45話 宿題の提出
こんにちは!作者です!去年の12月から続いたザーパトウェスト編が遂に完結です!
──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。
「アルバーノ王、エアルは俺等の元に連れ戻させてもらうぞ。」
スノウが切り出した話題によって部屋の中に緊張が走る。
スノウとアルバーノ、互いに沈黙のまま数十秒間の睨み合いが続いた後、先に声を発したのはアルバーノであった。
「私は今、不治の心臓病を患っている。余命は長くて残り数年だ。故に王の座を早急に継承しなければならなくなった。そしてザーパトウェストの王は、代々我らダイヤモンド一族が継承するのが絶対だ。だから我々はエアルをザーパトウェスト史上初の女王にするべく連れ戻したのだ。」
初めてエアルを連れ戻した理由を聞いたシャイン達は、理由が理由なだけに何も言い返せずにいた。この状況を想定していたアルバーノは続けて話す。
「だがお前達はこのまま頑なにエアルを返さぬと言い続ければ、次は何をするか想像もつかない連中だ。」
「じゃあ、エアルを返してくれんのか?」
「条件付きだ。お前達が高校を卒業するまでの残り2年。この2年間はエアルをお前達に預ける。」
アルバーノから正式にエアルを連れ戻して良い許可が下り、シャイン達は一斉に喜んだ。そして一頻り喜び合った後、アレンが尋ねる。
「では、それまではアルバーノ様が王を続けるのですか?」
「政治は私が継続して行う。しかし王の肩書きはお前に背負ってもらう、エアル。」
アルバーノが真っ直ぐエアルを見る。
「それもまた、条件ですか?」
エアルも真っ直ぐアルバーノを見ながら問うと、アルバーノは「ああ。」と短く答えた。
エアルは目を瞑り、天井を仰ぐ。そして全てを背負う覚悟を決めると、ゆっくりと目を開き、再度アルバーノを見詰めた。
「分かりました。私、エアル・フィン・ダイヤモンドは、ザーパトウェストの女王となることをここに誓います。」
エアルの瞳に迷いはなかった。
「では、エアル女王よ。最初の命を下してもらおう。ここに前代未聞のダイヤモンド城を襲撃した者達がいる。処罰はどうなされますかな?」
「えっ!?しょ、処罰ですか…!?」
唐突に託されたシャイン達の処罰内容。見るからに狼狽えるエアルを見兼ねたサナが助言をする。
「エアル、あんたは女王なったのよ?つまり、どんな命令だって下すことが出来るの。」
「どんな命令も?」
「そう、どんな命令もよ。」
サナからの助言もあり、エアルはようやくアルバーノの言葉の本当の意味に辿り着いて、パァッと顔を明るくした。
──12月25日。クリスマスに起きた前代未聞の大事件。ダイヤモンド城襲撃。
──主犯は未成年男女合計7名。例え少年少女であろうと極刑は免れない大犯罪である。
──しかし、新たなる女王からは一切のお咎めはなかった。
──この決定に対して反論する者はいなかった。
──当たり前だ。なんせ彼女はザーパトウェストの頂点に君臨する存在。彼女に刃向かえば国家反逆と同等なのだから。
──この事件は後に『クリスマス革命』と呼ばれるようになり、ザーパトウェストの歴史を語る上で重要な出来事になることは、今の彼等が知る由もなかった。
時が流れ、年が明けた。そして今日から3学期が始まる日。
シャイン達の担任であるナナリーは、職員室で準備を済ませると、担当クラスである1年1組の教室へ向かうべく廊下に出た。
「ナナリー先生!」
廊下を出てすぐ、背後から明るい声で名前を呼ばれた。くるりと振り返ると、そこには8人の少年少女が立っていた。
「ただいま!」
先頭に立つオレンジ色のショートヘアーの女子生徒がニコッと満面の笑みを見せると、他の7人も笑顔を浮かべた。
「どう?これで宿題の提出になりました?」
オレンジ髪の女子生徒がニヒヒと笑う。
「ふふっ、はい。宿題の提出を確認しました。皆さん、よく頑張りましたね。」
8人に与えていた笑顔を確認して、ナナリーは少し涙ぐみながらも笑顔で応えた。
「あれ〜?先生泣いてる〜?」
オレンジ髪の女子生徒がからかうような笑みでナナリーに近寄る。
「先生をからかわないの。ほら、もうすぐチャイムが鳴るから教室に行くわよ。」
ナナリーと7人の生徒はそのまま教室へと向かい、紫色の瞳の少女は笑顔で手を振って全員を見送るのであった。
本日はお読み下さり誠にありがとうございます!
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これにて全18話に渡ってお送りしたエアル&スノウを中心とした長編─『ザーパトウェスト編』が終了しました!
広げた風呂敷をしっかり畳めているとは思っていませんが、それはまたこの小説が続く限りは頑張って回収していきますので、気長に待っていただけると幸いです。
さて!次回からはリメイク前の『魔法学園』とは大きく話の順番や内容も変更予定ですので、もしも魔法学園を読んでいただいた方も楽しめるかと思います!
また区切りが良いところまで書き終えましたら一気に投稿しようかと思いますので、それまで気長に待っていただけると幸いです!
ではまた!次回をお楽しみに!




