15話 決着
こんにちは!作者です!
遂にシャイン対ダクネスの戦いに決着がつきます!ここで長く語るのも野暮ですので、早速本編をどうぞ!
──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。
──ドクン!
観客席にいるレビィが何かを感じ取ったかのか突然胸騒ぎが起き、炎の壁をバッ!と見た。
「どうしたのレビィ?」
エアルがレビィの異変に気が付いて尋ねる。
「何だか胸騒ぎがする。もしかしたらシャインに何かあったのかも…」
「シャインに?彼女の勘ってやつ?」
「か、彼女じゃない!──とにかく!早くこの炎の壁をどうにかしないと…!」
レビィが炎の壁を見詰めながら突破方法を考える。
「何か方法はありますか?」
ヒューズが隣にいるサナに訊く。
「何で私に聞くのよ?」
「サナの頭の良さがあれば何か思いついているかと思いまして。」
「あんたも頭良いほうじゃない。──まぁなくはないけど。」
「どんな方法ですか?」
「レビィが炎の壁を突破する。」
「わ、私!?」
いきなり選ばれてビックリするレビィ。
「そうよ。あんたにしか出来ない方法だけどね。」
「どういうこと?」
レビィが理由を訊く。
「あんたの夜叉魔法は無属性。無属性ならたとえ神の火であろうと斬れるんじゃないかって思ったの。」
「ああ、確かに。でもどうなんだろう……」
レビィがう〜ん…と悩む。
「いや、本人が分からねぇのかよ。」
スノウがツッコミを入れる。
「……じゃあちょっと専門家に訊いてみる。」
そう言ってレビィは目を瞑り、心の中に集中する。
(さっきまでの話、どうせ聞いていたでしょ?実際どうなの、『ナイト』?)
目を瞑ったまま、心の中にいる夜叉魔法の化身──ナイトに尋ねる。
(例え相手が神の属性であっても、無属性の前では無力。完全には斬れぬであろうが、風穴くらいは空けられるだろう。)
(ホント!?)
(ああ。あと、突入するなら急げ。先程の胸騒ぎは気のせいではない。主の生命力が徐々になくなってきている。)
(嘘!?なら早く助けに行かなきゃ!ありがとうナイト!)
レビィはナイトに礼を言って瞼を開ける。
「ナイト、何だって?」
エアルが尋ねる。
「サナの言う通り、無属性であれば大丈夫みたい!。それより!やっぱりシャインに何かあったみたい!かなり危険な状態だって!」
「なら、突入する以外選択肢はないわね?」
サナが訊くと、レビィは力強く頷いた。
その時、レビィ達の担任であるナナリーがレビィ達に駆け寄ってきた。
「あなた達!避難命令が出ているわ!早くコロシアムの外へ!」
ナナリーは5人に避難するように指示するが、全く動こうとしない為、何かを察した。
「まさかあなた達、シャイン君を助けに行こうとしているの!?危険だから止めなさい!」
ナナリーからの警告を聞いたレビィは、髪の色を漆黒、瞳の色を赤に変えながらナナリーの前まで歩いていく。。
「ならば問う、ナナリーよ。ここで我が動かなかった場合、誰が我が主を助けるのだ?」
「あなた、もう1人のレビィさんね。シャイン君は大会運営の人や教師の私達大人が……」
「その大人達は今、主の為に何をやっている?」
ナイトが食い気味に尋ねる。
「そ、それは…水属性の魔法で消火活動をしつつ、平行で別の方法を考えて……」
「あの炎の壁は神の火だ。普通の水属性の魔法で消せるわけなかろう。この事は予選リーグでダクネス本人が証明していたはず。なのに最初にする行動が消火活動だと?」
「な、何もしないよりはマシじゃないかしら。」
「無駄だと理解しているのに行動に移すのはただのパフォーマンスに過ぎない。そんな下らないことをしている大人どもを信じ待っていれば、今まさに死へと近付いている我が主を助けられるのか!?」
ナイトが少し声を荒らげ、ナナリーにグッと近寄る。ナナリーはナイトに圧倒されて口籠もってしまう。
「ナイト、ナナリー先生を責めても現状は好転しませんよ。」
ヒューズが冷静にナイトを宥めると、ナイトはナナリーに背を向ける。
「お主らにとってシャインは数多の生徒の中の1人だろう。だがな、我にとってシャインは、この世で唯一無二の主なのだ。」
ナイトは背を向けたままナナリーに告げた後、炎の壁へと近付く。
「ゆくぞ、レビィ。」
(うん!)
ナイトと心の中にいるレビィが覚悟を決め、刀を構えた時だった。
「待って!」
誰かが叫びながらこちらに走ってきた。
「お主は確か…トワイラ、だったか。」
ナイトは一度夜桜を下げ、こちらに走ってきた水色髪のポニーテール──トワイラ・ターコイズに話しかける。
「私も連れてって!」
トワイラが真っ直ぐナイトを見詰める。
「……良い覚悟の眼だ。」
ナイトはトワイラの銀色の瞳に宿る覚悟を見抜き、同行を許可した。
「ありがとう!……て、あなたなんかイメチェンした?」
トワイラが今のナイトの姿に少し首を傾げる。
「話すと長い。取り敢えず今の私はナイトと呼んでもらおう。」
「分かった!よろしくね、ナイト!」
一瞬にして順応したトワイラがグッ!と親指を立てる。
「よし、ゆくぞ。」
ナイトは再度夜桜を構える。
「[暗円月]!」
ナイトが夜桜を振るうと、前方の炎の壁にぽっかりと真円の穴が空いた。
「今だ!飛び込むぞ!」
ナイトが空いた穴に向けて飛び込むと、続けてトワイラも穴に飛び込んだ。そして2人が通過すると、穴はすぐに塞がれた。
時は少し遡り、シャインが脇腹を刺された直後。
「流石は俺の憎き存在。意識はなくとも死んではいないか。まぁいい、放っておいても大量出血で死ぬだろう。」
ダクネスが血を流し倒れるシャインを見下しながら嘲笑う。
(『俺はただお前に──!』)
ダクネスの頭の中にシャインが最後に言おうとした言葉が過る。
「……お前の要望なんぞ、興味がない。」
吐き捨てるように告げると、ダクネスはシャインに背を向けてその場を去ろうとする。
その時、ピクッとシャインの指が動いた。
「待てよ……この野郎…」
シャインが鉛のように重くなった体を無理矢理動かして立ち上がる。
「成程、治癒術を習得していたか。」
振り返ったダクネスが、シャインの脇腹の傷が僅かに塞がれているのに気付く。
「応急処置レベルの力だけどな……」
「ふん…だが、そんな満身創痍で立って何が出来る?」
ダクネスが煽るような笑みを浮かべる。
「お前に勝つことが出来る…!」
シャインが真っ直ぐダクネスを睨む。瞬間、ダクネスから笑みが消える。
「…………戯れ言を!」
激昂しながら炎の剣を形成すると、とどめを刺すべく斬りかかる。シャインは髪を黄緑一色、瞳を金色に変えると、風砕牙で炎の剣を防ぐ。
「戯れ言かどうか…試してみるか?」
「ほう…能力解放か。」
2人は同時に距離を空ける。
「こいよ。これが最後の戦いだ。」
「クハハハハ!いいだろう!この戦いで完膚なきまで叩き潰してくれる!」
ダクネスも髪を真っ赤に染める。
燃え盛る炎の壁に囲まれたフィールドのど真ん中で、全力状態のシャインとダクネスが激しい攻防を繰り広げている。ほぼ互角の戦いに終わりがないと思われたが、体力には限界がある。体力低下によって動きが徐々に鈍くなり、両者とも被弾が増え始めた。
そして激闘が始まり数分が経過。己の限界を裕に超えたこの戦いは、死力の戦いへと発展していく。
「[龍翔閃風牙]!!」
シャインが刀を振るい、輝く風で形成された龍を放つ。
「[火神虎駆猟]!!」
ダクネスは神の火で虎を形成して、真っ向から放つ。
輝く風の龍と神の火の虎は正面衝突して大爆発を起こす。発生した衝撃波によってシャインとダクネスは吹き飛び、受け身なしで地面に叩き付けられた。
そして限界を超えた体を無理矢理動かして立ち上がると、同時に悟った。次の一撃で最後だと。
残る全ての魔力を使い果たす勢いで、両者は最大まで魔力を高める。
すると、シャインの背中に閃風で形成された翼が生え、構える風砕牙には無数の小さな輝く風の羽根が集まり、最終的に刃を覆うように一本の巨大な羽根となった。
ダクネスは構える炎の剣を、禍々しい造形をした大剣へと変形させた。
「[火神煉獄断]!!!」
ダクネスが禍々しい炎の大剣を振り下ろし、赤黒い炎の斬撃を放った。
シャインは地面を抉りながら迫る赤黒い炎の斬撃に向けて、地面を蹴った。そして一刀両断。赤黒い炎の斬撃を羽根の刃で斬り裂くと、そのままダクネスに突っ込んだ。
「[閃風光翼斬]!!!」
シャインの全身全霊の一撃が、ダクネスを捉えた。
クソが…何でお前はいつもいつも、光の中心にいんだよ。
眩しくて仕方がない。
邪魔で仕方がない。
馬鹿なくせに。
戦いが強いだけのくせに。
なのに……誰よりも勇敢に動きやがって。
常に誰かの英雄でいやがって。
そして俺は……何で俺はそれを…羨ましいって思っちまったんだ。
ダクネスは両膝から崩れ、そのまま力なく俯せに倒れた。
「俺の勝ちだ……ダクネス。」
煌びやかに舞う羽根の中で、シャインは自分の勝利を宣言した。
本日はお読み下さって本当にありがとうございます!
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この辺りを執筆していた時は、過去のオリジナル版や今のリメイク版でもワクワクしておりました!自分の中では結構好きな戦いです!
読んで頂いた皆様も、少しでもワクワクして下さっていたのなら幸いです!
では、KOM編はあともう1話ありますので、次回もお楽しみ!




