこんな疲れなきゃいけないのよ。後でプロデューサーに文句言ってやる。」

ルコードはドカッと乱暴に椅子へ座ると、スマートフォンでSNSを漁るのであった。



 ルコードのライブは大いに盛り上がって終了した。エアルもスペシャルゲストとしてステージに立つこととなり、大勢のルコルコファンからの歓声を浴びていた。



 ライブは無事終了し、大成功で幕を閉じた。シャイン達は再びルコードに挨拶をした後、ライブ会場から帰っている途中である。

「……………」

トワイラは歩きながら、ルコードから感じ取った何かについて考えていると、ふと1つの可能性が思い浮かび、足を止めた。

「ん?どうしたトワイラ?」

シャインがトワイラが止まったことに気付いて尋ねる。

「あっ、えっと…私、用事思い出したからここで別れるね。今日は本当にありがとう!最高の思い出が出来たよ!」

トワイラは適当な返答をした後、慌てたような様子でシャイン達と別れた。シャイン達はトワイラの不可解な行動に疑問を抱くが、もう声が届かない所まで去ってしまったので、仕方がなく見送るのであった。

とある人物だけは、トワイラの不可解な行動の意図に思い当たる節があるみたいだが、口に出すことはなかった。




 少し時は流れ、空に月が昇って夜が訪れた。ライブ関係者達との打ち上げを終えたルコードとイアスは人通りが多い繁華街を歩いていた。

「はぁ〜…マジでプロデューサーのやつ話長い。終われるタイミング2、3回はあったよ。あんたの武勇伝を聞いてなんの得があるっつうの。そんなに話したいならMETUBE(ミーチューブ)で生配信してろよな。」

マスクと帽子で変装しているルコードの口から愚痴が溢れる。

「ルコード、誰が聞いているか分からないんだから、そういうことは軽率に発言しないっていつも言ってるでしょ。」

隣を歩くイアスが怒る。

「うるさいなぁ。母親みたいな怒り方しちゃってさぁ。」

少し酔っているルコードがベーッと舌を出して反論する。

「『完璧なアイドルにする』。それが貴女と結んだ契約だったはずよ。くだらない発言でこの夢を潰さないで。」

「……分かってるよ。」

正論を言われ、何も言い返せなくなったルコードは口を尖らせた。

「見つけた。ルコードさんですよね?」

2人が会話してきる時、突然背後から声をかけられ、ルコードとイアスは反射的に振り返った。そこには水色ポニーテールの少女──トワイラが立っていた。

「あれ?あなたは確か女王様のお友達。どうしたの?サイン欲しかった?」

相手が誰か分かると、半分アイドルスイッチを入れたルコードが問いかける。

「まぁサインも欲しいですけど、少し気になることがあってご質問したくって。」

「質問?」

「はい。ルコードさんって氷属法が使えますよね?」

「ええ。ライブでも見たと思うけど。」

トワイラの思惑が分からないため、ルコードとイアスは少しずつ警戒を高めていく。

「私、楽屋であなたと握手した時、何かを感じ取ったんですよ。言葉には表しにくい感覚。でも、絶対に感じたことがある感覚って感じです。」

「ふ〜ん。」

「で、さっきその感じ取った何かについて分かったかもしれないので、それを確かめたくってルコードさんを探していたんです。」

「よくこんな人が多いところで見つけられたね。私に発信機でも付けてた?」

ルコードが冗談ぽく告げる。

「いえいえ。そんなことはしていません。ただ、『同種』っていうのは引かれ合うのかもしれません。」

トワイラから発せられた同種という言葉。その瞬間、ルコードとイアスは一気に警戒を高めた。

「同種?もしかしてあなたも氷魔法を使えるの?」

「いえ。私の魔法は水属性です。でも少し特殊なものでして、ルコードさんの氷魔法もその『特殊な魔法』なんじゃないですか?」

「……と、言うと?」

ルコードが結論を求める。

「ルコードさんの氷魔法、『神の力』が宿っていませんか?」

トワイラが問いかけた瞬間、イアスが踵を鳴らし、地を這わして氷の線を伸ばした。氷の線はトワイラを囲むと隆起し、氷の壁となってトワイラを捕縛しようとした。紙一重で反応したトワイラは、足に水を纏わせ、美しい回し蹴りを放つことによって氷の壁を破壊して難を逃れた。

「ちょっ…!ちょっと待って下さい!別に私は敵じゃ──!!」

トワイラが慌てて説明しようとしたが、既にルコードとイアスの姿はなく、裏路地に入る2人の背中を見付けた。

「あ〜もう!待って下さい!」

トワイラは誤解を解くため、2人の後を追った。

本日はお読み下さり誠にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!


現実のアイドルも裏ではこんな感じなんですかね?まぁ完全な憶測なんで何の根拠も証拠ないんですけど。


それではまたお会いしましょう!次回をお楽しみに!

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