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始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
3章:龍空祭
17/71

17話 2学期の転入生

皆様お久しぶりです!作者です!本日からとある日までまたまた連続で投稿していきたいと思います!

予定していたところまで書き終えていないのですが、とある事を思い付いてしまったので、折角だし実行しようと思い立ったのです。

頑張って皆様に楽しんで頂けるストーリーを投稿していきますので、是非とも読んで下さいませ!




──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。

 KOMの決勝の行く末は、ナナリーの根回し、シャインとダクネスによる息の合った黙秘、捏造によって、シャインの思惑通り、あくまで試合上による戦闘が行なっていたことになり、正式に龍空高校の優勝という結末で幕を閉じた。



 そして時は流れ、あっという間の夏休みが終わり、2学期が始まるのであった。





 「はぁ〜…だりぃ…」

黒色の中にメッシュの如く黄緑色が混じるセミロングの髪に、黄緑色の瞳をもつ少年──シャイン・エメラルドが、学校が始まったという事実に対して気怠さを感じ、ため息を吐く。

「ほ〜ら、2学期の初日なんだからシャキッとしなさい。」

シャインの後ろから腰をポンと叩くのは、紺色のロングヘアーに青色の瞳をもつ少女──レビィ・サファイアであった。

「元気だな、朝から。」

「シャインのテンションが低過ぎなのよ…」

2人がたわいもない会話をしながら校舎に向かっていると、

「あの、すいません。」

誰かが2人の背後から話しかけてきたのだ。

振り向いた2人の目に入ってきたのは、うなじまで伸びた緋色の髪を三つ編み一つ結びにし、灰色の瞳をもつ美少年であった。

「職員室はどちらでしょうか?」

口調から礼儀正しさが垣間見える美少年が質問をする。

「職員室なら、前に見える昇降口を入って右に曲がった所にありますよ。」

レビィが丁寧に説明する。

「ありがとうございます。」

緋色髪の少年はペコっと頭を下げると、シャインとレビィを抜いて去っていった。

「あんな奴、いたか?」

見覚えのない生徒に、シャインが首を傾げる。

「ううん。私も初めて見た。職員室の場所を訊いてきたってことは、もしかしたら転校生か転入生かもね。」

レビィが応える。

「ふ〜ん。」

「さ、私達も早く教室に行こ。チャイムが鳴っちゃう。」

レビィとシャインは教室へと向かった。




 「へぇ〜転校生が来たんだ。」

オレンジ色のショートヘアーに赤色の瞳をもつ少女──エアル・ダイヤモンドがレビィの話に興味を示す。

「いや、まだそうと決まったわけじゃないよ。」

「でもでも!やっぱこういうイベントはワクワクするよね!」

「いや、だからまだ決まって…」

「あ〜でも私達のクラスじゃない可能性もあるか。それに先輩ってこともあるか。」

エアルのワクワクトークが止まらず、レビィは話す隙がないと察し、愛想笑いをしておくことにした。


 そうこうしている内にチャイムが鳴り、担任である黒色のショートヘアーに茶色の瞳、黒縁眼鏡をかけた女性──ナナリーが入ってきた。同時に生徒達は自分の席へと座っていく。

「皆さん、おはようございます。早速ですが本日は転入生を紹介します。」

ナナリーの言葉に教室中がざわめく。そして扉を開けて入ってきたのは、身長170cm、うなじまで伸びた緋色の髪を三つ編み一つ結びにし、灰色の瞳をもつ美少年であった。

急な美少年の登場に、教室の女子達のテンションが自然と上がった。

「初めまして、『アレン・ルビー』と申します。」

アレンと名乗った緋色髪の美少年。その爽やかな声に、女子達のテンションが更に上がった。

「じゃあアレン君の席は、シャイン君の前ね。」

ナナリーがアレンの席を指差す。アレンは指差された席に向かい、後ろの席になるシャインを見て思い出す。

「さっきは職員室の場所を教えてくれてありがとう。」

アレンが席に座り、シャインにニコッと微笑みながら礼を言う。

「教えたのは俺じゃねぇよ。こっちだ。」

シャインが右隣のレビィに視線で誘導する。

「あの時はありがとう。えっと……」

「レビィよ。レビィ・サファイア。」

笑顔で自己紹介するレビィ。

「レビィだね。よろしく。」

「私はエアル・ダイヤモンド!よろしくねアレン!」

エアルが元気よく名前を名乗る。

「うん、エアルもよろしく。」

アレンは2人と挨拶をしてから、視線をシャインに戻す。

「君もよろしく、シャイン君。」

「……ああ。」

シャインが軽い返事をした時、ナナリーから喋り過ぎと注意され、教室に笑い声が響いた。




 昼休み。1年1組のクラスに女子達が殺到していた。

「ねぇねぇ!どこから来たの?」

「綺麗な髪〜!どこのシャンプー使ってる?」

「実家から?それとも寮に住むの?」

あっという間に女子達に囲まれたアレンは、質問攻めに遭っていた。

「一瞬にして女子からの人気と、男子からのヘイトを獲得したな。」

銀色のウルカットされた髪に茶色の瞳をもつ少年──スノウ・シルバーが、自分の机に座って昼飯の焼きそばパンを食べながらアレンを囲む女子達と、その様子を隅から妬みの視線を向ける男子達を交互に見る。

「どんな魔法を使うのかしら?」

金髪のショートヘアーに金色の瞳をもち、前髪を赤色でシンプルなデザインのヘアピンで留める少女──サナ・クリスタルの興味は、アレンの外見より魔法のようだ。

「訊いてきたら良いではないですか。」

綺麗に手入れされた茶色のロングヘアーに琥珀色の瞳をもち、黒縁眼鏡をかける少年──ヒューズ・クオーツが提案する。

「あの中に混ざれっていうの?冗談じゃないわよ。」

アレンを囲む女子達と同類にはなりたくないサナが拒否する。

「なんかレビィが転校してきた時を思い出すな〜。」

エアルが記憶を遡る。

「私が転校してきたの5月頃だから、もう転校生感はなくなっているけどね…」

レビィがハハハと苦笑いする。

 シャイン達が日常会話を楽しんでいると、一旦満足したのか、アレンを囲んでいた女子達が解散していった。解放されたアレンは心なしかぐったりしている。

「アハハ、お疲れ様。はい、これでも飲んで。」

エアルが労いの紙パックジュースをアレンの前に置く。

「いいの?ありがとう。答え過ぎて喉がカラカラだよ。」

アレンは受け取ったジュースを飲むと、シャイン達6人に視線を向ける。

「君達はいつも6人でいるのかい?」

「そうだね。特に何もなければ自然と集まってる感じ。」

エアルが答える。

「君達が集まったきっかけは何だったの?」

アレンの更に質問をする。

「私は転校生だったら最後だけど、元々5人は知り合いだったよね?私もちょっと気になるかも。」

レビィが興味を示す。

「……そう言われると、きっかけって何だったんだろう?」

エアルがう〜ん…と悩むが、思い出せないようだ。

「いつの間にかこのメンバーで定着してたな。」

スノウが思い返すが、あやふやな回答をする。

「あはは。もしかしたら、君達がこうして集まったのは、運命なのかもしれないね。」

アレンが甘いマスクの笑みを浮かべる。

「運命か…」

シャインが誰にも聴こえない声量で呟くと、丁度昼休み終了のチャイムが鳴り、自分の席へと戻っていく。

「シャイン、放課後時間ある?」

後ろの席のシャインに対し、アレンが尋ねる。

「ん?まぁ大丈夫だけど。」

「なら少し話がしたいんだ。1人で屋上に来てくれるかい?」

「──?別に構わねぇが。」

シャインはアレンの意図が分からないまま了承した。




 時は流れ放課後。シャインはアレンに言われた通り、1人で屋上に到着した。そこには緋色の髪を風に靡かせるアレンが待っていた。

「ありがとう。ちゃんと来てくれて。」

「で?用事は何だ?」

シャインがすぐに本題に入る。

「シャイン、君は能力解放(アビリティリリース)になれるのは本当かい?」

アレンが真剣な顔で問う。

「どうしてその事を知っている?」

少し警戒の目を向けるシャイン。

「知ってるも何も、君の存在は君が思う以上に有名だよ。絶滅魔法が使えるということで既に名前だけは広まっているのに、KOMの一件で能力解放(アビリティリリース)になれるようになった。有名にならないわけがない。」

「……本人が知らねぇところで勝手に有名人扱いかよ。」

「さて話を戻すけど、本当に能力解放(アビリティリリース)にはなれるの?」

「だったらどうすんだ?」

シャインは否定はせず、逆に質問をする。

「今ここで能力解放(アビリティリリース)になってくれないかい?」

「ここで?」

「うん。この目で確かめたいんだ。」

「…………」

シャインは黙ったまま徐に目を閉じた。そして数秒後、キッ!と見開いた瞬間、髪の色が黄緑一色、瞳の色が金色へと変化し、凄まじい魔力が放たれた。

「へぇ…本当になれるんだね。」

「で、ここからどうするんだ?まさか()り合うのか?」

「流石にそれはしないよ。本当にただ確認がしたかっただけなんだ。もう解除して大丈夫だよ。」

「そうか。」

シャインは能力解放(アビリティリリース)から元に戻った。

「自由自在になれるんだね。」

「まぁそれなりの努力はしたけどな。自由自在になれるようになったのはつい最近だ。──で、お前は一体何が目的だ?」

シャインがアレンの本当の目論見を訊く。

「……ごめん。詳しい話は出来ないんだ。でも代わりに警告をしておく。」

「警告?」

「君のその力は、やがて()()()()()を呼び寄せることになる。だから用心してほしい。」

「とある組織ねぇ…それが何かも、話してはくれねぇのか?」

シャインが訊くと、アレンは黙ったまま頷いた。

「はぁ…分かったよ。警告どうも。もう行っていいか?」

「うん。付き合ってくれてありがとう。」

シャインはアレンとの会話を終えると、先に屋上を後にした。


 屋上で1人となったアレンのスマートフォンに電話がかかった。

「もしもし?」

「あっ、アレン。ど〜?学校には慣れた?」

アレンが通話にでると、女性の声が聴こえてきた。

「まだ1日しか経っていないよ。」

「あはは〜♪確かにそうだね。それで、シャイン君はどうだった?」

「報告通り、能力解放(アビリティリリース)になれるみたい。」

「そっかぁ〜。なら、あいつ等も動いてくるかな。」

「間違いなくね。僕はこのままこっちで護衛と偵察を続けるよ。」

「了〜解。頑張ってね♪あっ、折角なんだから学校生活も楽しみなよ♪」

「はは、そうするよ。」

アレンは女性との通話を終えると、寮へと帰っていくシャインを見下ろしながら呟いた。

「もしかしたら君の存在は、世界の運命を決めるほどかもしれないね。」

本日はお読み下さり誠にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!


今回から新たな仲間、アレン・ルビーが加わりました。彼は一体どんな風にストーリーを盛り上げてくれるのでしょうか。楽しみですね。


それではまた明日、お会いしましょう!お楽しみに!

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