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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
1章:ようこそ、魔法科高校へ
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3話 12校の魔法科高校

 こんにちは!作者です!今回は龍空高校以外にも魔法科がある高校の紹介回です。なのでストーリーとしては進みません。



──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。

 何気ない休日。紺色のロングヘアーに青色の瞳をもつ少女─レビィ・サファイアは、リビングのソファーでのんびりとスマートフォンで電子小説を読んでいた。

「ねぇレビィ。ちょっと買い物頼める?」

 身長165cm。年齢40歳。先端がカールした紺色の髪に青色の瞳をもつこの女性は、レビィの母親─『フィリア・サファイア』である。

「別にいいよ。なに買ってくればいい?」

二つ返事で了承したレビィがソファーから立ち上がる。

「今、NELI(ネリ)に送ったからお願いね。」

ピロンとレビィのスマートフォンに通知が届く。

「オッケー。じゃあ行ってくる。」

レビィは買い物カバンと財布を預かって玄関に向かう。

「あっ、ご褒美としてパティツーのシュークリーム買ってきて良いわよ。」

フィリアが玄関にいるレビィに向けて言う。

「ホント!やった!じゃ、行ってきまーす!」

分かりやすくテンションが上がったレビィは、上機嫌で玄関の扉を開いた。




 無事、スーパーで買い物を終えたレビィは、人気シュークリーム店─『パティツー』でシュークリームを購入し、ルンルン気分で帰宅をしている。しかし、この気分上々状態が一気に冷める場面に直面してしまった。

「おっ!な〜に〜君〜!なんか楽しそうじゃん!」

そう、帰路の途中で通るコンビニの前でたむろしている制服姿の不良達にナンパされたのだ。

「君可愛いねぇ〜!見た感じ俺らと同いっぽいけど、どこの学校通ってんの?」

最初に話しかけてきた片耳ピアス男がズイッとレビィに近寄る。

「あの…帰る途中なので通して下さい。」

レビィはそそくさと片耳ピアス男の横を通り、その場から逃げようとしたが、他の不良仲間が立ち塞がった。咄嗟に反対方向へ逃げようとするが、片耳ピアス男が道を塞ぐ。レビィは完全に包囲されてしまった。

「帰る途中ってことは用事は済んでんだろ?だったらちょっと俺らと遊ぼうぜ〜!」

片耳ピアス男がレビィの手首を掴んだ。

「いやっ…!離して下さい!」

レビィが必死に抵抗するが、なかなか振り解けない。

「暴れんなよ!おい!こいつ連れて行くぞ!」

片耳ピアス男の指示で他の不良達もレビィを拘束しようとする。だが次の瞬間、1人の不良が背後からポンポンと肩を叩かれた。反射的に振り向いた不良は、そこにいた誰かによって殴り飛ばされた。そして流れるように、片耳ピアス男以外の不良達は一蹴され、殴り飛ばした者だけが立っていた。

「な、なにもんだてめぇ!」

片耳ピアス男はレビィから手を離し、仲間達を倒した謎の人物に問いかける。

「その女に手ぇ出すんじゃねぇよ。」

黒色に黄緑色のメッシュが入った髪に黄緑色の瞳をもつ少年─シャイン・エメラルドがギロリと片耳ピアス男を睨み付けた。

「て、てめぇこの女の男か?」

片耳ピアス男がシャインの威圧に少し怯む。

「お前ごときに説明する時間はねぇ。今からお前は、俺にぶっ飛ばされんだから。」

シャインは一瞬にして片耳ピアス男との間合いを詰めると、握った拳で片耳ピアス男の顔面に一撃を喰らわす。吹き飛んだ片耳ピアス男は地面を転がり、そのまま気絶してしまった。

「あの…ありがとう。」

レビィがシャインに礼を言う。

「当然の事だ。気にすんな。」

シャインが平然とした振る舞いで応えた時、とある音を聴いた。

「ちっ、警察だ。誰かが通報しやがったな。」

「えっ?」

レビィが周囲を見渡すが、警察の姿は見当たらない。

「どこにいもいないけど?」

「いや、サイレンの音が近付いてきている。面倒になる前に逃げるぞ。」

シャインはレビィの手を掴むと、そのまま走り出した。レビィは少しドキッとしながらも、シャインと共にその場を走り去るのであった。




 公園に逃走してきたシャインとレビィは、ベンチに座って一休みしていた。しかし、この一連の騒動によってシュークリームが潰れてしまい、レビィのテンションは下がりに下がっていた。隣に座るシャインはレビィを気にしながらスマホを触っている。

 「……あいつ等の制服、『虎神(とらがみ)』高校の奴だったな。」

ずっと落ち込まれていても空気が重いと判断したシャインが話題を振った。

「……虎神?」

聞いたことない名前にレビィが聞き返した。

「ん?もしかしてレビィ、他の魔法科高校の名前を知らないのか?」

「えっ!?他にもあるの!?」

衝撃の事実に、レビィが仰天する。

「ああ。しかも『12校』だ。」

「多い!意外と多い!」

レビィが予想外の多さにツッコミを入れる。

「この12校は、8月に開催される()()()()()によってキッチリと順位がされている。その順位は高校側にとってかなり重要なものだ。」

「どうして?」

「単純な話だ。入学するなら少しでも順位が高い高校に入りてぇだろ?つまり、受験生の数に大きく影響するってことだ。」

「成程。それで、その順位を決めるとある大会ってどんな大会なの?」

「『KING(キング) OF(オブ) MAGIC(マジック)』。通称『KOM』。各校から選抜された選手が闘い、ナンバーワンを決めるっつう至ってシンプルな大会さ。」

「それ、代表選手に選ばれた人に凄いプレッシャーがかかるね。」

「ああ。だがKOMの代表選手に選ばれるってことは、それ程の実力があるという証明にもなる。それは将来を考えると最高の肩書きになるんだ。だから死に物狂いで代表選手になろうとする人が、毎年一定数はいるって話だ。」

「へぇ〜。じゃあ龍空高校は去年何位だったの?」

「確か『同率1位』だったはず。」

「凄い!でも同着なんだ。」

「ああ。大会史上初のことだったらしい。」

「へぇ〜。どこの高校と同着だったの?」

「ちょっと待てよ。調べた方が早い。」

シャインはスマホで検索をかけ、去年の順位表をレビィに見せた。そこには以下のように載っていた。


12位:火兎(ひうさぎ)高校

11位:羊雲(ひつじぐも)高校

10位:馬原(うまばら)高校

9位:犬白(いぬしろ)高校

8位:猿山(さるやま)高校

7位:牛島(うしじま)高校

6位:鳥崎(とりさき)高校

5位:猪里(いのざと)高校

4位:蛇帝(じゃてい)高校

3位:天鼠(あまねずみ)高校

1位:虎神(とらがみ)高校

1位:龍空(りゅうくう)高校


 「あのナンパしてきた奴等の高校が同着相手だったの?あんな奴等がいるのに?」

「1位だからってその高校の全生徒が良い子なわけねぇだろ。実際、今お前の目の前にいる奴は1位の高校に通ってんだぞ。御坊ちゃまみたいな良い子か?」

シャインが自身を指差す。

「何だろ…すっごい納得してしまった。」

レビィがとても腑に落ちた顔をする。

「……それはそれでなんか腹立つな。」

少しムッとするシャインを見て、レビィはクスクスと笑う。その笑顔を見て、シャインは少しは気が晴れたかと内心安堵するのであった。

「今年は誰が龍空高校の代表になるんだろうね。」

「まぁ基本的には3年生の誰かになるだろうよ。」

「もしかしたらシャインだったりして!」

レビィが冗談ぽく告げる。

「ほう、そん時は全力で楽しませてもらうよ。」

シャインの中の戦闘心が疼いたところで、とある人物が2人に手を振りながら近付いてきた。

「おーい!シャインー!レビィー!」

その人物とは、オレンジ色のショートヘアーに赤色の瞳をもつ少女─エアル・ダイヤモンドであった。

「エアル?何でここに?」

全然予想していなかった人物の登場に驚くレビィは、エアルの手に見覚えのある箱に気付く。

「あれ?それって…パティツーのシュークリーム…」

それは落ち込む元凶となったシュークリームが入った箱であった。

「そうだよ。で、これを………はい!」

エアルが笑顔でレビィにシュークリームが入った箱を手渡した。

「えっ?なんで?」

状況の理解が追い付かないレビィ。

「さっきシャインからNELI(ネリ)に送られてきたの。『レビィの為にパティツーのシュークリームを買ってきてくれ。金は払う。』って。」

エアルが通知履歴をレビィに見せる。

「いつの間にそんな連絡を……」

レビィの視線がシャインに向けられる。

「……お前があまりにも落ち込むからな。」

シャインは公園に到着したあの時、落ち込むレビィの隣でエアルに連絡をしていたようだ。

「ふっふ〜♪こういうところがあるからシャインは良い奴だよね〜♪馬鹿だけど♪」

「一言余計なのが混じってんぞ。」

笑うエアルにツッコミを入れるシャイン。レビィは2人の優しさに涙が出そうになったが、グッと堪えて満面の笑みを浮かべる。

「ありがとう!2人とも!」

シャインとエアルはレビィの笑顔を見て安心した顔する。

「さっ!折角だからシュークリーム食べよ!」

そう言いながらエアルがレビィの隣に座った。

「おい、それはレビィの家族分であって今から食べるもんじゃねぇだろ。」

シャインが言うと、レビィがチッチッチッと指を振る。

「レビィ、開けてみて。」

「えっ?うん。」

レビィはエアルに言われるがまま箱を開けると、中にはシュークリームが6個入っていた。

「へっへっへ♪ここで食べる分も買っておいたのだ♪」

「おまっ!?まさかその分も払えって言うんじゃねぇだろうな?」

「手数料。ってことなら妥当だと思うけど?」

言い返せなくなったシャインは、ハァと大きく溜め息をついて諦めた。

「それじゃあ……はい、2人の分♪」

エアルが楽しそうにレビィとシャインにシュークリームを渡すと、自身の分も取り出してガブッと齧り付いた。

「ん〜〜〜♪ここのシュークリームはいつ食べても最高〜〜♪ほら!レビィも食べて!」

エアルに促され、レビィもシュークリームをパクっと食べる。

「うん♪美味しい♪」

レビィが口元にクリームを付けたまま笑みを浮かべる。シャインは楽しそうに笑うレビィを横顔を見て、小さく笑った後、シュークリームを食べた。

本日はお読み下さって本当にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価をお願いします!


次回も紹介の回となります!とある高校の頂点に立つ者が登場です!

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