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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
3章:龍空祭

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20/72

20話 事件発生

こんにちは!作者です!文化祭編3話目です!そいて祝20話達成です!

キリのいい20話目なのに、サブタイが事件発生って…何だか縁起が悪いですね…。

だとしても!頑張って楽しいストーリーを投稿していきますので!気長に見守っていただけると幸いです!



──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。

──龍空祭1日目が終わり、2日目を迎えた。天気は曇り空ではあるが、生徒達のテンションは前日より昂っている。



 「よーし皆の衆!我らのパジャマ喫茶への投票率は上位らしい!このまま入賞目指して頑張るぞー!」

エアルが拳を掲げると、クラスメイト達が一斉におおー!と気合が入った返事をする。

「そう言えばアレン。あんた昨日どこ行ってたの?一回もパジャマ喫茶で見なかったけど。」

サナが隣にいるアレンに問いかける。

「ごめん。ちょっと別の用事があって顔を出せなかったんだ。今日はちゃんと手伝うから。」

アレンが謝ると、サナはふーんと腑に落ちていない顔をしながらも、この場は納得した。


──ピ〜ンポ〜ンパ〜ンポ〜ン


放送音が鳴り、スピーカーから放送部の男子生徒の声が聴こえてきた。

「お待たせしました!今より龍空祭2日目、開催致します!」

開催宣言がされ、生徒達のテンションが一気に上がった。



 1年1組の教室。現在はパジャマ喫茶となっており、前日より来客が多く、慌ただしくも活気のある状態である。

「お、お待たせしました〜…」

顔を赤らめ、ぎこちない笑みを浮かべながらテーブルに料理を置くのは、髪を下ろし、化粧をされ、ワンピース型パジャマを着せられた完成度が非常に高い女装アレンであった。

「きゃ〜〜!かわいい〜〜!」

「こっち見て〜!」

女装アレンにスマホを向けて連写をする女子生徒達。アレンは己の感情を押し殺しつつ、精一杯の笑顔を振り撒くと、そそくさと厨房に逃げてきた。

「うう…どうしてこんなことに…」

アレンが嘆いていると、

「昨日手伝わなかった償いだと思いなさい。」

と、猫耳パーカー型パジャマを着るサナが、タブレッドを操作をしながら無慈悲な言葉をかけるのであった。

「昨日は悪かったけどさ、これはその……あんまりじゃ──」

「うっさい。さっさと客引きパンダになってきなさい。あんたのお陰今、なんか売上も投票率も上がってんだから。」

アレンの抗議を遮るように、サナは早くお客の前に出るように促す。逆らっても勝てないと悟ったアレンは、げんなりしながらホールに戻るのであった。

「鬼店主ですね。」

「全くだ。」

料理をしながら一連のやりとりを聞いていたヒューズとシャインがアレンに同情した。




 開催されて3時間が経過。どんどん来客も増え、前日以上の盛り上がりを見せる龍空祭。

そんな龍空祭の雰囲気は、アレンが耳の中に忍ばせていた小型通信機にかかってきた通信から一変した。

「アレン聴こえる?奴等が動き出した。動けるかな?」

以前に『姉さん』と呼ばれた女性の声が小型通信機から聴こえてきた。

「──!!了解。」

アレンは短く返事をすると、裏に戻って現状パジャマ喫茶の店主的ポジションとなったサナに話しかける。

「サナ、すまないが急用が入った。抜けて大丈夫かな?」

「……別に構わないわ。もうすぐあんたのシフトは終わるし。でも1つ訊いていい?」

「何だい?」

「あんたは味方?それとも敵?」

サナからの不可解な質問に、アレンは理解が出来なかった。だが、サナの金色の瞳と目が合った瞬間、全てを見透かされているような感覚に陥り、ドクンと心臓が大きく脈打った。

「……味方だよ。」

誤魔化しは不可能と直感したアレンは、真っ直ぐサナを見たまま答えた。

「そ。なら早く行きなさい。」

サナは視線をタブレットに戻した。アレンはありがとうと礼を言って走り去った。

「…そういえばあいつ、女装のまま行ったけど良かったのかしら?」

ふと思ったサナだが、後の祭りのため気にしないことにした。




 中庭。制服姿で休憩中のシャインとスノウは、腹ごしらえに焼きそばを食べていた。

「………」

シャインは黙って焼きそばを食べながら一点を見詰めていた。

「なぁ、さっきから同じ方向見てどうしたんだよ?」

流石に気になったスノウが尋ねると、シャインが割り箸で自分が見ている方向を指す。

「あっち、何だか騒がしい。」

「騒がしい?あ〜確か軽音楽部が路上ライブしてた筈だ。その音だろ。」

「いや、そんなんじゃねえ。これは………エンジン音だ。」

シャインが徐ろに空を見上げる。

「エンジン……?」

スノウもシャインに釣られて空を見上げると、上空に人影を発見した。しかも1人2人ではなく何十人の規模で、全員背中にジェットパックのようなものを背負い、そこから噴出される風によってホバリングしているようだ。全身はアーマースーツを装備し、手には銃や剣などの武器を所持している。

謎の集団は校内の至る所に着地すると、武器を構えて次々に制圧していく。中庭も例外なく3人が着地し、銃を周囲の人々に向ける。

「抵抗するな!大人しくしていれば危害は加えない!」

武装した男が叫ぶと、先程までのお祭り雰囲気から一変し、阿鼻叫喚の大パニックと化した。武装した男は空に何発か発砲し、周囲を一瞬にして黙らせる。

「鎮まれ!我らには目的がある!抵抗しない限り貴様らには危害を加えない!『絶滅魔法』の使い手を差し出せ!」

武装した男が自分達の目的を叫ぶ。次の瞬間、視線が一斉にシャインに集まった。

「なんだ、いきなり人気者になったな。」

焼きそばを食べ終えたシャインが少しだけ笑って現状を茶化す。

「どーすんだ、この状況?」

隣にいるスノウが特に動じることなくシャインに尋ねる。

「どーするもこーするも……」

シャインは徐に腰に携える風砕牙の鞘に手をかける。

「貴様が絶滅魔法の使い手──!」

武装した男が喋り切る前に、風砕牙を抜いたシャインが眼前まで接近していた。シャインは躊躇なく刃を振るうと、武装した男の銃とアーマースーツのみを切り刻んだ。

[閃風拳(せんふうけん)]!」

そして生身の腹部に輝く風を纏った拳を喰らわし、吹き飛ばした。

「き…貴様!」

他の武装した男が銃口をシャインに向ける。しかし照準の先にシャインの姿はなかった。

「な…!?どこに…!」

武装した男が周囲を見渡すが、シャインを発見出来ない。

「上だ!」

最後の武装した男が叫ぶと、反射的に銃口を空に向けた。そこには風砕牙を構えるシャインが殺意の眼を向けていた。

「ひっ…!」

武装した男がシャインの殺意に怯んだ隙を逃さず、シャインは武器とアーマースーツを切り刻むと、頭を踏んで再度跳び上がり、踵落としを脳天に喰らわせた。

「このガキ!!」

最後の武装した男が攻撃をしようとすると、視界にヌッとスノウが割り込んできた。

「おいおい、シャインだけだと思うなよ。」

スノウが右腕を構える。

「[ロックラリアット]!!」

スノウは岩石の如く硬化した右腕で、武装した男に見事なラリアットを喰らわして倒した。

「たく…何なんだこいつ等?」

スノウは気を失っている武装集団に目をやりながら言う。

「こいつ等が何であろうと、絶滅魔法の使い手─つまり俺とレビィを狙っていることは分かった。敵なら容赦しねぇ。」

完全に戦闘モードとなっているシャインが準備運動をする。

「だな。」

スノウも掌と拳を合わせて気合いを入れる。

「まずはレビィ達と合流するぞ。下手な教師どもより頼りになるからな。」

「おうよ!」

シャインとスノウはパジャマ喫茶が行われている自分達の教室へと走り出した。




 時は少し戻り。武装した集団が襲撃した時のパジャマ喫茶。武装集団は1つ1つ確実に教室を制圧していく。

「ちょっ…!なんかヤバい事になってる!」

「どーすんだよ!」

「と、取り敢えず隠れる!?」

「いや遅すぎだ!逃げる方がいい!」

「でも今出ていったらそれこそ危険だよ!」

クラスメイトがパニック状態の中、サナは1人、平常心でタブレットを操作していた。

(成程、あいつ等が()()()()()ってやつね。)

サナはタブレットを近くの机に置くと、徐に廊下へと出て行く。

「ちょっ…!サナ危ないって!」

クラスメイトの女子が小声で叫ぶ。

「あんた達は出てきちゃダメよ。」

サナは全く戻る気を見せず、クラスメイト達に待機の指示をすると、パサッと猫耳が付いたパーカーを取る。

(さて、周囲に被害を出さず、且つあいつ等を一発で倒す魔法か。う〜ん…あまり()()()()()()は使いたくないけど、その方が手っ取り早いし被害も出ないわね。)

サナが思考していると、1人の武装した男が気が付き、銃口を向けながら近付いてきた。

「おい!そこの女!大人しく教室に入るんだ!そうそれば危害は加えないぞ!」

武装した男が忠告しながら更に迫ってくるが、サナは一切動じず、腕組みをしたままジッと武装した男の方を見詰める。

「聴こえているのか!さっさと教室に入れ!」

そして武装した男が目の前まで接近して恐喝してきた時、サナの金色の瞳の中に魔法陣が展開された。

「[スピンワールド]。」

次の瞬間、武装した男の視界がグニャリと回り始めた。その感覚はまるで重度の目眩が如く。

「な、何だ…!?気持ち悪…!」

武装した男は立っていられず、その場に倒れてしまった。他の武装した者達も同様、視界がグニャリと回り、バタバタと倒れていく。そしてサナのたった一手により廊下は鎮圧された。

サナの力を目の当たりにした生徒達は、ただ呆然と静かになった廊下を眺めるのであった。

「今の魔法、何属性に分類されるのですか?」

不意にサナの背後から尋ねてきたのはヒューズであった。

「──!!ビックリした。あんた朝からいなかったから休みかと思ったわ。」

サナは驚きながら振り向く。

「すいません。どうしても外せない用事がありましてね。」

ヒューズはニコッと微笑みながら謝罪した後、

「それで、先程の質問にはお答えしてくれますか?」

と、再度質問をする。

「光属性よ。あいつ等の眼前で強烈な光を発生させて、目眩を強制的に起こしてやったのよ。」

「そうですか。お答え有難うございます。」

「てか、今はそんな事どうでもいいの。こいつ等は何なの?」

サナが話題を謎の集団に変える。

「それは私にも分かりません。ですが先程小耳に挟んだ情報によると、どうやら絶滅魔法の使い手を探しているようですよ。」

「ということは、狙いはシャインとレビィってことね。2人は今どこ?」

「分かりかねますね。到着した時にはこのような状況でしたので。」

「なら探しに行くわよ。」

「了解です。」

サナとヒューズが2人を探しに移動を開始する。




 校内の渡り廊下。そこには武装した者達が何人も倒れていた。

「だからお前らは…何者なのだ!」

武装した者達を薙ぎ倒した当人、制服姿のレビィ改めナイトが最後の武装した者を愛刀の夜桜で斬り倒した。

「名乗らず襲いかかってくるとは、下劣な。」

少し乱れた漆黒の髪を直し、夜桜を納刀しながら倒れる武装した者達を見下す。

「終わった?」

渡り廊下の角で隠れていた制服姿のエアルがひょこっと顔を出してナイトに近寄る。

「ああ。」

「何だろうねこの人達?いきなりレビィの事を捕まえようとしてきたけど。」

「さぁな。少なからず好意的な関係を築くことは不可能だ。」

「だよね〜…あ〜あ、折角の龍空祭がめちゃめちゃだよ〜…」

エアルがガクッと肩を落とす。

「とにかく我が主達と合流しよう。」

「うん。」

ナイトとエアルは移動を開始するが、すぐにナイトは足を止めた。急にナイトが止まったため、エアルはナイトの背中にぶつかった。

「も〜いきなり止まらないでよ〜!」

エアルがぶつけた鼻を撫でながら怒る。

「エアル、もう一度離れていろ。」

ナイトが指示を出しながら、再度夜桜を抜刀した。

「どうしたの?」

「いいから早く。」

ただらなぬ空気を察したエアルは素直に従い、先程まで隠れていた渡り廊下の角に戻り、顔だけ覗かした。

そしてナイトが警戒する廊下の角から、カラン、カラン、と足音を立てながら1人の男が現れた。

「やぁ。君が絶滅魔法を使えるお嬢ちゃん、やね?」

外見年齢30代前半。身長182cm、黒髪の無造作ヘアーに緑色の瞳をもち、山吹色を基調とした少し明るめの袴を身に纏い、腰には二本の刀を携え、足には下駄を履いている男がニヤッと笑う。

「貴様、只者ではないな。何者だ?」

ナイトが臆することなく夜桜を構える。

「拙者か?拙者はムサシ。『ムサシ・ミヤモト』や。」

男はムサシと名乗る。

「ムサシ・ミヤモト…珍しい名だな。」

「あっ。やっぱりそう思う?どーやら大昔にはこんな感じの名前を名乗っていた人間もいるみたいやで。因みにお嬢ちゃんの名前は?」

「我はナイトだ。」

「ナイトかぁ、お嬢ちゃんも珍しい名前やね。」

(あざな)のようなものだ。本名ではない。」

「なんやそうか。ま、こんな敵丸出しの相手に本名なんて言わんよな…レビィ・サファイアちゃん。」

ムサシが小馬鹿にする笑みを浮かべる。

「ふっ、成る程。素性はバレているようだな。」

ナイトの警戒心が強まる。

「すまんのう。こんな大掛かりな襲撃しといて、標的の情報を集めてへんわけないやん。」

「だが、部下どもには知らせていないかったみたいだな。我が絶滅魔法を使わなかったら気付いていなかったぞ。」

「知らん方が血眼になって探すやろ?そしたらええ感じに場を荒らしてくれる。そしたら正義感溢れる君達は勝手に抵抗してくれて、簡単に居場所を突き止めれるって寸法や。」

「成程。部下を全員我々を動かす為のダシにしたのか。冷酷な上司だ。」

ナイトが鼻で笑って煽る。

「組織っちゅうもんはそんなもんやでお嬢ちゃん。覚えとき。」

煽りを軽く流すムサシ。

「組織?つまり貴様等は何かしらの組織に属する者達か。」

ナイトが刃先をムサシに向ける。

「そーいや言ってなかったけ。拙者らは『革命軍』。この世界を変える組織や。」

本日はお読み下さり誠にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!


突如学校に現れたテロリストを撃退する妄想。退屈な授業の時に一度はしたことありませんか?私はしておりました。


それではまた明日、お会いしましょう!お楽しみに!

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